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中田翔と中島宏之…巨人一塁の「熾烈なレギュラー争い」を制するのは?

 

好スタートを切った中田だが徐々に失速


打撃の状態がなかなか上向かない中田


 阪神に連敗を喫したが巨人が開幕から19試合を終えて、12勝7敗と上々のスタートを切った。快進撃の背景に新戦力の活躍が目立つ。守護神に抜擢されたドラフト1位右腕・大勢が9試合登板でリーグトップの8セーブ、ドラフト3位右腕・赤星優志も開幕から先発ローテーションに入り、3試合登板で1勝1敗、防御率1.80と抜群の安定感を誇る。

 ここ2試合は計2得点に終わっているが、打線は懸案事項だった一番で吉川尚輝が稼働していることが大きい。打率.371、1本塁打、7打点、3盗塁と状態が良い。坂本勇人岡本和真の両主軸は心配がないだろう。昨季は打撃不振でファーム降格を味わった丸佳浩はリーグトップの5本塁打、13打点とポイントゲッターになっている。

 明るい材料が多い中で、心配なのが中田翔だ。昨季はシーズン途中に日本ハムから電撃移籍したが、34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点。オフは下半身強化に励み、ウエイトトレーニングでベストに近い110キロ前後まで20キロ増量した。オープン戦で打率.325、3本塁打、8打点と仕上がりの良さをアピール。「五番・一塁」で開幕スタメンを勝ち取った。

 3月26日の開幕2戦目・中日戦(東京ドーム)で4回に左翼線二塁打、3点差を追いかける8回無死一、二塁で左中間への適時二塁打を放つなど逆転勝利に貢献すると、翌27日の同戦でも初回に岡本和真の一発のあとに弾丸ライナーで今季初アーチを放った。4月3日の阪神戦(東京ドーム)では初回に左中間へ運ぶ先制の2号満塁弾を放ったが、徐々に好機で凡退する打席が目立つようになった。

 4月10日のヤクルト戦(東京ドーム)から3試合連続スタメンを外れ、「八番・一塁」で先発起用された15日の阪神戦(甲子園)も3打数無安打2三振。打率.190、2本塁打、8打点とふるわない。日本ハム時代は「不動の四番」で打点王を3度獲得。スランプの時期も首脳陣は我慢強く起用し続けていた。だが、選手層の厚い巨人は違う。状態が悪ければ、主力選手もスタメンから外される。中田にも意地があるだろう。再びレギュラーを奪取するためには、バットで結果を出すしかない。

衰えないパワーと技術


大ベテランの中島のバッティングはまだまだ健在だ


 この中田に代わって、存在感を発揮しているのが39歳、チーム最年長の中島宏之だ。中島の生き様は中田の良きお手本になるだろう。西武で球界を代表する強打の遊撃手として活躍したが、アメリカ球界、オリックスを経て巨人に移籍1年目の2019年は43試合出場で打率.148、1本塁打、5打点。不本意な成績に終わったが、ここからはい上がった。

 バットを大上段に掲げる構えだったがグリップの位置を両肩より下げ、左足の上げ幅を小さくした打撃フォームに大きくモデルチェンジ。翌20年は100試合出場で打率.297、7本塁打、29打点と復活し、昨年も81試合出場で打率.271、6本塁打、26打点をマーク。得点圏打率.385と勝負強い打撃で代打の切り札としても重宝された。

 今季は2試合目のスタメン出場となった12日のDeNA戦(那覇)で4回に入江大生の145キロ直球を完璧にとらえ、中堅フェンス直撃の2点中越え適時二塁打を放つなど若手にはパワーでも技術でも負けない。プロ通算2000安打まで98本と大記録達成のモチベーションもある。

 16日の阪神戦(甲子園)も中島がスタメン出場したが、3打席凡退に終わると6回裏からは中田が一塁守備へ。9回に回ってきた打席では一邪飛に倒れた。中田と中島の熾烈なレギュラー争いはしばらく続きそうだ。

写真=BBM
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