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首都大学リポート

開幕5試合で打率.417。四番抜てきされた武蔵大1年・利光真之介「全国の舞台にもう一度」/首都大学リポート

 

武蔵大に入学した理由


武蔵大の1年生・利光は早くもチームの主軸として活躍を見せている


【4月16日】2回戦(2勝1敗)
武蔵大3−1帝京大

 武蔵大のルーキー・利光真之介(1年・愛工大名電高)が、開幕から5試合で打率.412(17打数7安打)と見事なバッティングを披露している。

 武蔵大に入学した理由をこう明かす。

「関東へ行って野球をしたかったのと、『野球だけをするのではなく勉強もおろそかにしたくない』という気持ちがあったので、野球と勉強をバランス良くやることができる武蔵大に決めました」

 充実のキャンパスライフをスタートさせているという。

「自分でカリキュラムを見ながらスケジュールを立てているので、誰かにやらされている感じはないですし、自分で考えて決めていくことが楽しいです」

 野球に対しても、昨夏の甲子園後、意識高く準備を進めてきた。

「即戦力として大学へ行けるように、愛工大名電高では秋から冬にかけてOBの方々に手伝ってもらいながら練習ができるのですが、そこで木製バットに慣れてきました。金属バットのときはただ振っていただけで手首を固くして使っていましたが、木製バットでは手首を固くしすぎず、バットをしならせるように意識しています。飛距離については飛ばなくなったというよりも、飛ぶ確率が低くなった印象です」。それほど大きな違和感はなく移行できたようだ。

 高校と大学の投手の違いについてはこう話す。

「愛知県には高校からプロへ行った投手も多かったので、球速については、それほど違いはないと感じています。まだ大学に入ったばかりではあるのですが、中京大中京高にいた畔柳亨丞(現日本ハム)よりも速い投手とはまだ対戦していません。ただ、大学は投球術に長けていて頭を使って投げてくるので、能力任せではダメ。自分も負けないように頭を使わなければいけないと思っています」。1試合を通じての配球も読んでいるという。

日体大と並んで首位タイに


 こうして春季リーグ戦を迎えたが、オープン戦から先発で使ってもらっていたものの、開幕前はあまり調子が上がらなかったという。

 だが、「『打てなくても、それが自分の実力』と開き直れたのが良かったのかもしれません」と利光。開幕カードの帝京大1回戦では三番・左翼で起用され、いきなり2安打を記録。そして、第3週の帝京大3回戦(4月17日)では四番に抜擢された。

「試合当日の朝にメンバー表で確認したのですが、見間違いかと思ってビックリしました。ただ、先輩が声を掛けてくれましたし、三番の松下豪佑さん(4年・佼成学園高)がチャンスで打ってくれて、五番にも林田庸さん(4年・利府高)がいたので、いつもどおりに試合に臨めたと思います」

 その言葉のとおり、1打席目に内野安打を放つと、3回表の第2打席では「甘いボールは常にフルスイングするように心掛けています」と3ボール0ストライクから積極的に振っていった。そして、「逆方向に打ちたいので、高校時代よりもボールを長く見て引き付けて打つようにしています」と快音を残した打球は右中間へ。これが今季5本目となるツーベースとなり「高校時代は一番打者で、四番は一度だけ。その試合も打っていなかったのでホッとしています」と初々しい表情を浮かべた。

 この試合に勝利した武蔵大は勝ち点を2に積み上げ、日体大と並んで首位タイとした。

「武蔵大はまだ全国大会に出場したことがないのでリーグ優勝がしたいです」と目標を掲げた利光。愛工大名電高では主将・田村俊介(現広島)とチームメート。一番・中堅で出場した昨夏の甲子園は無安打で、チームも初戦敗退を喫した。「ヒットを打つことができず、心残りがあるので、全国の舞台にもう一度立ちたいです」と強い思いを抱いている。

 今後については「その試合で与えられた役割をしっかり果たしていきたい」と語っており、まずは個人よりもチームのために戦うことを誓っている。

取材・文=大平明 写真=BBM
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