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2試合連続完全記録に迫った佐々木朗希に、「大谷翔平以上の逸材」の指摘が

 

最も優れいているのは制球力


高卒3年目の今季、ピッチングが本格覚醒した佐々木朗


 大記録達成はならなかったが、ロッテ佐々木朗希はすごかった。

 4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で28年ぶり史上16人目の完全試合を達成したのに続き、17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)も8回まで走者を1人も出さない完全投球。打者24人に対し、3回を除く毎回の14奪三振と相手打線につけ入る隙を与えない。シーズン初登板からの4試合連続で2ケタ奪三振は、ダルビッシュ有(当時日本ハム。現パドレス)、野茂英雄(元近鉄ほか)に続く史上3人目の快挙だ。

 8回は2者連続三振を奪い、二死から野村佑希に右翼線へライナー性の際どい打球を打たれたがファウルに。球場がどよめきに包まれたが、佐々木朗は顔色を変えなかった。5球目の163キロ直球で見逃し三振に仕留め、球数は102球に到達。大記録を達成した前回登板がプロ初完投、初完封で疲労が残ってないと言えばウソになるだろう。故障のリスクも考慮して9回のマウンドには上がらず、守護神・益田直也に交代。メジャーでも前例がない「2試合連続完全試合達成」は幻に終わった。

 メジャー、NPBで活躍する外国人選手の代理人を務める関係者は、佐々木朗のすごさについてこう分析する。

「一番は制球力ですね。球の速さがフォーカスされがちですが、球が2球連続浮くことがほとんどない。長身で手足が長い投手は自分の体を操るのが難しいので、制球が荒れてしまうケースが珍しくない。制球がまとまっているから四球の心配がない。大きな武器ですよ。もちろん球が速いのも大きな魅力です。今年は昨年と比べて球速表示以上に速く感じます。直球を待っている打者が明らかに振り遅れている。160キロ以上の直球を打つのも困難なのに、150キロ近いフォークを織り交ぜられたら攻略は至難の業です。今すぐメジャーでプレーしても先発で2ケタ勝利は勝てる。今後の伸びしろを考えたら、大谷翔平(エンゼルス)以上の逸材です」

大谷は3年目に投手三冠


大谷は3年目、日本ハムで最多勝、最優秀防御率、最高勝率に輝いた


 大谷の実績を見ると、そのすごさをあらためて感じさせられる。日本ハムで投手と野手の「二刀流」に挑戦し、2年目の2014年に24試合登板で11勝4敗、防御率2.61をマーク。この年に当時日本人NPB最速記録の162キロを計測している。打者としても87試合出場で、打率.274、10本塁打、31打点をマーク。NPB史上初の「同一シーズンで2ケタ勝利と2ケタ本塁打」を達成した。そして、3年目の15年は22試合登板で15勝5敗、防御率2.24、最多勝、最優秀防御率、最高勝率(.750)の投手三冠に輝いている。

タイトルへは「登板間隔がポイント」


 プロ3年目の佐々木朗は大谷の成績にどこまで迫れるか。
 
 野球評論家の張本勲氏は週刊ベースボールのコラムで、パ・リーグの投手タイトルについてこう予想している。

「昨季がそうだったように、今季も山本由伸(オリックス)の独占となるのではないか。それほど山本の力が圧倒的だということだ。あとは千賀滉大(ソフトバンク)と宮城大弥(オリックス)がどこまでタイトル争いに食い込めるかだろう」

「山本のタイトル争いのライバルとして、千賀や宮城以上に注目したいのが佐々木朗希(ロッテ)だ。前号の順位予想でも述べたが、佐々木朗は使われ方次第だろう。先発ローテーション入りは間違いないはずだが、問題はその登板間隔になる。無理はさせないだろうから、そこがタイトルに届くかどうかのポイントだろう」

 佐々木朗にはこれからも球史を塗り替える偉業を達成してほしい思いはあるが、未来がある投手だ。肉体強化はまだ発展途上で、故障のリスクを避けることが最優先になる。20歳の右腕は無限の可能性を秘めている。

写真=BBM
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