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NPB史上初記録もマークした巨人ドライチ・大勢! セ・リーグ6球団 「クローザー事情」は?

 

チームに勝利を呼ぶ存在であるクローザー。言うまでもなく、非常に重要なポジションではあるが各球団、開幕前の構想どおりとなっているのか。セ・リーグ6球団の「クローザー事情」を見ていく。
※記録は4月18日現在

読売ジャイアンツ



 ドライチ右腕の大勢が開幕からクローザーに抜てきされた。開幕前から中継ぎ起用は決まっていたが、昨季の抑えであるT.ビエイラの状態が上がらず開幕直前になって大役を任され、見事に期待に応えている。新人として40年ぶりとなる開幕戦セーブを挙げると、そこから7戦連続セーブ。新人の開幕戦から2試合連続セーブ、初登板から7試合連続セーブはいずれもNBP史上初。「点を取られても、追いつかれない、チームを負けさせない」とクローザーの心得をしっかり胸に刻んでおり、首脳陣からの信頼も高まるばかり。背番号15が新たな「ジャイアンツの守護神」として君臨している。

広島東洋カープ



“失敗しない男”がついに……。不動の守護神として2年目の開幕を迎えた栗林良吏だったが、今季初登板となった3月27日のDeNA戦(横浜)からいつもの調子とは言い難い投球内容。1失点を喫してなおも二死一、三塁を何とか抑えての今季初セーブだった。やはり昨季の疲労なのだろうか。周囲の不安が現実となったのは、4月2日の中日戦(バンテリン)。一死から四球でランナーを許すと連続適時打を浴びてサヨナラ負け。セーブシチュエーションで初めての失敗となった。ただ、記録にはいつか終わりが来るもの。問題は切り替えられるか、だ。事実、4月2日以降の登板はここまで5試合連続無失点中。抜群の安定感が戻ってきた! とはまだまだ言えないものの、失敗を経験した右腕はますます強くなる。

東京ヤクルトスワローズ



 昨季途中から石山泰稚に代わってクローザーを務めるマクガフ。キャンプイン早々新型コロナウイルスに感染し、調整具合が心配されたが、開幕戦からセーブを挙げた。以降も安定した投球を続け、ここまで6試合で5セーブ。セ・リーグのクローザーで唯一の防御率0.00を維持している。一方、クローザー復帰を目指す石山は開幕から9試合連続無失点中。抜群の安定感を見せているが、「エースと四番と抑えはコロコロ代えるものではないと思っている」という高津臣吾監督の言葉をふまえると、マクガフが不調に陥らない限りは、今季中の配置転換はないと見ていいだろう。

中日ドラゴンズ



 今季も頼れる守護神だ。ここまで7試合に登板し、0勝1敗4S2H、防御率は1.29の成績を残しているR.マルティネス。すべて1イニングのみの登板で、まずまずの成績だろう。奪三振数もイニング数を上回る8。以前は制球力に難があり、四球からの失点が多かったが、今季はまだ1つしかない。193センチの長身から繰り出すストレートには高さと角度があり、フォーク、スライダーの変化球もコーナーに決まるようになってきた。今季のドラゴンズは僅差の戦いが多いだけに、R.マルティネスの存在は大きい。2020、21年と2年連続で20セーブ以上をマークしているが、今季は30セーブ以上を挙げたい。

横浜DeNAベイスターズ



 三嶋一輝と山崎康晃のWクローザー体制を敷いて開幕を迎えたが、3戦目で山崎が1点リードを守り切れず逆転負け。しかし、昨年後半不調だったが山崎は速球の威力、変化球のキレが戻ってきており、その後は2セーブ。主に三嶋がセットアッパーに回っている。しかし、4月10日に山崎が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受け戦線を離脱。入れ替わりで新外国人のクリスキーが一軍に合流した。もともとはクローザー候補として期待されていた助っ人右腕は、高い奪三振率を武器に4月12日の巨人戦(那覇)で2回無失点の日本デビューを果たした。今後は、山崎と三嶋にクリスキーも候補に入れ、柔軟性のある9回の投手起用を目指していくと見られる。

阪神タイガース


マウンドの岩崎のもとで勝利の喜びを分かち合う阪神ナイン


 開幕から20試合で3勝しかマークしていない阪神で2セーブを挙げているのが、岩崎優だ。開幕直前に矢野燿大監督は3月中旬に来日したケラーをクローザーに指名。しかし、開幕戦で逆転されるなど力を発揮できず、二軍に降格。このとき指揮官は「(若手の)湯浅(京己)にしようかな」と示唆していたが、結局はセットアッパーとして活躍してきた岩崎をクローザーに置いたのだ。これにより実績のある左腕が勝ちゲームの2試合でしっかりと相手打線を抑え切った。チーム状況も底を脱出しつつあるが、クローザーに岩崎がいる安心感が生まれていることも大きい。ここから猛虎の反撃を期待したいところだ。

写真=BBM
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