週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

二番と四番…低迷脱出へ阪神・佐藤輝明が「最も輝く打順」は?

 

二番でもポイントゲッター


4月14日の中日戦から二番に座っている佐藤輝


 阪神がなかなか上昇気流に乗れない。今月15日から本拠地・甲子園で「伝統の一戦」となる巨人戦で、今季初のカード勝ち越しを飾ったが、その後に3連敗。20日のDeNA戦(横浜)でサヨナラ負けを喫し、3勝18敗1分で借金は今季ワーストの15にふくらんだ。

 局面打開へ、矢野燿大監督は今季開幕から四番を託していた佐藤輝明を今月14日の中日戦(バンテリン)から二番に配置転換した。佐藤の状態は決して悪いわけではない。開幕から四番での成績は打率.277、3本塁打、8打点。昨年の後半に徹底して突かれた内角高めの直球に対応できるようになり、ボール球になる変化球にもバットが止まることで確実性が高まった。だが、深刻な得点力不足を受けて打順が二番に。一番の近本光司は三番に、代わって新たな一番に佐藤と同期入団の中野拓夢が抜擢され、四番は大山悠輔が座った。

 二番に打順が変わった佐藤だが、ポイントゲッターとして奮闘している。15日の巨人戦(甲子園)で、1点差を追いかける5回二死一塁で相手エース・菅野智之の内角に入ったスライダーをすく上げ、右翼席に4号逆転2ラン。この一発が決勝打になった。お立ち台で「点が欲しいところだったので、必死に食らいついた結果、風もあって入ってよかったです」と安どの表情を浮かべ、二番でのスタメン起用については「自分のスイングは変えずに臨みました」と強調した。19日のDeNA戦(横浜)でも2回に右翼席中段にリーグトップタイの5号ソロを放つなど猛打賞と調子を上げている。

どの打順でもキーマンに


 目下6試合連続二番で起用されている佐藤だが、最も輝く打順は何番だろうか。実は昨年は二番でスタメン出場は一度もない。最も多かったのが六番で46試合出場、次いで五番が37試合出場、四番は11試合出場で打率.286、2本塁打、12打点。大山が離脱している期間に新人ながら抜擢されたが及第点の結果を出している。

4月19日のDeNA戦では二番で今季5号ソロを放った


 四番に関してはいろいろな考え方がある。巨人は岡本和真ヤクルト村上宗隆を固定しているが、他球団を見渡すとチーム事情も影響して配置転換されるケースが見られる。カブス・鈴木誠也広島時代に四番を務めていたが、昨年は三番で16試合スタメン出場している。侍ジャパンで四番を務めたパドレス・筒香嘉智もDeNA在籍時の2019年に出塁率の高さを買われ、当時のアレックス・ラミレス監督の発案により二番で35試合出場している。

 佐藤の二番はチームが上昇気流になるまでの「期間限定」なのか、このまま二番で固定するのか起用法が注目されるが、どの打順でもキーマンになることは間違いない。

三振を抑えることが重要


 阪神OBで野球評論家の岡田彰布氏は週刊ベースボールのコラムで「2022年のセの期待する若手」というテーマで佐藤の名前を挙げ、「2年目を迎える今シーズン、彼に課すのは打つこと、結果を残すこと。これのみよ。そこでオレは条件をつけてみた。それは三振をするな! である。佐藤輝のバッティングに『三振してもいいから、思い切り振り切れ』といった声が上がっていた。エッという感じよ。三振してもいいから……って、三振はやっぱりアカンやろ。さらに『決して当てにいくような打撃になるな』とも言われていたが、なんで当てにいったらアカンのか。バットにボールが当たって、スタートするものやし、佐藤輝の場合、当てにいっても当たったら飛ぶよ。それでエエやん、とオレは考える。だから今シーズン、三振を2ケタ、そうやな、70から80までに抑えていくこと。これが2年目の爆発的ブレークの条件としておく」とハッパを掛けている。

 昨季はリーグワーストの173三振を喫したが、今年は22試合を消化して18三振。143試合に換算すると117三振と2ケタペースを上回るが、きっちりボール球を見逃して甘い球をコンタクトしている打席が目立っている。チームは開幕ダッシュに失敗したが、逆襲に向けて活躍してもらわなければ困る選手だ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング