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日本ハム・吉田輝星が救援で活躍に、「抑えで適性ある」の指摘が

 

救援での経験は先発に戻っても生きる


高卒4年目を迎えた日本ハムの吉田


 BIGBOSSこと新庄剛志監督が率いる日本ハムは発展途上のチームだ。一軍で目立った実績がある選手が多いわけではないが、伸び盛りの選手たちの成長を見られるのは違った楽しみがある。かつて、甲子園で「金農旋風」を巻き起こした日本ハム・吉田輝星もその一人だ。

「将来のエース」と嘱望された右腕はなかなか殻が破れなかったが、4年目の今年は違う。3月27日の開幕3戦目・ソフトバンク戦(PayPayドーム)の先発に抜擢されたが、4回3失点で降板。その後は救援に配置転換されると、7試合連続無失点と抜群の安定感で結果を残している。8日の楽天戦(札幌ドーム)、13日の西武戦(ベルーナドーム)はいずれも2イニング投げたがきっちり抑えた。145キロを超える手元でホップするような軌道の直球に、打者は球速以上の体感速度を感じているだろう。初球からストライクを取り、フォーク、スライダーの制球力も良くなったためテンポよくアウトを重ねている。

 スポーツ紙記者は「救援での経験は先発に戻っても必ず生きる」と強調する。

「ソフトバンク・千賀滉大オリックス山本由伸と球界を代表するエース右腕たちも救援で結果を残してから先発に回っている。吉田はこれから厳しい局面で投げる場面が増えると思いますが、ここで抑えれば自信になるし投球のコツをつかんでいくでしょう。ピンチに動じない強心臓で内角も果敢に突ける。藤川球児を彷彿とさせるような直球で抑えの適性も十分にあると思います」

高3夏の甲子園で時の人に


18年夏の甲子園では金足農高で準優勝に輝いた


 今から4年前の2018年。金足農高で甲子園に出場した3年夏に、エースとして大きな輝きを放った。1回戦・鹿児島実高、2回戦・大垣日大高、3回戦・横浜高、準々決勝・近江高、準決勝・日大三高と強豪を次々に撃破。根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)を擁する大阪桐蔭高に決勝戦で敗れたが、秋田県大会から夏の甲子園準決勝まで10試合連続完投勝利を挙げた右腕は時の人になった。

ストロングポイントは「ストレート」


 ドラフト1位で入団し、プロ1年目の19年6月12日の広島戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発初勝利と鮮烈なデビューを飾ったが、プロの世界は甘くない。その後は打ち込まれる試合が続き、4試合登板で1勝3敗、防御率12.27。吉田は2年目のシーズン前、週刊ベースボールのインタビューで自身のストロングポイントを聞かれて、「ストレートです」と即答して続けた。

「変化球とかも増やしたりしていますけど、自分がいまこのプロの世界に立てているのはストレートがあったからだと思っているので。どんなに良い変化球を持っていてもピッチングの生命線となるのはやっぱり真っすぐですし、ここだけは野球をやっている間はずっと変わらないと思います。だからこそストレートを極めたいという気持ちは常にありますし、もっと精度も威力も高めていきたい。誰にも打てないストレートを投げたいです」

 結果が出なくても、自身の生きる道を見失ったわけではない。今年の春季キャンプでは元阪神の藤川球児氏にアドバイスを仰いだ。その様子を見守ったBIGBOSSは「何か、似てきたね。フォームが球児に」とつぶやいた。

 スター性は誰もが認める。あとは結果を出すだけだ。こだわりを持つ直球を武器に右腕を振り続ける。

写真=BBM
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