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巨人・中田翔は二軍降格から勝負強さの復活を! セ・リーグ6球団 「奮起」を望みたい選手は?

 

開幕から1カ月近くが経つが、波に乗り切れない選手がいる。彼らが期待どおりの活躍を見せてくれていれば、チームはもっと勝利を重ねられたかもしれないだろう。このままでは終われない。セ・リーグ6球団の「奮起」を望みたい選手を見ていく。
※記録は4月22日現在

読売ジャイアンツ



 チームがしぶとさと粘り強さで勝ち星を拾う中にあって、蚊帳の外に置かれている感がある。今季に並々ならぬ思いで臨んでいた移籍2年目の中田翔だ。シーズン途中で加入した昨季は巨人での出場34試合で打率.154、3本塁打。復活を期してオフは減っていた体重を戻し、オープン戦では好調を維持して五番・一塁で開幕スタメンを勝ち取った。だが、そこからバットが湿っていく。打率2割前後の低空飛行が続き、スタメンを外れることも。一塁には中島宏之が控えており、左の香月一也が昇格するなど、その座を虎視眈々と狙う選手は数多い。4月22日にはついに出場選手登録を抹消、首のコンディションが万全ではなかったことが明かされた。まずはコンディションを整え、3度の打点王に輝いた勝負強い打撃を取り戻したい。

広島東洋カープ



 開幕から好調な打線の中で、ただ1人と言っていいほど振るわないのが小園海斗だ。3年目の昨季、遊撃で113試合に出場。自身初の規定打席に到達し打率.298をマークした。佐々岡真司監督は明言こそしなかったものの、チームに欠かせない1人と位置付け、今季は開幕から三番・遊撃に固定。ただ、開幕戦こそマルチ安打スタートも、一時は打率1割にも満たない時期も続き、3試合連続、14打席無安打もあった。それでも、「小園はここを乗り越えないと真のレギュラーというか、乗り越えないといけない選手。この壁をどう乗り越えるか、次にどう生かせるか。こういう失敗を次に生かせるかという試練だと思う」と指揮官。小園が見せる新たな一面を期待している。チームが4連敗中だった4月22日のDeNA戦(マツダ広島)には、こちらも開幕から不動だった西川龍馬菊池涼介とともに初めて打順を変更して、八番に“降格”した小園ではあったが、初回に適時打。2安打2打点を挙げた。「ここから、またはい上がっていけるように」。気持ちは強い。

東京ヤクルトスワローズ



 1勝がなかなか遠い。2年連続6度目の開幕投手を務めた小川泰弘は、その開幕戦で阪神打線に11安打4失点と打ち込まれわずか3回で降板。その後2試合は粘りの投球で試合を作るも今季初白星とはならなかった。一度登録を抹消し中10日で迎えた4月20日の中日戦(バンテリン)。2回にヒット2本と四球で無死満塁のピンチをつくると、京田陽太に先制の2点適時打を許した。また、4回には投手の高橋宏斗に浴びた二塁打をきっかけに1点を失い3失点目。球数が91球とかさんだこともあり、5回表の打席で代打を送られ、4回7安打3失点で降板。「全体的にキレもスピードもなかった」と厳しいコメントを残したのは高津臣吾監督。エースの復調を待つ。

中日ドラゴンズ


中日・京田陽太


 開幕から低空飛行が続いているのが京田陽太だ。ほとんど八番を任されているが、凡打の山を築き、打率は1割台に低迷中。ここまで打率.167は規定打席到達者の中ではリーグ最下位だ。「トップの位置に入るのが遅い」と立浪和義監督に指摘され、昨秋キャンプでは高い位置からの構えに取り組んでいたが、それも「タイミングが取りづらい」と断念。なかなか打撃フォームが固まらない。4月7日のヤクルト戦(神宮)では2本塁打を放ったものの、ダイヤモンドを回る京田に笑顔はなかった。遊撃の守備力は一流。それだけにもう少し打撃が何とかなれば……。「八番ですから。まずは守りをしっかりと」と立浪監督。「最悪の滑り出しです」と京田も苦しんでいるが、指揮官もファンも選手会長の復調を待っている。

横浜DeNAベイスターズ



 昨季はキャリアハイの49試合でマスクをかぶった山本祐大。5年目の今季はさらなる飛躍、そして正捕手の座を見据えてのシーズンとなるはずだった。しかし、ここまで18試合を終えてスタメン出場は相性の良いフェルナンド・ロメロが先発する試合を中心に、スタメン出場は6試合にとどまっている。ネックとなっているのが打撃だ。2018年の入団時は強肩と並んで打撃の評価が高く、ルーキーイヤーにはプロ初打席で初本塁打の華々しいデビューを飾り、19年には延長12回にサヨナラ安打を放った。しかし、捕手としての出場試合数が増えるのと比例してバットからは快音が消えた。リード面に加えて、打撃でも投手を支えられる存在でありたい。

阪神タイガース


阪神・糸原健斗


 借金15の最下位と低迷が続いている阪神で誰が奮起しなければいかないか……それは全員となってしまうが、各選手の成績で打率だけを見ると、やはり糸原健斗が.189と寂しい数字だ。出塁率も.257。過去5年間の出塁率は3割5分近くをマークしているだけに、今季は厳しい状況になっている。粘り強く、相手バッテリーが嫌がる打者であるのは確かであるが、やはり塁に出ないと糸原の良さが出て来ない。直近2試合はスタメン落ちしているが、これまでもさまざまな打順を任されてきた器用さがある。チーム浮上にはこの男の出塁率と打率アップが必要になってくるはずだ。

写真=BBM
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