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昨季の“本塁打王”杉本裕太郎は1割を切る打率.099…パ・リーグ6球団 「奮起」を望みたい選手は?

 

開幕から1カ月近くが経つが、波に乗り切れない選手がいる。彼らが期待どおりの活躍を見せてくれていれば、チームはもっと勝利を重ねられたかもしれないだろう。このままでは終われない。パ・リーグ6球団の「奮起」を望みたい選手を見ていく。
※記録は4月22日現在

オリックス・バファローズ



 昨季の本塁打王が苦しんでいる。四番として開幕を迎えるも、初安打は3試合目。鋭い打球を飛ばすも野手の正面を突くなど不運もあって打率が伸び悩み、三振も増えていく悪循環。本塁打も4月5日のソフトバンク戦(PayPayドーム)放った1本のみと持ち前の豪快さも鳴りを潜めている。中嶋聡監督が「もうお前には期待していない」と愛あるゲキを飛ばし、打順も八番に下げて復調を待っている状況だ。だが、22日のロッテ戦(京セラドーム)に代打で登場も三振で打率は1割を切って.099。悩める主砲の復活はチームに勢いをもたらすのは間違いない。吉田正尚との三・四番の再結成が、チーム浮上への明るい光となる。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・グラシアル


 徐々に当たりは出だしているものの、ここまで打率.224、得点圏打率.118は、Y.グラシアル本来の姿からは程遠い。昨オフ、退団のウワサもあった中での残留はチームにとっては吉報だった。就任直後から四番打者としてグラシアルをイチオシしていた藤本博史監督。三番・柳田悠岐、五番・栗原陵矢とともに早々に名前を挙げてクリーンアップに固定した。しかし、開幕から三番・四番のスロースタートぶりは誰が見ても一目瞭然。幸い、チームが勝っていたことで長い目で見られたのだが、そこでアクシデントが。好調だった栗原の長期離脱に、柳田もケガで一軍を離れた。この状況に四番の奮起を期待せずにはいられないのだが、まだまだもどかしい日々は続く。「信頼してるんで」。その思いは指揮官だけのものではない。本来の勝負強さは“神”とあがめられるほど。ここ9試合2勝7敗と苦しむチームを救ってほしい。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・マーティン


 頼れる助っ人のエンジンがかからない。来日4年目のレオネス・マーティンのバットから快音が聞こえず、打率は1割台と低迷。本塁打も1本と振るわず、4月19日の西武戦(ベルーナ)の試合後に井口資仁監督が「そのへんもちょっと考えていかないと」と、攻撃型・二番やクリーンアップに据える助っ人の起用法に頭を悩ませている。一塁からタッチアップを試みるなど積極走塁も光るだけに、攻撃に欠かせぬ存在なのは確か。4月22日のロッテ戦(京セラドーム)に4対0で勝利したが、17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)から3戦連続の完封負けで、29イニング連続無得点と得点力不足が深刻だった。背番号79の復調が待たれる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 開幕投手が2試合目の登板を待たずして離脱するという、まさかの事態だ。3月25日のロッテ戦(楽天生命パーク)で2年ぶり7度目となる開幕のマウンドに上がったが、6回途中3失点で敗戦投手に。4月1日に次の登板が予定されていたが、その前日に新型コロナウイルス陽性判定により登録抹消となってしまった。自主隔離が明け、21日のイースタン・ヤクルト戦(森林どり泉)に先発も、2被弾を含む4回7安打4失点と、らしくない投球を見せた。石井一久GM兼任監督は「準備がしっかり整うかどうかが大事」と語り、昇格へのゴーサインはお預けに。生え抜きエースの復活はもう少し先になりそうだ。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・淺間大基


 昨季は中堅スタメンに定着し、初の規定打席に到達した淺間大基だが、今季はレギュラーの座をつかみきれず打率1割台に低迷している。4月13日の西武戦(ベルーナ)以降は4試合連続無安打、20日の楽天戦(楽天生命パーク)では3三振を喫した。攻守走に高いポテンシャルを持ち、特に外野守備に関しては昨季、守備率1.000、補殺6と抜群の安定感を誇った。俊足強肩で守備範囲の広さも随一。ゴールデン・グラブ賞も十分狙える能力はあるが、BIGBOSS体制下の今季はセンターの出場は3試合のみで、ライト7試合、サードでの出場も2試合ある。近藤健介松本剛のプロ11年目コンビがチームをけん引しているが、8年目の25歳、淺間も負けてはいられない。

埼玉西武ライオンズ


西武・中村剛也


 プロ21年目のベテランのバットが湿っている。通算442本塁打を誇る中村剛也はここまで18試合に出場して打率.108。代名詞である本塁打はまだ飛び出していない。ここ5試合では15打数0安打、6三振と上昇する気配が見えてこない。今季は140キロ〜149キロのボールに対して21打数1安打(打率.048)、150キロ以上のボールに対して9打数1安打(打率.111)。昨季は前者が170打数55安打(打率.324)、後者が42打数8安打(打率.190)だったが、今季はまったく速いボールを打ち返せなくなってしまっている。同期の栗山巧も打率.152とらしくない打撃が続いているが、今年で39歳となる中村は通算500本塁打も目標としているだけに、このまま終わるわけにはいかない。

写真=BBM
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