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中日・根尾昂は念願の遊撃で定位置つかめるか 「最大のチャンス」の声が

 

若い力が躍動する中日


高卒4年目を迎えた中日の根尾。勝負の年であることは間違いない


 立浪和義監督率いる中日が、生まれ変わろうとしている。

 石川昂弥岡林勇希、ドラフト2位の鵜飼航丞と若い力が躍動。昨年は深刻な得点力不足に苦しんだが、今年は反発力がある。象徴的な試合が今月24日の巨人戦(バンテリン)だ。5点差を追いかける3回一死満塁の好機で石川が右中間に走者一掃の適時三塁打を放つと、京田陽太も左中間に適時三塁打。さらに、岡林の二塁適時内野安打で一挙5得点を奪って同点に追いついた。石川は4回一死二、三塁の好機でも右翼に決勝打の犠飛を放つなど4打点の活躍。鮮やかな逆転勝利に、中日ファンから大きな拍手が沸き起こった。

 新戦力が台頭する中、結果が出なければ主力選手でもスタメンから外される。遊撃のレギュラーだった京田が打率1割台に低迷。打撃の状態が上向かないため、22、23日の巨人戦(バンテリン)は堂上直倫が遊撃でスタメン起用された。もちろん、京田もこのまま引き下がるわけにはいかない。「八番・遊撃」でスタメン起用された24日の同戦では前述したように適時三塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。

外野コンバートから再び遊撃へ


 立浪監督の本音を言えば、遊撃のレギュラーを固定したいだろう。だが、熾烈なポジション争いは選手にとって大きなチャンスだ。この男もチャンスをつかむため、ファームで汗を流している。外野から遊撃に再コンバートされたプロ4年目の根尾昂だ。

 立浪監督は昨年の秋季キャンプで根尾を外野にコンバートさせることを明言。京田が遊撃を守るため、根尾は外野一本のほうが出場機会は増えるという首脳陣の判断だった。俊足で強肩の根尾は外野手としての適性が十分にある。オープン戦では打率.304と好成績でアピールしたが、シーズンに入るとベンチを温める機会が増えた。その間にチーム状況も変化が起きていた。外野は安打製造機の大島洋平が中堅を守り、残りの2つのポジションを岡林、A・マルティネス、鵜飼、平田良介らで競っている。一方で、遊撃は京田が打撃不振でレギュラーが白紙の状態に。シーズン途中だが、立浪監督は根尾を遊撃で再挑戦させることを決断した。

「大阪桐蔭高では投手と遊撃の二刀流で評価を高めていた根尾ですが、プロの世界では遊撃で勝負することを熱望していた。今もその思いは当然持っているでしょう。京田、堂上とのポジション争いを制すれば遊撃のレギュラーをつかめる。最大のチャンスだと思います。ファームで結果を出し続けてアピールするしかない」(スポーツ紙記者)

入団前に語っていた将来像


 根尾は入団時に週刊ベースボールのインタビューで、5年先、10年先についてどのような姿を思い描くか聞かれた際に以下のように語っている。

「僕の中のドラゴンズは常に上位争いをして、優勝しているイメージを持っていて、その中でプレーしている自分をずっと思い描いています。自分がしっかりと結果を残すことで、勝ちにつなげていけるような選手でありたいです。やはり、中日で日本一になるのが目標。タイトルも欲しいですが、チームが勝つためならどんなことでも。5年後、10年後ではいまと感じることが違うと思いますが、経験したことを自分に生かして、良い方向にどんどん変わっていけていればいいですね」

 順風満帆ではなかったかもしれないが、プロ3年間の経験は間違いなく大きな糧になっている。遊撃でレギュラー獲りへ。根尾は再コンバートでこのチャンスをモノにできるか。

写真=BBM
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