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巨人は絶対的守護神となったドライチ右腕の大勢! セ・リーグ6球団 「開幕1カ月」のMVPは?

 

開幕から1カ月が経過したプロ野球。セ・リーグ6球団のチーム状況はそれぞれだが、果たして各球団で最もチームの勝利に貢献している選手は誰か。開幕1カ月時点のMVPを選出した。
記録は4月29日現在

読売ジャイアンツ



 今季も本塁打と打点でリーグトップを争う四番・岡本和真もいるが、開幕前の期待値を考慮すれば誰も想像できなかったほどの活躍を見せているのがドライチ右腕の大勢だ。開幕からクローザーに抜てきされると、しっかり役割を全う。「大勢につなぐ」ことからの逆算で投手起用が成り立ち、不安視されていた中継ぎ陣も安定感が出てきた。投げるたびに投球のすごみは増しており、久びさの登板となった4月28日のDeNA戦(横浜)では自己最速を更新する159キロをマーク。開幕から1カ月で誰もが認める「ジャイアンツの守護神」となっている。堀田賢慎山崎伊織など若手の躍進が目立つ投手陣だが、大勢はその象徴とも言えるだろう。

広島東洋カープ



 下馬評を覆し好調なスタートを切ったとあって投打に功労者は多い。数字だけを見ても、攻撃陣では、打率チームトップでリーグ3位の.331、得点圏打率リーグトップの.440を誇る西川龍馬や、打率リーグ5位の.309、得点圏打率リーグ2位の.438をマークする坂倉将吾。投手陣では、ハーラートップタイ4勝の大瀬良大地に、勝ち星こそいまだ1勝ながら九里亜蓮が防御率リーグトップの1.65と安定感を見せている。そんな中でMVPを選出するならば、菊池涼介を挙げたい。今季も開幕から好守でチームを支えている不動の正二塁手は、打ってもここまでチーム3位、リーグ8位の打率.298だ。どんなときも冷静に状況を読み、自らの役割に徹することができるから頼もしい。鈴木誠也がいなくなったことで一発を期待できない打線の中で、二番打者としてしっかり後続につないでいく。プレー以外の部分でも、チームのこれからも考え、若い選手たちに対して「寄り添って伝えられることは伝えていきたい」とアドバイスは惜しまない。その存在は、まさに重鎮だ。

中日ドラゴンズ



 今季から中継ぎへ転向したヤリエル・ロドリゲス。開幕前は「勝利の方程式」として7回のマウンドを託される予定だったが、ソフトバンクから移籍の岩嵜翔が開幕直後に戦線離脱。その岩嵜の8回を請け負う形となった。制球力に不安があり、僅差の場面で登板することに少なからず不安もあったが、開幕から10試合に登板していまだ無失点。抜群の安定感でリーグトップの8ホールドを記録している。あまり目立っていないが、来日3年目の背番号29が立浪ドラゴンズに勢いをつけ、白星を運んでいる。昨年チームトップの66試合に登板した又吉克樹の穴は大きな課題だったが、それを見事に埋める活躍だ。

東京ヤクルトスワローズ



 チームで唯一全試合フルイニング出場を果たしているのが村上宗隆だ。開幕2カードを終えて長打が0本だったが、4月1日のDeNA戦(神宮)で今季1号本塁打を放つと、翌2日のDeNA戦(同)ではサヨナラ打。徐々に調子を上げ、ここまでリーグ4位の6本塁打、同2位の20打点を記録している。27日の広島戦(マツダ広島)では今季初の猛打賞も記録するなど、打率もチームトップの.300に。五番・サンタナが戦列を離れ、村上へのマークが一層厳しくなる中でのこの成績は、文句なしのチームMVPと言っていい。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・牧秀悟


 4月上旬、1月に続いて2度目の新型コロナウイルス陽性判定で一時チームを離れたが、それを差し引いても牧秀悟はMVPにふさわしい活躍だった。ここまで18試合で打率.338、5本塁打、13打点。得点圏打率は.412と勝負強さも健在だ。数々の新人記録を塗り替えたルーキーイヤーを経て、今季は開幕から四番に座る。相手投手の警戒も高まる中、2年目のジンクスも心配されたが、存在感は増すばかりだ。コロナ離脱者、故障者もあり波に乗れないチームを牧のバットが浮上に導く。

阪神タイガース



 開幕ダッシュに大失敗した中で、四番として開幕を迎えた佐藤輝明はその後、二番や三番に起用されながらも、チーム最多の数字を打撃部門で残している。32安打、7本塁打、16打点、16得点はいずれもチームトップと高い数字を示し、打線をけん引している。2年目の今季は三振の数が減ってきた。現在28個とチーム最多ではあるが、昨季のようなバットに当たる気配もなく三振ということはない。ミートの確率も増え、内角高めの釣り球の真っすぐも見送れるようになった。相手バッテリーからもマークされている中で、この数字は合格点だろう。チームは最下位ながらも、4連勝と浮上の兆しが見えてきた。佐藤輝の打撃がこのまま維持されるようなら、当面の目標である借金返済に向けて打線も上昇気流に乗っていくはずだ。

写真=BBM
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