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首都大学リポート

「唐澤監督のためにも勝ちたい」指揮官との二人三脚で躍進を誓う帝京大の主将・岡野龍太/首都大学リポート

 

チームをまとめるキャプテンシー


帝京大の主将・岡野は、育ててもらった唐澤監督へ、恩返ししたい思いを強く持っている


【4月30日】1回戦(帝京大1勝)
帝京大5−4筑波大

 帝京大・岡野龍太(4年・智弁学園高)は今春、開幕からずっと四番を務めている。

 高校時代はセンバツ甲子園に2回出場。3年春の日大山形高との2回戦(五番・左翼)では本塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。

 帝京大に入学したきっかけは「早くから唐澤良一監督に声を掛けてもらっていたので」と明かす。指揮官の熱烈なラブコールに応えて現在に至っている。

 唐澤監督の指名により、今年は主将も任され「全員のモチベーションを高く上げることは難しいですが、キャプテンはやり甲斐があります」と話す。今季の帝京大は、昨秋までの主力投手陣が卒業してしまったこともあり、シーズン序盤から苦戦が続いている。

 それでも「昨年からリーグ戦に出場していた光本将吾(4年・滋賀学園高)と柴田海斗(4年・関東学園大付高)の3人で『楽しくやろう』と話しています。ベンチで下級生も見ているので、まずは自分が誰よりも一番、楽しむこと。そして、負けているなかでも勝ちにつながる動きを考えて、声掛けをしています」と沈んだ空気にならないように気を使う。唐澤監督も「チームをまとめようとしてくれて、キャプテンシーはとてもある」と認めている。

 岡野自身のバッティングについては「オープン戦のころからあまり良くなく、探り探りやっていた」と振り返るが、前週の東海大1回戦では3安打。復調の兆しを見せ「試合後、唐澤監督がスイングを見てくれて、細かいところまで指導してくれます。このところは『力が入っているのでリラックスするように』とアドバイスをしてもらって、『自分が打たなければいけない』という気持ちが楽になりました」。マンツーマンで指導を受け、打席に入る際の心構えも教わっていた。

大事な一戦で挙げた勝利


 迎えた第5週。ともにここまで勝ち点を挙げられていない筑波大1回戦では、足首をひねった影響もあってDHでの出場。だが、不動の四番として先発に名を連ねると、2回表の第1打席でセンター左へ先制となるソロ本塁打。「積極的にストライクを振っていこうと思っていました。唐澤監督からは『先制点を意識して、初回から全員で盛り上げて9回裏の気持ちで試合に入ろう』と言われていたので、打てて良かったです」と笑顔を見せた。

 その後、一時逆転されたものの7回表に再度リードを奪うと、一死満塁から岡野はライト後方へ犠飛。しっかりと四番の役割を果たすと投手陣も踏ん張り、筑波大の反撃を1点差でしのぎ切って、大事な一戦で勝利を挙げた。

 この1勝の裏側には、唐澤監督をはじめとしたスタッフの細やかな心遣いがあったという。

「自分たちは大学の講義が終わってから練習を始めるのですが、グラウンドに来たときには唐澤監督たちが整備をしてくれていましたし、良い雰囲気作りもしてくださいました」

 試合後、感謝の言葉を述べた岡野。今後も入れ替え戦を見据えた苦しい戦いが続くが「唐澤監督のためにも勝ちたい」と、指揮官との二人三脚で、躍進を固く誓った

取材・文=大平明 写真=BBM
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