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菅野不在を乗り越える巨人。カード頭の先発が好調の阪神 セ・リーグ6球団 「先発投手事情」は?

 

開幕から1カ月以上が経過したセ・リーグ。果たして、先発陣はしっかりと勝利を積み上げることはできているのか。セ・リーグ6球団の先発投手事情を見ていこう。
記録は5月2日現在

読売ジャイアンツ



 開幕先発ローテーションには山崎伊織堀田賢慎、新人の赤星優志と公式戦登板のない3人が名を連ねた。それぞれにゲームはつくっているが、山崎と堀田は右ヒジ手術明けということもあって登板間隔を空けながらの起用となり、赤星も4月24日の中日戦(バンテリン)で3回途中6失点でKOされると、疲労も考慮されて次回登板は次カード以降へ回された。さらにエースの菅野智之が右ヒジの違和感で登録抹消。それでも緊急事態に陥らないのは若手3人の台頭もあって先発陣の層が分厚くなっているから。好投を続ける新助っ人のM.シューメーカーが先発ローテの一角に食い込み、昨季11勝の高橋優貴も復調、5月中旬にはやはり新外国人のM.アンドリースも一軍に合流予定。C.C.メルセデス戸郷翔征が先発ローテをきっちり守っており、エース不在の難局も切り抜けていけるはずだ。

広島東洋カープ



 先発ローテーション再編や試合日程の関係で登板数に差があるものの、ここまでは開幕時の6人が先発ローテを守ってきていた。特に大瀬良大地、九里亜蓮森下暢仁の3本柱の奮投ぶりは今季も健在。エース・大瀬良は4月29日の中日戦(バンテリン)で気迫の完封勝利。チームの連敗を止め球団通算4500勝をもたらし、自身もハーラートップタイの4勝目となった。九里は勝ち星こそ伸びていないが、防御率はリーグトップの1.65と安定感を見せる。そんな3本柱に続き、残りの3選手も、左腕・床田寛樹がパームボールを武器にしっかりとイニングを稼ぎ、遠藤淳志玉村昇悟も今季初勝利を挙げている。だが、ここ数試合でリリーフ陣が不安定さを露呈し、先発陣についてもさらなる試合づくりが求められているとあって、首脳陣はテコ入れ。2日の投手練習に新助っ人のドリュー・アンダーソンを合流させ、3日からの巨人との3連戦で来日初先発の予定。新たな布陣で苦しいリリーフ陣を、チームを助けていきたい。

中日ドラゴンズ


中日・高橋宏斗


 開幕先発ローテーションは、東京ドームでの巨人3連戦は大野雄大勝野昌慶柳裕也、本拠地・バンテリンに戻ってのDeNA3連戦は小笠原慎之介、高橋宏斗、松葉貴大だった。中心となっているのは大野雄と柳、本来ならここに小笠原を加えた3本柱のはずだったが、小笠原は登板後にコロナ陽性となって登録抹消となった。しかしその穴は、昨年の開幕投手を務めた福谷浩司がカバー。好投しながらも16試合連続で勝ち星のない勝野が4月27日の阪神戦(甲子園)で右脇腹を痛めたのは気になるところだが、頼もしいのは高卒2年目の高橋宏斗だ。ここまで4試合に登板して2勝とチームに勢いと刺激を与えている。今後は小笠原が復帰し、出遅れた分をどこまで取り戻せるか。チーム浮上のカギは、やはり3本柱の安定感に尽きる。

東京ヤクルトスワローズ



 今季先発マウンドを経験しているのは8人。その中で開幕から好調をキープしているのが、高橋奎二と高梨裕稔の2人だ。高橋は4月10日の巨人戦(東京ドーム)で完投勝利を挙げるなど、5試合に登板し2勝0敗。防御率はリーグ4位の2.37で、奪三振率8.90は先発投手ではリーグトップの数字である。対する高梨も規定投球回未到達ながら防御率1.96と抜群の安定感。走者を許しながらも要所を締める投球が光る。また、昨季4月の登板がなかった原樹理サイスニードが先発ローテーションの一角として2勝をマーク。先発投手陣がきっちり試合を作っていることが、リーグ2位につけている要因の一つと言えるだろう。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・東克樹


 開幕3連敗後に4連勝。フェルナンド・ロメロ石田健大濱口遥大上茶谷大河とすべて先発投手に勝ち星がついたことは明るい材料だった。しかし、直後に石田と濱口が新型コロナウイルス陽性判定で離脱、先発ローテーションが崩れた。代役のマイケル・ピープルズは期待に応えられず、中5日で先発マウンドに立った坂本裕哉は2試合連続満塁弾を浴びKO。さらに開幕投手を務めた東克樹はいまだ白星なしと苦しんでいる。大貫晋一、上茶谷の右腕2人が粘り強い投球を続けるが、やはり先発が試合をつくれないとチームの勝利は遠ざかる。まもなく一軍に合流する石田、濱口、さらにはケガから復帰する今永昇太を加えて、先発ローテを再編。5月の巻き返しに期待したい。

阪神タイガース


阪神・青柳晃洋


 開幕投手の予定だった青柳晃洋が新型コロナウイルスに感染し、自身の開幕は遅れた。一方、実際に開幕投手を担った藤浪晋太郎伊藤将司が4月中旬に新型コロナ感染し戦線離脱。なかなか思うような先発ローテが組めなかった。しかし、復帰した青柳が3連勝。新助っ人のアーロン・ウィルカーソンに5月1日の巨人戦(東京ドーム)で7回1失点の好投を見せた西純矢が活躍し、チームは目下6連勝。ある程度固定できる先発陣が出来上がってきた。ここに藤浪や伊藤が帰ってきて、ジョー・ガンケルも投げられる状態にあれば、先発の層が厚さを増す。やはり金曜日先発の青柳が3試合で2完投、防御率0.69、火曜日先発の西勇輝が5試合で2勝1敗ながら防御率1.91とカード頭の先発がしっかりしていることで、チームも徐々に上向きになっている。

写真=BBM
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