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ロッテの先発防御率は“12球団No.1”驚異の1.49! パ・リーグ6球団 「先発投手事情」は?

 

開幕から1カ月以上が経過したパ・リーグ。果たして、先発陣はしっかりと勝利を積み上げることはできているのか。パ・リーグ6球団の先発投手事情を見ていこう。
記録は5月2日現在

千葉ロッテマリーンズ



 若手、ベテラン、そして助っ人の“三本柱”だ。完全試合を達成した高卒3年目の佐々木朗希が早くも昨季に並ぶ3勝をマーク。防御率1.50に加え、奪三振率は驚異の15.00を記録している。開幕投手を務めた9年目のベテラン・石川歩も防御率0.87で3勝、助っ人左腕のエンニー・ロメロも5試合にまたがり26回2/3を無失点に封じて、2勝をマーク。ロメロは5月1日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では守備の乱れもあって、大量8失点(自責は1)も球威あるストレートをテンポ良くストライクを投じる攻めのスタイルで、相手を圧倒している。昨季2ケタ勝利を挙げた小島和哉はいまだ未勝利も、粘りの投球を見せるなど先発陣は12球団No.1の防御率1.49と奮闘。打線が援護できれば、上位追走は十分に可能だ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 アクシデントに見舞われながらも、その影響を感じさせないほどの充実ぶりだ。開幕戦で黒星を喫した則本昂大が、2戦目の登板前日に新型コロナ陽性判定により戦線離脱。ここは二軍調整を続けていた涌井秀章が代役となり、何とか乗り切った。そしてここまで申し分のないピッチングを見せているのが、古巣復帰2年目となる田中将大だ。昨季は打線の援護に恵まれず、まさかの4勝9敗という成績に終わった。それでも今季は開幕から4戦連続でハイクオリティースタート(7回以上、自責2以下)を継続中。岸孝之早川隆久も安定しており、連敗は一度もない。さらに2年目左腕の藤井聖がプロ初登板初先発で初勝利。好循環が続いている。

福岡ソフトバンクホークス



『圧倒的なキャリアハイ』を目標に掲げているだけあって、今季はエース・千賀滉大が開幕から頼もしい。ここまで6試合に登板し、クオリティースタート(6回以上、自責3以下)率どころか、ハイクオリティースタート(7回以上、自責2以下)率100パーセント。防御率0.80はリーグ2位と安定感を誇る。“裏ローテ”のカード頭を任される石川柊太も、4月5日のオリックス戦(PayPayドーム)こそ1イニングで降板するアクシデントがありながら、残り3試合は無失点登板と、千賀にも引けを取らない。対照的に、物足りなさを感じてしまうのは若手先発陣だ。開幕先発ローテーションをつかんだ杉山一樹は、あいかわらずの制球難で期待に応えられず。大関友久も先制点を許してしまい苦しい展開での登板が目立つ。ウエスタン・リーグを見ても一軍先発ローテに割って入ってくるような選手はいない。チームは開幕の勢いはどこへやら、連敗も多くなってきているだけに、若い力の台頭に期待したいのだが果たして……。

オリックス・バファローズ


オリックス・山岡泰輔


 エース・山本由伸が防御率1.22で3勝。登板5試合はいずれも2失点以内と安定感は健在で、宮城大弥は防御率4.55ながら状態は上向き。右ヒジ手術から復帰した山岡泰輔も5試合で4度のクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を記録して防御率0.83と先発陣をさらに強固としている。そんな中で田嶋大樹山崎福也の両左腕は好投しながらも白星に恵まれず、いまだ未勝利。打線が試合序盤に得点を奪えず、勝利はつかめていない。それでも、きっちりゲームメークして先発ローテーションも守っている。新助っ人のジェイコブ・ワゲスパックも来日初登板となった4月29日の西武戦(京セラドーム)で長身から繰り出す角度のある直球を武器に5回無失点と好投。チーム最大の武器である先発陣は盤石だ。打線とかみ合い出せば、大型連勝も見込めるだろう。

埼玉西武ライオンズ


西武・高橋光成


 先発ローテーションとして首脳陣が期待していた今井達也が開幕直前にケガで離脱。代わりに新人の佐藤隼輔が先発ローテに組み込まれた。高橋光成、隅田知一郎渡邉勇太朗、佐藤、松本航與座海人の6枚でスタートしたが、渡邊、與座が脱落。新外国人のバーチ・スミスディートリック・エンスが先発ローテ入りも、スミスが4月28日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で右ワキ上部違和感により2回で降板、翌日に登録抹消されてしまった。アクシデントが多発しているが、先発の防御率は2.91と悪くない。エースの高橋もここまで2勝のみだが、平均投球回6.83、防御率1.76と好内容。打線の奮起があれば、白星は自然と伸びていくだろう。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・上沢直之


 開幕2カード目からの6連戦は上沢直之、加藤貴之伊藤大海の三本柱に、立野和明河野竜生、2年目左腕・根本悠楓を加えた先発6枚で臨んだが、以降は中4日、中5日と登板間隔を縮めての起用法も試している。調子の上がらない河野、立野に代わって、新外国人右腕のコディ・ポンセ、抑えから再転向し2年ぶりの先発勝利を飾った杉浦稔大らが先発ローテーションの一角を担うも、先発の防御率は4.15でリーグワースト。テンポのいい投球で防御率2.19と安定感のある左腕エース・加藤、3勝をマークする2年目の伊藤は結果もついてきているが、エース・上沢は6試合登板でいまだ勝ち星がない。エースの復調がチーム浮上には必要不可欠だ。

写真=BBM
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