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打率1割台の広島・小園海斗 「レギュラー剥奪危機」乗り越えられるか

 

開幕マルチ安打スタートも失速


5月3日の巨人戦では24打席ぶりの安打を放つなど3安打2打点をマーク


 プロ4年目の小園海斗が遊撃のレギュラー定着へ、正念場を迎えている。

 今季は「三番・遊撃」を託され、3月25日のDeNA戦(横浜)でマルチ安打と好スタートを切ったが、その後は安打を積み重ねられない。八番に降格した4月22日のDeNA戦(マツダ広島)で2安打2打点と奮起し、24日の同戦では1点差を追いかける延長10回に坂倉将吾の中前適時打で同点に追いつき、なおも一死満塁の好機で中犠飛。プロ初のサヨナラ打に「本当になかなか結果が出ていなかったんですけど、こうやって最後に決めることができたので、ここからのっていけたらなと思います。これをきっかけにどんどん暴れていきたい」と宣言。27日のヤクルト戦(マツダ広島)から5試合連続無安打とスタメン落ちの危機だったが、今月3日の巨人戦(マツダ広島)で2回に24打席ぶりの安打となる左中間へ2点適時二塁打を放つなど今季2度目の猛打賞をマーク。佐々岡真司監督の起用に応えた。

「小園は遊撃の守備が抜群の安定感なので、首脳陣もできれば外したくない。早いカウントから積極的に打つのが持ち味ですが、4月は打席で迷いが見られた。チームに迷惑を掛けたくないという思いが強いかもしれないが、もっと小園らしく思い切りの良さを見せてほしいですね」(スポーツ紙記者)

昨季は惜しくも3割に届かず


 攻守でチームの核にならなければいけない選手だ。昨年は113試合出場で打率.298、5本塁打、35打点と自己最多の成績をマーク。開幕は二軍スタートだったが、4月下旬に一軍昇格すると広角に安打を積み重ねた。2016〜18年のリーグ3連覇でリーオフマンを担った田中広輔から遊撃のレギュラーを奪取。惜しくも打率3割には届かなかったが、実りの多いシーズンだった。

 今年の開幕前に週刊ベースボールのインタビューで、「『全試合フルイニング出場』という目標を掲げる中で、シーズンを通じてしっかり活躍することが求められます。自分の力を発揮する。その上で、やっぱり安定感ですよね。波があると使いづらいのは、自分がもし監督、コーチでもそう思うので。自分はまだまだアピールしていかないといけない立場。例えば、左ピッチャーのときに苦手だと思われていたりするので、そういう自分にとっての“マイナス面”をなくしていけたらなと思います」と目標を掲げている。

4年目ながら主力の自覚も十分


ショートの守備力は高い。打撃が伴えば不動のレギュラーとなれる


 主力としての自覚も十分で、「ショートを守らせてもらっているので、中心となって引っ張っていけるように。悪いときは注意して意見を交わして、改善していけたら。そのためにもしっかり周りが見られるようにならないと、ですね。今はキクさん(菊池涼介)、アツさん(會澤翼)がやっていることを自分もやっていけたら、自分としても、チームとしても変わってくると思います。今もチャンス。負けていられない。僕だけじゃなく若い選手一人ひとりが意識していくことで、チーム力も上がっていくと思います」と力を込めていた。

 打撃は本来の調子ではないが、好守でチームの危機を再三救っている。レギュラー剥奪の危機を乗り越え、「不動の遊撃手」になれるか。

写真=BBM
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