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藤浪晋太郎、菅野智之、鈴木誠也…セ・リーグ6球団 2012年ドラフト「出世頭」は?

 

2012年ドラフトで指名された選手は今季で10年目を迎えている。果たして、その中で最も成長を果たしている選手は誰なのか。セ・リーグ6球団の2012年ドラフトの「出世頭」は?
記録は5月6日現在

阪神タイガース



 2012年ドラフトの目玉が大阪桐蔭高の藤浪晋太郎だった。オリックスロッテヤクルト、阪神の4球団が1位で入札。クジ引きの末、阪神が引き当てた。藤浪はルーキーイヤーから3年連続で2ケタ勝利を挙げたが、その後は低迷。160キロ近い真っすぐと大きく曲がるスライダーなど一つひとつを見れば一級品のボールを投げるが、結果がなかなかついてこないのが現状。2021、22年と開幕投手を務めるなどチーム、ファンからも復活を期待され続けている。現在は新型コロナ陽性となり、そこからの復帰を目指している。この年のドラフトでは6人が指名されたが藤浪以外でユニフォームを着ているのは2位の北條史也のみ。昨秋に左肩の手術を受けてリハビリを経て復活した北條は5月6日に一軍昇格。クセモノのプレーをもう一度、見ることができそうだ。

読売ジャイアンツ



 1年の浪人を経て、相思相愛で入団したドラフト1位の菅野智之は期待に違わぬ活躍を見せてきた。1年目から13勝を挙げると、これまでに3度の最多勝、4度の最優秀防御率をはじめ数々のタイトルを獲得。沢村賞にも2度輝くなど球界屈指の投手に成長を遂げ、2019年からは伝統の背番号18を継承している。今季は5年連続で球団最多8度目の開幕投手を務め、やはり球団最多の開幕5勝目をマーク。現在は右ヒジの違和感で再調整中だが、いまだ手が届いていない日本一のためにも「ジャイアンツのエース」は必ず復活を遂げるはずだ。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・小川泰弘


 阪神・藤浪晋太郎、巨人・菅野智之らドライチ投手に注目が集まる中、2013年のセ・リーグ新人王に輝いたのは2012年ドラフトで2位指名された小川泰弘だった。ルーキーイヤーに16勝を挙げ、最多勝、最高勝率のタイトルも獲得。その後も先発投手の柱としてマウンドに上がり続け、今季も通算6度目の開幕投手を務めた。5月3日の阪神戦(甲子園)では無四球完封で今季初勝利。ようやくエンジンがかかってきた。また、ドラフト1位で指名されたのは石山泰稚で、ルーキーイヤーから守護神を任されるなど60試合に登板。今季は中継ぎとしてここまで11試合に登板し、10試合で無失点投球と安定感抜群の内容だ。連覇へ向けて、経験豊富な2人の活躍は欠かせない。

広島東洋カープ


カブス・鈴木誠也[写真=Getty Images]


 2012年ドラフトの出世頭は今年、広島から世界に飛び立っていった。2位で入団した鈴木誠也は、1年目からチームに欠かせない主力打者への道を着実に歩んでいく。武器は長打力と勝負強さ。17年には四番打者を務めるまでになった。当初は自分のことでいっぱいいっぱい、打てないと感情を露わにすることもあったが、主砲としてチームのために、人間的にも成長。年を重ねるごとに頼もしさは増し、広島だけでなく日本代表でも四番に座わった。名実ともに日本球界を代表する打者となって、21年オフ、ポスティングシステムを利用してのシカゴ・カブスへの移籍だった。あこがれのMLBでも鈴木は鈴木だ。4月は21試合に出場し、開幕から9試合連続安打を記録するなど19安打で打率.279、4本塁打、14打点をマーク。ナ・リーグ月間最優秀新人(ルーキー・オブ・ザ・マンス)に選ばれた。しかし、好調が一転、直近はスランプが続く。ただ、苦境を跳ね返すだけの力が、鈴木にはある。

中日ドラゴンズ



 中日の出世頭は慶大から入団したドラフト1位の福谷浩司だろう。ルーキーイヤーは9試合の登板にとどまったが、2年目は中継ぎ、抑えにフル回転してリーグ最多の72試合に登板。その後はリリーフから先発に転向したものの、椎間板ヘルニアで一時は引退も考えたほど。それでも見事に復活し、昨年はプロ9年目にして開幕投手の大役を担い、現在も先発として活躍している。この年のドラフト指名は7人だが、今も現役を続けているのは福谷を含めて3人。2位で入団した濱田達郎は右足首を手術して2度目となる育成契約中。高校時代は大谷翔平(エンゼルス)、藤波晋太郎(阪神)と並ぶ“高校ビッグ3”と騒がれた左腕だ。5位の溝脇隼人は右投げ左打ちの内野手。立浪ドラゴンズで開幕一軍切符をつかみ、現在も貴重なサブプレーヤーとしてチームを支えている。

横浜DeNAベイスターズ



 DeNA体制となって初のドラフトで入団した支配下選手は6人。その中で6番目に名前を呼ばれたのが宮崎敏郎だった。4位では同じセガサミーから三拍子そろった外野手、赤堀大智が指名されており、宮崎は目立った存在とはいえなかった。しかし、当時の高田繁GM、吉田孝司スカウト部長が秀でた打撃センスを高く評価しての指名だった。その才能が花開くまで時間がかかったが、プロ入り5年目の2017年に三塁レギュラーの座に就くと、巧みなバットコントロールで首位打者に輝いた。以降5シーズンで4度の3割超えとベイスターズの看板選手にまで成長。昨年オフには6年の長期契約を結び、「生涯横浜」を誓っている。

写真=BBM
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