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プロ野球はみだし録

郭泰源、郭源治ら台湾から来た男にバッキーやメッセンジャーら猛虎。“助っ投”の通算“最多勝”は?【プロ野球はみだし録】

 

メッセンジャーは勝ち星でも健闘


黄金時代の西武で117勝を挙げた郭


 一度でも外国人枠の制限を受けた“助っ人”に絞って通算成績を振り返ると、“最多勝”は誰か。この制約を設けると、用具も粗悪で極端な“打低投高”だった戦前や戦中の投手たちはランキングに入らない。前回の内容と重複するが、外国人枠の制限が始まった1952年からは、2011年の“統一球”騒動などもあったとはいえ、用具などの要素が排除されて、かなり拮抗したランキングとなってくる。“最多勝”を争うのは、台湾から来た2人の“助っ投”だ。

“最多勝”は西武ひと筋13年、272試合に登板して117勝を挙げた“オリエンタル・エクスプレス”郭泰源だ。1985年に入団して黄金時代の西武で活躍、シーズン最多勝はなかったが、最高勝率2度、91年にはMVPに輝いている。続くのが中日ひと筋16年、通算セーブでも116セーブで6位だった郭源治で、通算496試合で106勝。81年に入団、やはりシーズン最多勝はないが、最優秀防御率1度、88年に最優秀救援投手とMVPに輝き、翌89年には日本に帰化している。やはり台湾から来て、ほぼ同じ時期に活躍して“二郭一荘”と並び称されたロッテひと筋11年の荘勝雄は通算297試合の登板、70勝で8位。十傑に“二郭一荘”がそろった。

 3位に並ぶのは南海(現在のソフトバンク)ほか7年のジョー・スタンカに、阪神ほか8年のジーン・バッキーで、ともに100勝。64年には第1回の東京オリンピックの“裏”となった日本シリーズで投げ合った2人だが、21世紀の投手たちも負けていない。5位につけるのが阪神ひと筋10年のランディ・メッセンジャーで98勝。チームの“先輩”でもあるバッキーらに2勝だけ届かなかった。

 6位はソフトバンクほか10年のジェイソン・スタンリッジで75勝。7位には20世紀は広島、21世紀はロッテで計7年間プレーしたネイサン・ミンチーが187試合で74勝と続く。荘を挟んで9位は近鉄ほか4チーム8年、69勝のジェレミー・パウエル(JP)。ハワイ出身の日系人で、わずか4年で65勝を稼いだイーグルス(黒鷲)の亀田忠もいたが、外国人枠がなかった戦前の選手だ。巨人ほか3チーム8年、64勝のセス・グライシンガーが10位となる。

【外国人選手 通算勝利10】
1位 117 郭泰源(西武)
2位 106 郭源治(中日)
3位 100 ジョー・スタンカ(南海ほか)
3位 100 ジーン・バッキー(阪神ほか)
5位 98 ランディ・メッセンジャー(阪神)
6位 75 ジェイソン・スタンリッジ(ソフトバンクほか)
7位 74 ネイサン・ミンチー(ロッテ)
8位 70 荘勝雄(ロッテ)
9位 69 ジェレミー・パウエル(近鉄ほか)
10位 64 セス・グライシンガー(巨人ほか)

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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