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首都大学リポート

約5週間ぶりの登板で好投。「同級生には負けたくない」と闘志を燃やす桜美林大の2年生右腕・大坪誠之助/首都大学リポート

 

今春はエース格の期待も……


桜美林大・大坪は東海大2回戦で7回途中1失点の力投。次戦につながる投球を見せた


【5月8日】2回戦(東海大2勝)
東海大3−2桜美林大

 桜美林大の大型右腕・大坪誠之助(2年・土浦湖北高)は昨秋、2試合の先発を含む3試合に登板した。通算12イニングで自責点ゼロと、最速148キロを計測し、今春はエース格として期待されていた。

 開幕戦となった日体大1回戦(4月2日)では、先発を任された。だが、初回に3安打を浴び、3四球と制球も乱れて3失点。2回表には先頭打者に四球を許し、ここで無念の降板となった。チームは7回コールド敗退(0対11)と責任を感じていた。

「昨年はストレートも走っていましたし、カットボールなどの変化球も含めて全体的にまとまり良く仕上がっていました。でも、今季はリーグ戦前のオープン戦から調子が上がらず、日体大戦もまったくダメでした」

 翌週には、体調不良で離脱した。体重は5キロ減の85キロ。復帰後も筋力の低下を感じていた。そこで、とにかく球数を投げ込むことで、元のコンディションに戻そうとした。

「最初は20球ほどでしたが、30球、40球と投球数を増やしていき、その後はオープン戦や二軍の紅白戦に登板して試合勘を養ってきました」

 悪いことばかりではなかった。「体重が減ったことで、むしろ体にキレが戻ってきました」と調子も上向きになっていった。

監督も称えるピッチング


 約5週間ぶりの登板となった第6週の東海大2回戦(5月8日)。先発した大坪は「ストレートが浮いていましたがスライダーが良かったので、真っすぐを見せ球にしながら工夫して投げました」と5回途中まで相手打線を無安打に抑える好投。津野裕幸監督も「これが本来の投球」と称える投球を見せた。

「久々の登板で、後半はきつかった」と、7回裏の先頭打者にバント安打を許したところで降板した。「実は試合前日と今朝は神社に行ってきました」という神頼みのご利益もあってか、6回0/3で1失点。「70球くらいの予定だったのですが、今できることは精いっぱいやれたと思います」と復活登板を遂げた(チームは延長10回、2対3でサヨナラ負け)。

 桜美林大は3勝6敗、勝ち点1。今春は筑波大との1カードを残すのみとなった。

「今季は自分と同じ2年生の投手が活躍していて、ずっともどかしい思いをしていました。これからは他チームの同級生には負けないように頑張っていきたい」と抱負を語った大坪。5月14日から予定される最終カードも、チームの勝利のために腕を振るつもりだ。

取材・文=大平明 写真=BBM
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