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吉川尚輝、坂本勇人が戦線離脱で巨人が失速…首位奪回へ「ベストの二遊間の組み合わせ」は?

 

 巨人が緊急事態を迎えている。今季打率.341と打撃好調だった吉川尚輝が5月6日、「左肩甲骨の骨挫傷」で登録抹消に。吉川は4日の広島戦(マツダ広島)で左肩甲骨付近に死球を受けて負傷交代。5日の試合はベンチを外れていた。遊撃の坂本勇人も右ヒザ靱帯損傷のため戦列を離れており、二遊間のレギュラーを欠いて目下4連敗中。首位から陥落し、苦しい戦いが続いている。プロでの実績で見れば廣岡大志に「1日の長」があるが、競争は横一線だ。湯浅大中山礼都増田陸増田大輝……「二遊間の組み合わせ」で熾烈な競争が繰り広げられる中、若手たちの台頭が期待される。

実戦向きの5年目


安定感ある守備、状況に応じた打撃が持ち味の湯浅


・湯浅大

 坂本が戦線離脱後、廣岡と遊撃の定位置争いを繰り広げているのが、プロ5年目の湯浅だ。4日の広島戦(マツダ広島)に「八番・遊撃」で今季初スタメンを飾ると、6日のヤクルト戦(東京ドーム)では「一番・遊撃」、7日の同カードでは「八番・遊撃」で起用された。廣岡のような派手さはないが、堅実な守備と安定した送球が持ち味で、状況に応じた打撃ができる実戦向きの選手だ。昨年は代走、守備固めでの起用が多かったが、自己最多の33試合出場で13打数5安打、打率.385と打撃でもきっちりアピールした。今年2月の春季キャンプは二軍で鍛錬に励み、最終日の打ち上げでは「この中から一人でも多く一軍で輝けるように頑張っていきたいと思うので応援よろしくお願いします。今年も日本一を目指して頑張ります」と誓って一本締めを行った。廣岡らとのポジション争いを制するか。

非凡な野球センス


昨年二軍で打率.309をマークした中山の打撃は魅力的だ


・中山礼都

 本職は遊撃だが、吉川の離脱を受けて二塁でスタメン起用された。高卒2年目の若武者は失敗を恐れない積極果敢なプレースタイルが求められる。5月6日のヤクルト戦(東京ドーム)では3回に原樹理の直球を左前に運び、プロ初安打を記録。その後にプロ初盗塁となる二盗に成功すると、丸佳浩の中前適時打で本塁生還し、プロ初得点も挙げた。8日の同カードでは遊撃でスタメン出場。非凡な野球センスで、特にバットコントロールの巧みさは目を見張るものがある。新人の昨季はファームで規定打席未達だったが打率.309をマーク。坂本、吉川が立ちはだかり、二遊間のレギュラー定着は険しい道のりだが、このチャンスをつかみたい。

新たな打撃スタイルでアピール


5月7日のヤクルト戦でプロ初安打をマークした増田陸


・増田陸

 プロ4年目の21歳と若いが、紆余曲折を経てはい上がってきた。明秀日立高で攻守走三拍子そろった遊撃手としてドラフト2位で入団。坂本が入団時の背番号61を背負い、「坂本の後継者」と期待されたが昨オフに育成契約に。春季キャンプを三軍で迎えたが、2月15日に二軍へ、19日に一軍昇格した。練習試合、オープン戦で打率.308をマークし、3月11日に再び支配下登録。ファームで31試合出場し、打率.282、4本塁打、12打点と好調を維持して、5日にプロ入り初の一軍昇格を果たした。7日のヤクルト戦(東京ドーム)では、5回に高橋奎二の148キロを右前にはじき返すプロ初安打をマーク。二岡智宏二軍監督と積み上げた新たな打撃スタイルでアピールしたい。

足に定評がある超万能選手


20年8月6日の阪神戦ではマウンドに上がったこともある増田大


・増田大輝

 2020年8月6日の阪神戦(甲子園)で投手として登板したのを含め、捕手以外すべてのポジションを守った経験がある超ユーテリティープレーヤーだ。俊足に定評があり、代走の切り札として重宝されてきた。19年の15盗塁、20年の23盗塁はいずれもチームトップ。シュアな打撃で守備範囲も広い。近大を中退し、とび職を経て四国アイランドリーグplus・徳島から育成ドラフト1位で入団した苦労人はプロ2年目に支配下昇格されると、少ないチャンスをモノにして一軍の戦力になった。スーパーサブとして首脳陣の信頼は厚いが、もちろん狙うのはレギュラー獲り。二遊間の2枠が空いた状況は大きなチャンスだ。

写真=BBM
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