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楽天は不動のレギュラー、ソフトバンクは待望の「一番・二塁」固定! パ・リーグ6球団「二塁手事情」は?

 

サインプレーや中継プレーに絡む機会が多く、打球に対しての瞬時の対応など身体能力の高さだけでなく、判断力が求められる。内野守備で「最も技術が必要」とされているポジションが二塁手だが各球団、しっかり機能しているのか。パ・リーグ6球団の「二塁手事情」を見ていく。
記録は5月13日現在

東北楽天ゴールデンイーグルス



 不動のレギュラーは浅村栄斗だ。楽天に加入した2019年以降、その座をほかの選手に譲ったことは一度もない。西武時代、そして昨夏の東京五輪日本代表では一塁を守ったが、本人の二塁へのこだわりは以下の言葉から分かる。「セカンドで出られるならずっと出たい。ファーストは考えていないです」。昨年末にあらためて明言し、こう続けた。「自分がやってきたポジションだし、負ける気はさらさらないので、誰が出てこようが自分が出続ける」。今季は打撃も好調で首位を走るチームで頼もしい存在となっている。山崎剛小深田大翔に二塁を任せるのは、自らがDHで出場するときのみだ。

福岡ソフトバンクホークス



 ついに一番・二塁が固定されたと言ってもいいだろう。昨季チームトップの82試合で二塁を守った三森大貴は、今春もきっちり結果を残し、開幕スタメンを勝ち取った。打撃面ではパワーアップを見せ、開幕から快音を響かせる中、プロ初本塁打もマーク。好調の要因に関してはあまり多くを語らないものの、「迷わずにしっかり整理して打席に入れていることが、いい結果にもつながっている」。守備面も、本多雄一内野守備走塁コーチの下、試合出場を重ねる中で着実にレベルアップ。5月11日の西武戦(PayPayドーム)でも、東浜巨のノーヒットノーランがかかった最後の打者、金子侑司の打球を東浜が捕り損ねた際に、しっかりとバックアップ。偉業達成に貢献した。下半身の張りで一時出場を見合わせていたが、大事には至らず、現在はその影響も感じられない。シーズンが終わったときに、どれだけの成績を残しているのか、楽しみだ。

埼玉西武ライオンズ


西武・外崎修汰


 38試合消化時点でスタメン出場は37試合。西武の正二塁手を担っているのが外崎修汰だ。内外野を守れるユーティリティー選手として3年目の2017年から台頭。浅村栄斗がFAで楽天へ移籍した19年から二塁をメーンで守るようになった。翌20年にはゴールデン・グラブ賞も獲得。安定感のある守備で遊撃を守る同学年の源田壮亮と鉄壁の二遊間コンビを組んでいる(源田は現在、ケガで登録抹消中)。心掛けているのは投手を助けるプレー。併殺を増やすことを意識し、勝利を呼ぶ守備を心誓っている。ただ、20年から打撃成績は下降。今季も打率が2割台前半と低迷しているが、26本塁打を放った19年のような打撃を取り戻せば外崎の価値はさらに高まる。

オリックス・バファローズ



 レギュラーの安達了一が潰瘍性大腸炎を患っており、休養日を設けながらの出場と、流動的な起用を余儀なくされている。堅守巧打のベテランは、攻守両面でチームを支える存在も、フル出場は難しく、太田椋宜保翔らの若手と併用。新助っ人のラベロも二塁でスタメン出場を果たすこともあり、今季39試合で8人が二塁手の位置に就いている現状だ。安達も開幕直後に左足首を捻挫し、5月9日には新型コロナに感染して離脱中。レギュラー不在を好機とばかりに、若手の奮起が待たれるところだ。

千葉ロッテマリーンズ



 昨季まで4年連続でフル出場を果たした主将・中村奨吾が不動のレギュラーだ。今季はややバットが湿りがちも、二番、三番などあらゆる打順を担ってナインを鼓舞。ただ、4月2日に新型コロナの陽性反応を受け、翌日に登録抹消で連続試合出場が止まった。とはいえ、1週間で復帰して、その後は毎試合スタメンに名を連ねる。主将が与える影響は試合だけではなく、高卒4年目の山口航輝、ドラ2新人・池田来翔も異口同音に口にするのは「奨吾さんの野球に対する取り組みを見習わないといけない」。状態を把握するため、試合前は欠かさずロングティーを行うなど、若手の良き手本となっている。

北海道日本ハムファイターズ



 二塁には新外国人のアルカンタラが最も多く起用されている。遊撃の石井一成が二塁に回るケースもあるが、現状はほぼ固定と言っていい。長年の課題である二遊間の守備力強化の面でも、27試合に出場して失策1と安定感を見せている。さらにうれしい誤算が、予想外の長打力だ。4月24日のソフトバンク戦(札幌ドーム)では、左右両打席本塁打をマークするなど、ここまでリーグ2位タイの6本塁打。ソフトバンク・東浜巨を苦手とする日本ハム打線の中で6打数5安打3本塁打と“キラー”ぶりを発揮している。将来的に二遊間を守れる若手育成にも舵を切りたいところだが、打撃での貢献度からも当面アルカンタラを二塁レギュラーから外せないだろう。

写真=BBM
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