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広島・マクブルームが本塁打量産体制 打球の角度変わり「日本で大ブレークの予感」が

 

高々と舞い上がる打球に


四番としてチームをけん引しているマクブルーム


 好調な広島で不動の四番を務めるマクブルームが本塁打を連発している。

 5月8日のDeNA戦(マツダ広島)で5回一死二塁から砂田毅樹の直球を豪快に振り抜き、左翼の防球ネットに直撃する3号2ランを放つと、7回も入江大生の直球に反応して来日初の1試合2発となる4号左越えソロ。4安打4打点の大暴れで勝利に貢献した。続く10日の阪神戦(甲子園)も6回無死一塁から西勇輝のスライダーを豪快に振り抜き、左翼席へ先制の5号2ラン。この一撃が決勝打になった。

「打球の角度が変わりましたね。シュアな打撃で右中間、左中間を射抜くようなライナー性の打球が多かったですが、5月に打った3本の本塁打はすくい上げるような打ち方で高々と舞い上がった打球だった。日本の野球にも慣れてきて手応えをつかんでいると思います。マクブルームの良いところは選球眼が良く出塁率が高い。ボール球に手を出さないので、投手もストライクゾーンで勝負せざるを得ない。大振りをせずきっちりコンタクトするので好不調の波が少ない。日本で大ブレークの可能性を秘めていると思います」(スポーツ紙記者)

「対応力が自分の強み」


 昨年はロイヤルズ3Aのオマハで115試合に出場し、打率.261、32本塁打、88打点をマーク。昨オフにポスティングシステムでカブスに移籍した鈴木誠也の後釜として期待された。3月31日の阪神戦(マツダ広島)で同点の6回二死二塁で秋山拓巳から決勝打となる左翼フェンス直撃の適時二塁打を放つなど勝負強さを発揮したが、3、4月の月間成績は25試合出場で打率.253、2本塁打、12打点。長打力の点では物足りなさが残った。だが、5月に入ると15日現在、通算成績は36試合出場で打率.288、5本塁打、21打点。出塁率.371はリーグ5位、得点圏打率.316と四番として強力打線を引っ張っている。

 マクブルームは入団会見で「対応力が自分の強み」、「ホームランはあとでついてくることだと思っている。安打を重ねることを期待してほしい」と語りシーズン100打点を目標に掲げていた。

選球眼抜群のスラッガーのように



 選球眼の良さで定評のあった外国人選手が、来日通算233本塁打をマークしたロベルト・ペタジーニだ。ヤクルト、巨人、ソフトバンクで計7年間プレーしたが、通算出塁率.438と驚異的な数字だ。この数字は日米球界で活躍したイチロー氏(現マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクター)、松井秀喜氏(現ヤンキースGM特別アドバイザー)のNPBでの通算出塁率を上回る。追い込まれたあとのストライクからボールゾーンに変化するフォーク、スライダーをきっちり見逃し、甘くなった球をとらえる。2度の本塁打王、1度の打点王だけでなく、99年(.469)、01年(.466)と最高出塁率のタイトルを獲得。03年は規定打席に20打席不足して.457だったが、20打席分を凡打と仮定してもリーグトップの数字だった。

 2013年に週刊ベースボールの企画「球界200人が選ぶ史上最強助っ人ランキング」でペタジーニは7位に選出されている。中日のエースとして活躍した川上憲伸氏は「僕は対戦が多いと思いますけど、すごく嫌なバッターでした。とにかく穴が少ない」、ヤクルト時代に同僚だった稲葉篤紀氏(現日本ハムGM)は「勝負強いし、ボール球を打たない。理想のレベルスイングだった。僕もヤクルト時代に一緒で、マネしようとしたけどできなかった」と評している。

 ペタジーニは左打者でマクブルームは右打者だが、目指す打撃スタイルの方向性は似ているのではないだろうか。マクブルームが大活躍すれば、広島の4年ぶりリーグ優勝が現実味を帯びる。

写真=BBM
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