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11連勝のち4連敗…楽天の強さは本物か!? カギは石井一久GM兼任監督の戦略

 

 パ・リーグで猛烈な勢いを見せていた楽天が11連勝から4連敗と小休止。それでも熱パの主役であることは間違いない。その戦いの中身を振り返るとともに、石井一久GM兼任監督の言葉から今後の戦いぶりを占う。

ミスを認めた指揮官


連敗を4で止めて喜ぶ松井裕樹[右]ら楽天ナイン


 球団新記録の11連勝から一転して、4連敗を喫した。それでも5月15日の西武戦(ベルーナ)に勝利して、今季初めて訪れた苦境から抜け出した。勝利に貢献したのは、7回5安打1失点の力投で今季2勝目を挙げた則本昂大。石井一久GM兼任監督は「彼の役割はチームを勝たせること。しっかり結果というところを出してくれたので、よかったかなと思います」と振り返った。

 連勝、連敗についての指揮官の分析は実に冷静だった。

「11連勝、4連敗で区切るのではなくて、15試合で区切ったら、選手が頑張って貯金7個つくってくれたところのほうが大事。そこプラス、この勝った負けたの中で、野球がどういうふうにできていたかのほうが大事。そういう意味では集中力をしっかり持って戦ってくれているし、そこはいい意味でちゃんと捉えていくのが大事かなと思います」

 また、連敗中には自らのミスを認める場面もあった。“5月初黒星”を喫し、連勝がストップした11日のロッテ戦(楽天生命パーク)、3回二死一、三塁で打者は三番・浅村栄斗。ここで盗塁を試みた一走の山崎剛が、二塁目前で滑り込むことなくタッチアウトとなった。

「僕のほうから(山崎に盗塁のタイミングを任せる)グリーンライトを出した。あの場面、試合序盤という状況をいろいろ加味しても、あそこでアウトになるのはいけないので。そこは僕の采配ミスというか愚策というか。ちょっとチームに迷惑を掛けたというのはあります」

 選手に高いレベルを求めると同時に、自らの采配への反省も忘れない。「ここから、もう1回しっかりとチームをコントロールしてやっていければ」。勢い任せの戦いでないことが、指揮官の言葉から読み取れる。

勝負はまだ先


打球の行方を目で追う石井GM兼任監督[右から3人目]。調子の波が大きいチームの状態を冷静に見極めている


 連敗中には大きなアクシデントもあった。14日の西武戦(ベルーナ)の7回に登板したブセニッツが、右足のつま先に打球を受けて負傷交代し、翌日に登録抹消となったのだ。石井GM兼任監督は骨折の疑いにも言及。「チームとしては痛い。でも、その中でやっていくしかない。3人くらい(勝ちパターンを任せられる投手が)いれば、勝ち(試合)の中を回していくとか、ローテーション的なところができるんですけど、少し難しくなる」と表情を曇らせた。実際にこの試合ではブセニッツのあとを受けた安樂智大が逆転を許し、「必勝パターン」が崩れた。

 それでも悪いことばかりではない。13日には右太ももの筋損傷で開幕前に離脱していた酒居知史が一軍に戻ってきた。指揮官は「いきなり勝ち試合は難しいけど、登板できるシチュエーションになったときに投げてもらおうかなと思っています」と、状態を見極めながら起用する方針。昨季キャリアハイとなる28ホールドを挙げた右腕の復調具合が、チームに影響を及ぼしそうだ。

 15日現在、2位・ソフトバンクに4ゲーム差をつけて首位を快走する楽天だが、指揮官は「(順位について語るのは)早いですよ。130試合が終わったぐらいでいい」。昨季も終盤に息切れして優勝を逃しただけに、“強さ”の真価が問われるのはもっと先のことだろう。

写真=BBM
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