チームが頂点に立つために外国人選手の活躍が必要不可欠なのは言うまでもない。海を渡ってやってきた男たちは、ここまで機能しているのか。パ・リーグ6球団の外国人選手の働きぶりを100点満点で採点する。 記録は5月16日現在 東北楽天ゴールデンイーグルス
楽天 70点
投手陣では来日7年目(育成時代含む)の
宋家豪、4年目の
アラン・ブセニッツが救援でしっかりと機能している。そして攻撃陣では新たにホセ・マルモレホス、
クリス・ギッテンスと左右の大砲が加入した。マルモレホスは5月に入った時点で打率2割台前半とバットが湿りがちだったが、その後は8試合連続安打をマークするなど調子が上向いてきた。つまり、外国人に関してはギッテンスの離脱だけがマイナス面だ。デビュー戦となった4月5日の
西武戦(楽天生命パーク)の第2打席で空振りした際に左手首を骨折し、前半戦での復帰は絶望的とも言われている。強力打線はまだ完成していない。
福岡ソフトバンクホークス
ソフトバンク 55点
キューバ勢の残留はチームにとって大きかった。
アルフレド・デスパイネこそ故障もあって出遅れたものの、リバン・モイネロはセットアッパーとして、
ジュリスベル・グラシアルは四番として、開幕からチームに欠かせない存在に。ともに昨季は思うような結果を残せなかっただけに、今季に懸ける思いは強い。特にモイネロは、調子が上がらず無期限二軍調整となった守護神・
森唯斗に代わって抑えに座り奮投中。このまま穴を埋める活躍を期待したいところだ。一方で、誤算だったのは新助っ人たち。一軍登板が間近に迫りながら右肩関節炎診察および治療でアメリカに帰国した
タイラー・チャトウッドもさることながら、打撃不振で二軍降格となった
フレディ・ガルビスは完全に想定外だ。メジャーでの実績からするとレギュラー争いにも絡んでくるのではと言われていただけに、1日も早い本領発揮が待たれる。
埼玉西武ライオンズ
西武 60点
今季は助っ人を一新した西武。投手では先発に
バーチ・スミス、ディートリック・エンス、リリーフに
ボー・タカハシ、野手では内野手に
ジャンセン・ウィティ、外野手に
ブライアン・オグレディが加わった。この中でスミス、ジャンセンがケガで離脱中だ。エンスは貴重な先発左腕としてローテーションで回って2勝を挙げているが、球数がかさんでイニングが稼げない傾向がある。ボーは育成が念頭にあり、ビハインドでの登板がメーン。オグレディは現在、出産立ち会いのため一時帰国しているが、主に二、三番を打ち、リーグトップの12二塁打。OPSも同7位の.785とまずまずの成績を残している。5人中、2人が一軍戦力となっていないから、採点は60点くらいか。さらに先週、外野手の
ロマー・コドラド、投手の
ジャシエル・ヘレラとの育成契約を発表した。外国人育成にも力を入れ始めている。
オリックス・バファローズ
オリックス 20点
セットアッパーに定着しつつある
ジェシー・ビドル、クイックに課題を残すも先発ローテーションに入る
ジェイコブ・ワゲスパック、ビハインドの場面で登板する
セサル・バルガスと助っ人投手はまずまずも、思うような働きができていないのが野手だ。ランヘル・
ラベロは2年目に本領発揮が期待されたが、開幕3戦目で本塁打を放つも、その後は快音が聞かれず。新助っ人の
ブレイビック・バレラも左右両打席から広角に放てるバットコントロールが魅力ながら快音が聞かれず、もう1つの武器である複数ポジションを守れる守備面でも適時失策を犯すなど不安を露呈。5月13日に有鉤骨骨折で離脱した。打線も低迷し、早めに手を打ち4月にはジョー・マッカーシーの獲得を発表。5月11日に来日し、14日にはファームで本塁打を放った。起爆剤となるか。
千葉ロッテマリーンズ
ロッテ 30点
助っ人砲コンビの不振が大きく響いている。特に攻撃の起点となるべく爆発を期待したレオネス・マーティンの不振は深刻だ。シーズン初安打は開幕から5試合目で19打席を要し、4月8日のオリックス戦(ZOZOマリン)で初本塁打を放つも、その一発のみ。打率1割台と不振から抜け出せず、
井口資仁監督も「ちょっと考えないといけない」と5月1日には登録を抹消した。12日に再昇格して復調を待つ。ただ、
ブランドン・レアードは徐々に快音が聞かれ始め、5日11日に9試合ぶり四番に復帰し、12日から2試合連続弾。好守が武器の
アディニー・エチェバリアも15日に2本の適時打を放つなど打線に厚みを与えつつある。先発左腕の
エンニー・ロメロ、セットアッパーの
タイロン・ゲレーロも役割を果たしているだけに、助っ人野手の奮起が待たれる。
北海道日本ハムファイターズ
日本ハム 30点
新外国人4選手に、5年目の
ブライアン・ロドリゲス、4年目の
王柏融を加えて6人の助っ人が在籍する。ここまで一軍出場なしは昨季セットアッパーとしてフル回転した
ロドリゲスと新助っ人右腕の
ジョン・ガントのみ。野手では、両打ちのユーティリティーの
アリスメンディ・アルカンタラがチームトップタイの6本塁打と予想外の長打力を発揮しているが、メジャー通算56本塁打の
レナート・ヌニエスは1本塁打、打率1割台と戦前の期待に反して物足りない数字だ。
コディ・ポンセは2試合に先発し5回ずつを投げて防御率5.40。2億4000万の高年俸で加入したガントがベールを脱ぐかが今後の見どころだ。現時点で戦力として機能しているのはアルカンタラのみで、外国人全体の採点は30点といったところか。
写真=BBM