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松原聖弥、廣岡大志、畠世周…巻き返しが期待される「巨人の成長株」たち

 

 巨人で主力として稼働しなければいけない松原聖弥廣岡大志畠世周が不調でファーム降格を経験したのは寂しさを感じる。V奪回へ必要な戦力だけに、今後の奮起に期待したい。

積極性を取り戻して再び一軍へ


今季は打撃不振に陥っている松原


・松原聖弥
今季成績29試合出場、打率.150、0本塁打、3打点、1盗塁
通算成績250試合出場、打率.263、15本塁打、59打点、28盗塁

 最も大きな誤算が松原だろう。一番打者の最有力候補と目されながら、春季キャンプから精彩を欠いてオープン戦も結果を残せず。開幕一軍メンバーには入ったが、スタメン出場の機会にアピールできない。守備固め、代打での起用が続いたが5月8日に登録抹消された。昨季は135試合出場で、チームトップの打率.274をマーク。12本塁打、15盗塁も自己最高の数字だった。難しい球を安打にしてしまう打撃センスはナインにも一目置かれている一方で、攻守の状況判断を課題として挙げられていた。背番号「9」を託した亀井善行外野守備走塁コーチは現役最終試合となった昨年10月23日のヤクルト戦(東京ドーム)後に行われた引退セレモニーでスピーチした際、「聖弥、あんたは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ」と名指しでゲキを飛ばしていた。

 プレーの精度を磨く必要がある一方で、現在の松原はプレースタイルに迷いがあるようにも感じられる。この壁を乗り越えれば、選手としてもう一回り大きくなる。積極性を取り戻し、一軍の舞台で躍動する姿を見たい。

緊急事態のチャンスを生かせず


身体能力の高さを感じるプレーを見せる廣岡だが……


・廣岡大志
今季成績27試合出場、打率.184、0本塁打、4打点、0盗塁
通算成績341試合出場、打率.207、26本塁打、73打点、7盗塁

 二遊間のレギュラーを務める坂本勇人吉川尚輝を欠く緊急事態で、最も期待されたのが廣岡だったがチャンスを生かせない。27試合出場で5失策と守備でミスが目立った。「七番・二塁」で先発出場した5月14日の中日戦(東京ドーム)で、初回に岡林勇希の内野ゴロをさばいたが、送球の際に体勢を崩して転倒。記録は内野安打だったが、アウトを取らなければいけないプレーだった。この拙守が先制点につながると、2回二死の1打席目に中飛に倒れ、3回の守備から途中交代。翌15日に登録抹消された。

 俊足で逆方向の右翼に本塁打を打てるスケールの大きいプレーは身体能力の高さを感じさせる。昨年3月に2度の2ケタ勝利をマークした田口麗斗とのトレードでヤクルトから移籍したが、攻守にプレーの安定感を欠き一軍に定着できない。昨年は78試合出場で打率.189、5本塁打、15打点。今年も好調の時期を持続できない。天性の素質は誰もが認めるだけに、もう一度はい上がってほしい。

求められる精神面のたくましさ


ボールの力強さは十分にある畠


・畠世周
今季成績17試合登板、2勝0敗1セーブ4ホールド、防御率3.93
通算成績108試合登板、18勝12敗1セーブ18ホールド、防御率3.26

 度重なる故障で苦しんでいたが、昨季は先発、救援で自己最多の52試合に登板し、4勝3敗1セーブ11ホールド、防御率3.07をマーク。先発は9試合登板で2勝3敗、防御率4.20に対して救援での成績は43試合登板で2勝1セーブ11ホールド、防御率2.09と抜群の安定感だった。150キロ近い直球、縦に落ちるカットボール、横滑りするスライダーと球を見れば一軍で十分活躍できる。今年はさらなる飛躍が期待されたが、その能力を生かし切れていない。

 開幕からセットアッパーで起用されたが、四球から崩れる場面が目立つ。4月30日の阪神戦(東京ドーム)で3点差を追いかける7回二死満塁から救援登板したが、大山悠輔に押し出し四球、糸井嘉男に2点適時打、8回に山本泰寛に2ランを被弾と阪神打線の勢いを止められず、5月1日に登録抹消。15日に一軍昇格し、17日の広島戦(宇都宮)で9回一死満塁のピンチを招いたが遠藤淳志を遊ゴロ併殺打で無失点に切り抜け、サヨナラ勝ちで今季2勝目が転がり込んできた。自信を持って投げ込めば簡単に打たれる球ではない。今後の活躍へ精神面のたくましさも求められる。

写真=BBM
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