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巨人・吉川尚輝、ヤクルト・青木宣親、広島・野間峻祥…セ・リーグ6球団「交流戦キーマン」は?

 

5月24日から交流戦がスタートする。過去16回の通算成績はパ・リーグが1146勝1015敗71分けと大きく勝ち越しているが、昨年はセ・リーグが49勝48敗11分で2009年以来12年ぶり2度目の交流戦勝ち越し。両リーグの実力は拮抗している。交流戦の戦い方はペナントレースの行方も大きく左右するが、果たしてセ・リーグ6球団の「交流戦キーマン」は?
※記録は5月22日現在

読売ジャイアンツ



 左翼守備と送球に難があるA.ウォーカーがDHに入る場合、代わって誰が左翼を務めるのかにも注目だが、やはり帰ってきた背番号2が打線の中で果たす役割は大きい。一番・二塁で躍動していた吉川尚輝が死球による離脱から復帰を果たすと、原辰徳監督は「やはり穴は大きかったというのが正直なところ」と目を細めた。しかも復帰戦となった5月17日のDeNA戦(宇都宮)では今季初の三番での起用。丸佳浩とウォーカーの新たな一・二番がハマっていることもあるが、「何でもできる」と指揮官が吉川に厚い信頼を寄せているからでもある。斬り込み役からクリーンアップまで、背番号2がどの打順で、どう打線を機能させていくかに注目だ。

東京ヤクルトスワローズ



 4年ぶりの交流戦制覇は、ベテラン・青木宣親の活躍にかかっている。青木は過去10年間で通算打率.322、安打数は歴代5位、現役2位の305本をマークしている(現役1位は西武栗山巧の312本)。昨季も17試合で21安打、3本塁打、打率.344の好成績を収め、交流戦勝ち越しに貢献した。今季は開幕から快音が響かず、打率は.198まで低下。5月に入っても不振の出口が一向に見えてきていない。山田哲人村上宗隆の調子は上向きで、青木のバットに火がつけば、打線はさらにつながりを増していく。得意の交流戦を復調への足掛かりにしたい。

広島東洋カープ



 ようやく一軍に戻ってきた野手キャプテンが、好調なチームをさらにもり立てる。佐々岡真司監督が昨オフ、自覚を促すために重要なポジションを託したのが、野間峻祥だった。これまで以上に気合を入れて挑むシーズン。しかし、開幕から勢いに乗るチームとは対照的に、背番号37の調子は上がらず、4月6日には出場選手登録を抹消された。「情けない思いもあった」。打撃フォームの修正に取り組み、二軍戦で打率.358をマークすると、5月19日に一軍へ。期待されるのは、固定されていない一番だ。20日の中日戦(マツダ広島)、初回に内野安打で出塁してこの回4点の口火を切ると、翌日の同カードでは3年ぶりの1試合4安打。16安打10得点の打線をけん引した。野手キャプテン就任に際し「とにかくワンプレーに必死になってやっていく姿勢など、もう少し自分自身出せていけたら周りもついてきてくれるのかな」と語っていた野間。泥臭く、ガムシャラに。チームにとっては苦手な交流戦だが、今季は自分の働きで違いを見せつける。

中日ドラゴンズ


中日・ビシエド


 中日の交流戦キーマンは開幕から低空飛行を続けている主砲のビシエドになるだろう。凡打が続き、苦笑いするシーンばかりが目立っている。立浪和義監督が「どうしても体が前に突っ込んでしまう」と指摘し続けているが、なかなか修正しきれない。ついに不動の四番がその座を剥奪されたのは5月11日のヤクルト戦(神宮)だった。すぐに四番に戻ったものの、ビシエドのバッドなくして交流戦の優勝、上位進出はない。昨年の交流戦で4位に入ったのも、ビシエドが打率.409と打ちまくったから。首位打者にも輝いているが、2年連続の活躍をファンは期待している。求められるのは、ここぞの場面での一打だ。

横浜DeNAベイスターズ



 ここ数年の不振を払拭する活躍で昨季はキャリアハイの打率.310をマークし、一番に返り咲いた桑原将志。しかし、今季は今一つ調子が上がってこない。開幕直後に新型コロナウイルスに感染して離脱。4月26日に一軍合流したが、思うようにボールを仕留め切れない打席が多く、打率は伸び悩む。昨季の交流戦では打率.295と一番打者として交流戦3位となったチームをけん引した。新型コロナから復帰予定の石田健大濱口遥大ら先発投手もキーマンであることに違いはないが、リードオフマンの出塁はチーム全体に勢いをもたらす。桑原のバットが交流戦でDeNAが巻き返しを図るカギを握っている。

阪神タイガース



 クリーンアップを打つこの男の出来により交流戦の戦い方が変わってくるはずだ。5月20日の巨人戦(甲子園)で負けはしたが9回裏に同点2ランを放ち、勝負強さを取り戻そうとしている。昨季の交流戦では一番の近本光司、二番の中野拓夢がそれぞれ21安打を放った。そして現在、四番に座る佐藤輝明が6本塁打を記録。大山とともに上位を打つ3人とも打撃は上向きだ。そこで大山がどれくらい打点を挙げられるかで、勝敗が決まってくる。投手陣はパ・リーグの各チームの投手陣にひけを取らないだけに、大山の働きが重要になってくる。

写真=BBM
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