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巨人に強い阪神 最下位低迷も「交流戦でまだ十分に巻き返せる」の指摘が

 

交流戦白星スタート


交流戦初戦の楽天戦は1点を継投策で守り切った[写真はセーブを挙げた岩崎]


 交流戦が5月24日から開幕した。阪神は甲子園でパ・リーグ首位の楽天と対戦。難敵・田中将大に5回まで無得点に抑えられたが、6回二死二塁から大山悠輔の中前適時打で先制。先発の西勇輝が7回途中まで無失点と好投すると、それ以降は渡邉雄大アルカンタラ湯浅京己岩崎優の継投策で逃げ切った。

 就任4年目の矢野燿大監督が今年限りでの退任を明言し、17年ぶりのリーグ優勝を目指したが、春先から試練が待ち受けていた。開幕9連敗を喫するなど4月中旬に3勝19敗1分の借金16と想定外のどん底状態に。4月24日のヤクルト戦(神宮)から今季初の6連勝を飾ったが、ふくらんだ借金はなかなか返せない。ただ、最下位に低迷しているが、巨人戦だけは7勝5敗と他球団との対戦で唯一勝ち越している。5月22日の同戦(甲子園)で2年目左腕・伊藤将司がプロ初の完封勝利を飾るなど、交流戦前最後のカードも勝ち越した。

 投手陣は他球団に見劣りしない。4月22日のヤクルト戦(神宮)から21試合連続3失点以下で球団記録を更新。5月20日の巨人戦(甲子園)で6失点したが、21、22日の同戦は1失点、完封勝利ときっちり抑えている。一方で打撃陣は貧打が深刻だ。ジェフリー・マルテが春先から故障で戦線離脱した影響もあり、145得点はリーグ5位だ。

「低迷の原因は貧打であることは明らかです。ただ巨人戦での健闘ぶりを見ても戦力差が大きいわけではない。交流戦でまだまだ十分に巻き返せると思います」(スポーツ紙記者)

OB岡田氏は「打線の軸は動かさない」


 球団OBの岡田彰布氏は5月上旬に週刊ベースボールのコラムで阪神のチーム再建策について、以下のように提言している。

佐藤輝明の打順を固定するべき。結果が出ないから、動きたくなる気持ちは分かる。しかし試合の中の動きと、四番を動かす意味はまったく違う。開幕四番を佐藤輝でスタートさせたわけよ。これは今シーズン、四番は佐藤輝でいく! という宣言やったはず。それが、チームが勝てないからといって二番、三番に変更した。四番が二番に? 果たして巨人が岡本(岡本和真)を二番に変えるか。ヤクルトが村上(村上宗隆)を二番に置くか。四番と決めた限りは四番で押し通す。やはり打線の軸は動かさない。それくらいの気概で臨むべき……とオレは見ている」

「さらに動くという点においては、ベンチがチームを動かさねばならない。それは攻めも守りも同様に、である。機動力を使うなら、徹底的にベンチが仕掛けていき、守りでも攻めの対応が必要なのだ。選手任せでは現状を打破できない。ここまでは先発が好投すれば何とか勝てる。打線が格下投手を打てば勝てる。そんなパターンしか勝つケースが見当たらない。そうではなく、あらゆる手を尽くして勝てる道を探る。例えば勝てると判断すれば、力のある投手をドンドンつぎ込み、確実にものにすることよ」

昨季の交流戦で活躍した佐藤輝


今季も佐藤輝は交流戦で打撃が爆発するか


 昨季の交流戦では11勝7敗と12球団で2位に。優勝を飾ったオリックスに及ばなかったが、貯金を増やして首位を快走した。活躍が目立ったのがルーキーだった佐藤輝だ。5月28日の西武戦で長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりとなる新人の1試合3本塁打をマーク。交流戦で6本塁打を放ち新人最多記録を塗り替えた。

 後半戦に打撃不振でファーム降格を味わうなど好不調の波が激しかったが、「不動の四番」として期待された今年はコンスタントに打ち続けている。チーム事情で二番、三番で起用されることがあったが、5月7日の中日戦(バンテリン)以降は四番で13試合連続スタメン出場している。今年の交流戦も打棒が爆発するか。打線を活気づかせるためにもポイントを握る存在になりそうだ。

写真=BBM
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