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高橋周平、根尾昂、三ツ俣大樹…中日の「正遊撃手」の座をつかむのは?

 

 中日が正念場を迎えている。一時は貯金を最多の3に伸ばして好位置につけていたが、5月17日のDeNA戦(バンテリン)から今季ワーストの7連敗。26日の西武戦(バンテリン)で6対3と快勝したが、苦しい戦いが続いている。立浪和義監督も局面を打開しようと必死だ。京田陽太が精彩を欠いて5月5日にファーム降格すると、三ツ俣大樹が遊撃を守っていたが、二塁を守っていた高橋周平を交流戦から2014年以来8年ぶりに遊撃に抜擢した。外野から遊撃に再コンバートされた根尾昂を含めて熾烈な定位置争いが繰り広げられそうだ。
※成績は5月26日現在

シュアな打撃の復活を


高橋周はバッティングで存在感を見せつけたい


・高橋周平
今季成績 23試合出場、打率.250、1本塁打、7打点、0盗塁
通算成績 848試合出場、打率.261、54本塁打、321打点、7盗塁

 チームの主力として支え続けてきた高橋周だが、レギュラーの座は保証されていない。三塁を守っていたが、石川昂弥を起用する方針で今年から二塁にコンバート。さらに、京田の登録抹消を受けてレギュラー不在の遊撃で起用されることになった。

 最も期待されるのは打撃だ。主将に就任した2019年は117試合出場で打率.293、7本塁打、59打点。20年は108試合出場で打率.305、7本塁打、46打点をマーク。アベレージヒッターとして生きる道を見つけ、三塁の守備でもゴールデン・グラブ賞を2年連続受賞したが、昨年は悔しいシーズンになった。137試合出場で打率.259、5本塁打、39打点。得点圏打率.190と好機でブレーキになることが多かった。

 立浪監督が就任し、期する思いが強かった今年だったが左足首の捻挫で出遅れて開幕二軍スタート。4月29日に一軍登録されると二塁だけでなく、石川昂が新型コロナウイルス感染で戦線離脱した際は三塁に回り、交流戦から遊撃と内野で3つのポジションを守っている。5月26日の西武戦(バンテリン)で4回に左翼線適時二塁打、6回に中前適時打を放つなど今季初の猛打賞の活躍。遊撃で不慣れな部分はあるが、チームの力になりたい思いは強いだろう。中心選手としての活躍が期待される。

投手デビューも話題に


5月21日の広島戦でマウンドに上がった根尾だが、遊撃への思いも強い


・根尾昂
今季成績 19試合出場、打率.212、0本塁打、4打点、0盗塁
通算成績 102試合出場、打率.172、1本塁打、20打点、0盗塁

 プロ4年目。念願の遊撃の定位置獲りへ大きなチャンスを迎えているのが根尾だ。大阪桐蔭高で投打の二刀流として活躍したが、プロ入団後は遊撃にこだわった。京田の壁は厚く、立浪監督の方針で昨年の秋季キャンプで外野にコンバートになったが、京田の不振を受けて5月上旬に遊撃へ再コンバートされた。

 打撃で試行錯誤していたが速い球を引っ張れるようになり、下半身にも粘りが出て緩急にも対応できているようになってきた。外野での強肩が目を引くが、遊撃で試合に出たい思いは心に秘めているはずだ。

 投手でデビューしたことも話題になった。5月21日の広島戦(マツダ広島)で9点ビハインドの8回に登板すると、15球ほぼ直球で最速150キロを計測するなど1回1安打無失点の好投。間違いなく非凡な野球センスを持っているだけに、立浪監督がどのように起用するか注目される。

チームのムードメーカー


打撃では小技もきっちりとこなす三ツ俣


・三ツ俣大樹
今季成績 15試合出場、打率.231、0本塁打、1打点、0盗塁
通算成績 187試合出場、打率.190、2本塁打、18打点、0盗塁

 ユニフォームを泥だらけにして必死にプレーする姿から、野球に対する思いが伝わってくる。プロ12年目で30歳の三ツ俣。修徳高では投打の二刀流として活躍し、ドラフト2位でオリックスに入団。内野手一本で勝負して2014年途中にトレードで中日に移籍したが、ファームで過ごす時間の方が長かった。

 だが、チームのムードメーカーはベンチで声を張り上げ、下を向くことがなかった。昨年はプロ入り最多の58試合出場して打率.222、1本塁打、11打点。二塁、三塁、遊撃と内野のどこでも守れるユーテリティープレーヤーで犠打など小技もきっちりこなす。今季は京田と入れ替わる形で5月5日に一軍昇格すると、同日のDeNA戦(横浜)に「八番・遊撃」で即スタメン出場し、2本の二塁打を放った。交流戦から高橋周が遊撃でスタメン出場しているが、もう一度奪い返したい。

写真=BBM
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