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大勢、長岡秀樹、岡林勇希、湯浅京己…セ・リーグ6球団「成長度No.1」の若手は?

 

開幕してから約2カ月以上が経過したセ・リーグ。現在は交流戦の真っ最中だが、果たして開幕前の期待以上に戦力となっている若手はいるのか。セ・リーグ6球団で「成長度No.1」の若手選手をピックアップする。
※記録は5月27日現在

読売ジャイアンツ



 巨人は早々と絶対的クローザーの座に収まった大勢をおいてほかにいない。開幕前は中継ぎと先発の両にらみの調整からチーム事情によって中継ぎ起用が決まり、開幕直前になって昨季の抑えだったT.ビエイラの不振で守護神に抜てき。開幕戦でいきなりセーブを挙げると、ここまでリーグトップの18セーブを挙げている。首脳陣は3連投を避ける起用を徹底している中でも着実にセーブを積み上げ、新人ということを抜きにしてもチームにおける貢献度はトップクラスだ。シーズンに入ってから自己最速を更新する159キロをマークし、しっかり抑えたあとでも反省の弁を口にするなど伸びしろはまだまだ十分。このまま成長を続ければ、球界を代表するクローザーになってもおかしくない。

東京ヤクルトスワローズ



 48試合を消化した時点で全試合先発出場。ショートの定位置をつかんでいるのが高卒3年目の長岡秀樹だ。過去2年は一軍出場が11試合のみで、ファームで経験を積んできた。今季は初の一軍キャンプから、オープン戦で結果を残し開幕スタメンを勝ち取った。開幕当初は大事な場面でエラーを喫するなど不安定なプレーもあったが、高津臣吾監督が辛抱強く起用し続けたこともあり、今では攻守で存在感を発揮している。5月に入ってプロ初本塁打を放つなど、月間打率3割超え、守備でもファインプレーも連発中。目標は全試合出場だが、目の前の試合に全力で挑んでいく。

広島東洋カープ



 主砲・鈴木誠也が抜けたとあって、若手の台頭は必須。ルーキーでは黒原拓未(投手/ドラフト1位)、松本竜也(投手/同5位)、中村健人(外野手/同3位)、末包昇大(外野手/同6位)が開幕一軍をつかんだ。ただ、成長は見せているものの、レギュラー陣を脅かすにはまだまだ。今後の爆発力に期待したい。レギュラー陣では、5年目の坂倉将吾、4年目の小園海斗が、昨季とはまた違った一面を見せている。坂倉は新たに挑戦した三塁で出場を増やす一方、會澤翼が不在だった際には第一捕手として巧みなリードを披露。また、小園は開幕からしばらく打撃不振で壁にぶつかりながらも、5月に入ってエンジン全開。結果を出すことの難しさを経験したからこそ、今後に生きてくるものがあるはずだ。成長という意味では、先発ローテーション投手最年少の遠藤淳志(5年目)も、プロ初完封を逃した悔しさを糧に、次の試合、6回1/3、2失点と仕事を果たした。さらなる成長への期待度はNo.1と言えるだろう。

中日ドラゴンズ



 プロ3年目の背番号60、岡林勇希がここまで全試合出場を続けている。入団と同時に投手から野手に転向したことを考えれば、その成長ぶりには驚くばかりだ。今や俊足巧打の外野手として立浪ドラゴンズに欠かせない存在に。開幕直前に右手薬指を負傷。医者からは手術を勧められたが、そうなれば少なくとも半年は棒に振る。開幕戦出場に踏み切って猛打賞。今季のブレークを予感させる活躍だった。ただ、まだ体力、好不調の波が大きい点など課題は多い。「とにかく試合に出る、出続けることが一番です」と言う岡林がチームに勢いをつけ、レギュラーの座を不動のものにしようとしている。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA入江大生[左。右は牧秀悟]


 ルーキーイヤーの活躍があるので、牧秀悟をここで取り上げるのはふさわしくないだろう。その牧と同期入団のドラフト1位右腕・入江大生がリリーフで立場を築こうと必死で腕を振っている。昨季は右ヒジのクリーニング手術をするなどチームの戦力となれなかっただけに、今年に懸ける思いは強かった。開幕前にリリーフに転向すると、150キロを超える速球が短いイニングで輝きを放った。序盤に見られた球のバラつきは徐々に修正され、5月5日の中日戦(横浜)では2イニング無失点の好投でプロ初勝利。牧と一緒にお立ち台に上がった。ここまで14試合に投げ1勝0敗1ホールド、防御率5.82。もっと成長できるはずだ。

阪神タイガース



 ここまで21試合に登板し防御率0.90。リーグ2位の14ホールドも記録。特に最近は8回のセットアッパーを任せられているのだから、阪神には欠かせない存在となっている。22歳の湯浅京己だ。入団してから腰の故障を三度も味わいながら、はい上がってきた。今季はそのポテンシャルを矢野燿大監督に見いだされ、一軍の春季キャンプに参加。オープン戦で結果を残し一軍の中継ぎとして起用されている。持ち味は伸びのある真っすぐと緩急差の大きいチェンジアップ。湯浅自身は「軽く投げている感じで、強い球を投げたい」とこだわりを持っている。投げるたびに成長を見せてくれるだけに、どれくらいホールド数を挙げるか楽しみだ。

写真=BBM
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