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【エース採点】佐々木朗希90点、田中将大75点、山本由伸85点…パ・リーグ6球団「先発エース」の現状は?

 

開幕から2カ月半が経過したペナントレース。各チームは日程の1/3以上を消化しているが、果たして先発エースはしっかりと働くことができているか。その出来がチーム浮沈のカギを握る存在。パ・リーグ6球団のエースを100点満点で採点した。
※記録は5月30日現在

千葉ロッテマリーンズ


3年目の今季、大きな飛躍を遂げている佐々木朗


佐々木朗希 90点

“令和の怪物”こと佐々木朗希が着実にエース近づいている。4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合を達成し、同17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でも8回をパーフェクトに抑える快投。最速は自己記録を1キロ更新する164キロをマークし、フォークも150キロに迫るなど、スピードで打者を圧倒し続けている。いまだ負けなし、白星はリーグトップタイの5勝、防御率も同トップの1.33と、圧巻の数字を並べる。果たして、シーズン後にどんな成績を残しているのか。楽しみはふくらむばかりだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス


日本球界に復帰して2年目の田中将


田中将大 75点

 日本球界復帰1年目の昨季は4勝9敗というまさかの結果に終わった。それでも今季は持ち味を発揮し、ここまで8試合に登板してクオリティスタート(6投球回以上で自責3以下)を逃したのは1試合のみ。だが、打線の援護に恵まれないのは相変わらずで、4勝3敗と思うように結果につなげられていない。5月24日の阪神戦(甲子園)でも相手エース・西勇輝との緊迫した投げ合いを見せたが、6回に大山悠輔に適時打を許して0対1で敗戦投手に。我慢の時はしばらく続きそうだ。

福岡ソフトバンクホークス


一軍復帰後に千賀は再び圧巻を投球を見せていくはずだ


千賀滉大 75点

 開幕前、千賀滉大は「圧倒的なキャリアハイ」を目標に掲げた。チームだけでなく球界を代表するエースへと上り詰めるも、千賀本人は特別な意識はなく、ただ自分の役割を果たすのみ。投げる以上は、チームに勝利を――。その思いは変わらない。開幕戦から6試合は、クオリティスタート(6投球回以上で自責3以下)どころか、ハイクオリティスタート(7投球回以上で自責2以下)率100パーセントという圧巻の投球。強い思いはボールにも乗り移り、5月13日の日本ハム戦(札幌ドーム)では自己最速を更新する164キロをマークした。連敗を喫し、現在は右ヒジの張りで出場選手登録を抹消されてはいるものの、藤本博史監督は「予定どおり、名古屋の頭(6月3日)で行きますよ」。リスタートから再びエースらしい圧巻の投球で、チームを引っ張っていく。

オリックス・バファローズ


リフレッシュ後に安定感を取り戻した山本


山本由伸 85点

 4月19日のソフトバンク戦(京セラドーム)でシーズンをまたいだ自身の連勝は18で止まった山本由伸。5月3日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で、柳田悠岐に自身初の満塁弾を浴びて6回途中7失点で負け投手にとなると、リフレッシュの意味合いで一度登録抹消された。だが、再昇格後に連勝と安定感とゲームメーク能力は健在。再昇格した5日14日のロッテ戦(京セラドーム)、同21日に楽天戦(楽天生命パーク)で勝利投手となり、リーグトップタイの5勝。28日の中日との交流戦(京セラドーム)では同点に追いついた直後に勝ち越しを許して3敗目を喫した。悔しさをバネにさらなる飛躍へ。再び連勝街道を歩み、交流戦&リーグ連覇に向かって腕を振る。

埼玉西武ライオンズ


防御率は2.14だが、貯金を稼げていない高橋


高橋光成 75点

「今年早々から決めていた」と辻発彦監督は明かした。今季の開幕投手は2年連続で高橋光成に。キャンプ中に大役を任せることを発表した。昨季はチームトップの11勝をマーク。指揮官が背番号13をエースとしての存在を認めたからこそだった。開幕戦は7回2失点で負け投手になったが、その後も先発ローテーションを外れることなく腕を振り続けている。平均投球回はチームトップの6.73回。平均投球数も106.7とチームで唯一100球を超えている。防御率も2.14を誇り、まさにエースとしての先発陣をけん引していると言えるが、勝敗を見ると4勝4敗。貯金を稼ぐことができていない。打線との巡り合わせが悪く、5月27日のDeNA(ベルーナ)では7回4安打1失点も、打線が抑え込まれ得点はゼロ。0対1で4敗目を喫したが、このような試合でも負けない投球が望まれる。厳しい要求をクリアして、大エースへの道を歩んでもらいたい。

北海道日本ハムファイターズ


5月27日の巨人戦で完投勝利を飾り捕手の宇佐見真吾と抱き合う上沢


上沢直之 70点

 札幌ドームでの開幕試合以降4月30日まで、6試合に先発し勝ち星なしの4敗。上沢直之の今季は苦しい船出となったが、5月に入ると本来の投球を取り戻した。4点台後半だった防御率は2.81まで上昇。5月は月間防御率0.58、無傷の4連勝と絶好調だ。5月27日の巨人戦(札幌ドーム)では、3安打2失点で今季初完投を飾った。5回、万波中正の失策により連続無失点は22回で止まったが、責任を感じる後輩に「大丈夫、俺に任せろ」と魂の粘投。さらに前カードのヤクルト戦(神宮)の死闘でフル回転したリリーフ陣を休ませようと完投を直訴、エースの心意気あふれる勝利となった。上沢の復調とともにチームも5月は借金なし。エースの快進撃が続けば最下位脱出も見えてくる。

写真=BBM
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