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オコエ瑠偉、伊藤大海、柳町達…パ・リーグ6球団 「1997年世代」の現在地は?

 

1997年4月2日から98年4月1日生まれの「1997年世代」。高卒であれば2016年にプロ野球のユニフォームを着て、今年が7年目のシーズンとなる。すでに一軍戦力となっている選手、今季に飛躍を懸ける選手と、立場はそれぞれだ。果たして、パ・リーグ6球団の「1997年世代」の現在地は?
※記録は6月3日現在

東北楽天ゴールデンイーグルス



 1997年世代は高卒の2016年入団組では1位のオコエ瑠偉、4位の堀内謙伍、7位の村林一輝の3人がおり、大卒の20年入団組では3位の津留崎大成、5位の福森耀真(22年から育成)、そして21年に育成1位で入団した石田駿と計6人が在籍している。ドライチのオコエは関東一高時代に甲子園で活躍。将来性を期待されたが、度重なるケガもあり伸び悩んでいるのが現状だ。昨オフに左ヒザ関節軟骨欠損症の手術を受けた影響で出遅れていたが、4月下旬に二軍で実戦復帰を果たすと、3試合目に初本塁打をマーク。まだ打席数は少ないが4割超の打率を残しており、一軍昇格へ必死にアピールを続ける。

北海道日本ハムファイターズ



 日本ハムの1997年世代は8人いるが経歴は実にさまざま。2020年入団の望月大希梅林優貴片岡奨人宮田輝星が大卒3年目組で、鈴木健矢は高校から社会人を経てのプロ入り。高卒7年目の姫野優也は21年には育成契約となり外野手から投手に転向した。今季独立リーグから入団した育成2位ルーキー・速水隆成も同学年。多彩な顔ぶれがそろうが、1997年世代最大の出世選手は2年目の伊藤大海で間違いない。1年目から先発の一角として10勝を挙げ、今季もすでに5勝をマーク。球宴のファン投票中間発表でも投手部門3位に食い込んだ。昨季新人初の2冠(防御率&勝利)を獲得しゲンの良かった交流戦は、6月2日の広島戦(マツダ広島)で右すねに打球を受けて無念の降板となったが、今後も先発ローテーションを担う右腕にかかる期待は大きい。

埼玉西武ライオンズ



 外野の一角をつかみつつあるのが愛斗だ。昨季、キャリアハイの97試合に出場。飛躍への足掛かりをつかみ迎えた今季は、開幕スタメンを奪取した。しかし、打撃が振るわない。3・4月は打率.137。スタメンを外れる試合も増えていったが、5月に盛り返した。バットを短く持つようになるとコンタクト率が上がり、5月は打率.317をマーク。好調さを買われ、しばしば三番を打つようにもなった。首脳陣からは「外野手の柱になってほしい」と言われ、本人も自覚を持って取り組んでいる。守備力の高さには定評があるだけに、打撃の覚醒が続けばレギュラーの座を確保するだろう。ほかに1997年世代では捕手の柘植世那、内野手の平沼翔太、育成投手の出井敏博が名を連ねる。さらに外国人だが5月に育成で入団した投手のジャシエル・ヘレラ、外野手のロマー・コドラドも同世代だ。

千葉ロッテマリーンズ



 高卒ドライチで2016年に入団した平沢大河が、1997年世代の先を行っていたが、大卒、社会人出のメンバーが着実に成長して戦力に。特に大卒3年目を迎えた佐藤都志也が頭角を現している。本職の捕手でスタメンマスクを増やし、ドライチ新人・松川虎生との併用も、打力を買われて一塁での出場も。四番に座ることもあり、打撃を武器に存在感を示している。投手でも、2年目の河村説人が5月から先発ローテーション入り。新人年の昨季途中から先発に回り、きっちり試合をつくる安定感を見せている。廣畑敦也八木彬の両新人も登板を重ねるなど多士済々の1997年世代がチームの顔となるべく、成長を遂げていく。

福岡ソフトバンクホークス



 今季開幕先発ローテーション入りし定着を狙う杉山一樹大関友久らもいる1997年世代の中で、着実に成長を見せているのが柳町達だ。開幕こそ二軍で迎えたが、その二軍戦7試合で22打数11安打と結果を残すと、故障離脱した栗原陵矢に代わって一軍昇格。4月23日の日本ハム戦(札幌ドーム)から12試合連続安打を記録するなど、一番の武器であるバッティングで存在感を示している。栗原に続き、5月18日には上林誠知も長期離脱を余儀なくされた外野陣の中で、首脳陣の背番号32に対する期待度は大きい。多少の調子を崩しても自らのバッティングを貫き、スタメン出場を続けると、5月31日の巨人戦(東京ドーム)で5打席立って規定打席到達。打率リーグ3位に躍り出た(6月3日現在、打率.311)。「このまま試合に出続ける」とあまり大きなことは口にしないが、その先にはしっかりとレギュラー奪取を見据えている。

オリックス・バファローズ



 1997年世代に富山凌雅、吉田凌村西良太横山楓と救援投手が並ぶ中で昨季、チーム最多登板となる51試合でマウンドに上がったのが富山だ。力のある直球を軸にスライダー、フォークを交えて強気に打者に立ち向かい、救援左腕としてブルペンを支えた男は、2年連続のチーム最多登板を目指して今季もスタート。ただ、調整不足で出遅れてここまで8試合登板にとどまり、防御率11.05と本領発揮には至っていない。中継ぎの層が厚みを増す中で、吉田凌、村西、横山も虎視眈々と登板機会をうかがう。1997年世代、唯一の野手である大下誠一郎も一軍定着には至っていない状況だが、いずれも秘めるポテンシャルは確かだ。存在感を示して、誰が出世頭となるか。

写真=BBM
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