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大勢、黒原拓未、ブライト健太、小園健太…セ・リーグ6球団 「ドラフト1位」の現在地は?

 

開幕して2カ月半が経過したペナントレース。果たして今季、ドラフト1位で入団した期待の選手たちは、現在どのような状況にあるのか。セ・リーグ6球団の「金の卵」たちの現在地を探る。
※記録は6月6日現在

読売ジャイアンツ



 圧倒的な新人王候補で、チームがリーグ優勝ということになればMVP候補に名前が挙がるだろう。開幕直前にクローザーに抜てきされると、周囲の想像以上の投球で期待に応えている大勢。ここまで24試合に登板して失敗はわずかに1。早くも20のセーブを積み重ね、中継ぎ陣に不安が残る中で「大勢につなぐ」という明確な指針があることは大きい。スリークオーター気味の変則フォームから繰り出される最速159キロのストレートの威力は抜群で、ナチュラルに変化することもあって打者は簡単には対応できていない。フォーク、スライダーとのコンビネーションも絶妙。これからも「ジャイアンツの守護神」として9回に君臨し続けるはずだ。

広島東洋カープ



 即戦力の期待どおり、春季キャンプから持ち味の力強い投球を見せ、開幕一軍を勝ち取った黒原拓未。ただ、開幕してからは、やはりプロの壁にぶつかった。3月29日の阪神戦(マツダ広島)のプロ初登板からゼロを並べ、4月8日の阪神戦(甲子園)でプロ初ホールドをマークしたものの、自身初の回またぎとなった21日の巨人戦(東京ドーム)で2失点。その後も立て直すことができず、失点を重ね、5月5日に出場選手登録を抹消された。降格前、最後の試合(4日の巨人戦、マツダ広島)では吉川尚輝への死球、その死球により吉川尚が一時故障離脱しただけに、精神面での復調も求められる左腕。心身ともにしっかりと立て直して、一軍復帰が待たれる。

中日ドラゴンズ



 即戦力のスラッガーとして上武大から入団。春季キャンプは主に一軍で過ごし、開幕一軍入りも期待されていたが、力不足で二軍スタート。3月25日のウエスタン・阪神戦(ナゴヤ)には出場したものの、すぐに右肩痛に悩まされてリハビリ組に。また4月下旬には左足裏の肉離れに見舞われ、この2カ月は実戦から遠ざかっていた。久しぶりの実戦となったのは5月31日のウエスタン・ソフトバンク戦(ナゴヤ)。7回に代打で登場して三振を喫したが、力強いスイングを見せた。「やっとスタートラインに立てた」とブライト。6月2日の同カードでは初安打をマーク。ドラフト2位の鵜飼航丞が一軍で活躍しているだけに、少しでも早く追いつきたいところだ。

東京ヤクルトスワローズ



 完全復活へ向けて一歩ずつ階段を上る。身長188センチ、体重100キロの大型左腕・山下輝は昨秋に左尺骨を疲労骨折した影響でいまだ実戦登板はなし。ただ、春季キャンプからキャッチボールをすでに開始しており、戸田球場で練習に励んでいる姿を見ると、リハビリも順調と思われる。チームは先発ローテーションが充実。左腕も高橋奎二アンドリュー・スアレス石川雅規とそろっているため、焦る必要もない。期待の即戦力ではあるが、ブルペン入り、実戦登板とステップを踏んでいくことがまずは求められる。

横浜DeNAベイスターズ



 高卒ルーキーながら三浦大輔監督が現役時代に背負った「18」を与えられるなど期待のドライチ右腕、小園健太はファーム施設「DOCK」でトレーニングに励んでいる。まだイースタンでの実戦登板はなく、基本的にファームの試合にも帯同していない。春季キャンプでは今永昇太ら一流投手のレベルを肌で感じさせるため、異例の一軍帯同となった。ブルペンに入り、指揮官は「注目される中で、いいボールを投げていた」と小園の素材の良さを再認識。とはいえ、キャンプ終了後にはファームに合流し、球団の方針に従って体づくりに専念する。現在は主にフォーム固めに時間が割かれているようだ。

阪神タイガース


阪神・森木大智


 しっかりとプロとしての体力強化を図りながら、プロのマウンドでも経験を積んでいる。今季、ここまでウエスタン公式戦5試合に登板している。そのうち2度、先発マウンドへ。5月15日のソフトバンク戦(鳴尾浜)では二番手で中継ぎ登板。中9日となった5月25日の広島戦(鳴尾浜)では2度目の先発で6回を投げ、3安打8奪三振無失点で6対0の勝利に貢献し初勝利も飾った。初回に無死一、二塁のピンチを招くも併殺に取り、二死からは自己最速タイの155キロの真っすぐで空振り三振に仕留めた。ここまでは順調に成長を見せている。一軍先発陣が充実しているだけになかなかチャンスはないかもしれないが、その分ファームでレベルアップしていくのみだ。

写真=BBM
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