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最下位に低迷する中日 高橋周平、大島洋平、ビシエド…「上位浮上のキーマン」たち

 

 中日が踏ん張りどころを迎えている。6月12日の日本ハム戦(札幌ドーム)に0対2で6連敗。22イング連続無得点と本塁が遠い。6回二死満塁の好機を生かせず、2試合連続、交流戦6度目の零封負け。8回2失点と好投した柳裕也を援護できず、今季ワーストの借金8にふくらんだ。最下位からの巻き返しへ打線の奮起が不可欠だ。高橋周平大島洋平ビシエド……主力打者たちの活躍がカギを握る。
※成績は6月12日現在

打撃の方向性を定めて


今季も打撃で苦しんでいる高橋


※高橋周平
今季成績 38試合出場、打率.236、1本塁打、7打点、0盗塁
通算成績 863試合出場、打率.261、54本塁打、321打点、7盗塁

 下位打線を打つことが多い現状が寂しい。三塁の守備でゴールデン・グラブ賞を2年連続受賞したが、昨年は137試合出場で打率.259、5本塁打、39打点。得点圏打率.190と振るわず、今季は石川昂弥が三塁に入り高橋は二塁にコンバート。さらに、京田陽太の登録抹消を受けてレギュラー不在の遊撃で起用されたが、石川昂が左ヒザ前十字靱帯不全損傷で長期離脱した5月下旬以降は昨季まで守っていた三塁でプレーしている。

 打撃の方向性を模索しているように見える。東海大甲府高では高校通算71本塁打をマークし、スラッガーとしての期待が大きかったが、紆余曲折を経てアベレージヒッターに特化。20年は108試合出場で打率.305、7本塁打、46打点を記録したが、昨季の打撃不振で長打を狙う打撃に変更するのか分岐点に立っている。持っている能力は高い。28歳とまだまだ伸び盛りの選手だけに、輝く姿を見たい。

チャンスメーカーとして不可欠


安打を積み重ねるベテランは2000安打も視野に


※大島洋平
今季成績 41試合出場、打率.284、1本塁打、7打点、1盗塁
通算成績 1613試合出場、打率.289、34本塁打、359打点、250盗塁

 36歳の安打製造機はチャンスメーカーとして不可欠な存在だ。昨季まで10年連続シーズン100安打以上、5度の打率3割超えと実績は抜きん出ている。2019年に174安打、翌20年に146安打で2年連続最多安打のタイトルを獲得。昨年も160安打を積み上げた。

 立浪和義新監督の信頼も厚く、野手キャプテンに就任した今年は春先から絶好調。3、4月は打率.354をマーク。だが、4月27日の阪神戦(甲子園)で右ヒザに死球を受けて途中交代。打撲で登録抹消され、5月20日に一軍復帰したが31日の楽天戦(バンテリン)から4試合連続無安打で打率.272まで落とすなど快音が聞かれなくなった。心配の声が上がったが、最近5試合では3度のマルチ安打と調子を上げている。通算1796安打と名球会入りも視野に入ってきた。まだまだ活躍してもらわなければ困る選手だ。

6月に打撃上昇の助っ人


広角に鋭い打球を飛ばす力が戻ってきたが……


※ダヤン・ビシエド
今季成績 62試合出場、打率.271、7本塁打、26打点、1盗塁
通算成績 785試合出場、打率.291、125本塁打、487打点、15盗塁

 在籍7年目の主砲がチームの命運を握っている。今季は5月上旬まで2割台前半と調子が上がらず四番を外れたこともあったが、6月に入ると10試合連続安打、4試合連続二塁打を放つなど37打数13安打、打率.351、1本塁打、6打点と鋭い打球が戻ってきた。しかし、6月12日の日本ハム戦(バンテリン)で7回の守備から交代。以前脱臼した肩にしびれが出たという。

 長距離砲が少ないため本塁打の期待が大きいが、ビシエドの本来の打撃スタイルはライナー性の打球を広角に射貫く中距離打者だ。2018年に打率.348、26本塁打、99打点で首位打者と最多安打(178本)のタイトルを獲得。19年も打率.315、18本塁打、93打点をマークし、リーグトップの二塁打43本をマークしている。その打撃はチームに欠かせないだけに、リーグ戦再開後も元気にプレーできることを祈りたいが……。

写真=BBM
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