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高橋由伸、今岡誠、石井琢朗、青木宣親…セ・リーグ6球団 2000年代「最強一番打者」は?

 

これまでさまざまな打者がトップバッターとして打線をけん引してきたが、果たして2000年から09年の間で最も印象に残る一番打者は誰か。セ・リーグ6球団で「2000年代」最強の一番打者を探る。

読売ジャイアンツ



 2000年代は仁志敏久清水隆行などが斬り込み役を担ってきたが、特大のインパクトを残したのが07年の高橋由伸だ。原辰徳監督は横浜との開幕戦(横浜)で高橋を「一番・右翼」で起用すると、相手先発・三浦大輔が投じた初球を一閃。打球は右翼席へ飛び込み、セ・リーグ初の開幕初球先頭打者本塁打となった。この年、この一発を皮切りに現在も最多記録として残る9本の先頭打者弾を放っている。最終的に打率.308、自己最多の35本塁打、さらにこちらもキャリア最多の66四球で出塁率.404をマーク。最強の一番打者がけん引役となり、チームは5年ぶりのリーグ優勝を果たした。

阪神タイガース



 イメージ的にはルーキーイヤーの2001年から5年連続盗塁王に輝いた赤星憲広が2000年代の“最強一番”として圧倒的な支持を集めるはずだ。しかし、最強という意味では03年に一番を務め、打率.340をマークして首位打者を獲得した今岡誠(現・真訪)を推したい。この年放った12本塁打中7本が先頭打者本塁打。さらに得点圏打率も.428という高い数字を残して1985年以来、18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。02年にも一番を打っており、最強のトップバッターとして十分な成績を残している。

広島東洋カープ



 機動力が売りのチームにあって、重要度の高い一番打者。2000年代は1度もAクラス入りすることなく球団史においては苦しい時期だったが、リードオフマンに共通するのは俊敏性だ。中でも木村拓也、東出輝裕といった存在が際立った。もともと00年には一番・木村、二番・東出のコンビネーションで攻撃を展開。木村は同年、自身初の規定打席に到達し、打率.288、165安打、10本塁打、30打点の好成績を残している。02〜05年までは流動的な起用が続いたが、06年に東出が一番打者として103試合に出場。4年ぶりに規定打席に到達すると、打率.282マーク。その後、東出は、一番で71試合に出場した08年に打率.310という好成績を残している。

中日ドラゴンズ



 2000年代中日最強のトップバッターと言えば、やはり荒木雅博の名前が真っ先に挙がるだろう。「アライバ」と呼ばれたように、荒木と井端弘和の一、二番は二遊間の守りも含めてリーグ屈指の名コンビだった。選手には厳しい落合博満監督も「荒木だけは何があっても(試合から)外さない」と大きな信頼感を寄せていた。入団当初はドラフト1位ながら足が目立つ程度の選手だったが、非力だった打撃力と内野守備を徹底的に鍛えて二塁のレギュラーに定着。攻守走と三拍子そろったオールラウンドプレーヤーに成長して長く活躍した。通算では2045安打を記録し、378盗塁は球団最多記録。チームの歴史に残る一番打者であり、現在は中日の内野守備走塁コーチとして立浪ドラゴンズを支えている。

横浜DeNAベイスターズ


横浜・石井琢朗


 金城龍彦、仁志敏久ら名野手が一番を務めた中で、最強は石井琢朗がふさわしい。1990年代にはマシンガン打線不動のリードオフマンとなったが、2000年代も横浜の斬り込み隊長は健在だった。00年には3年連続となる盗塁王に輝き、01年には最多安打のタイトルを獲得。06年ごろまでベイスターズのトップバッターとして安打を積み重ねた。09年より広島に移籍して12年限りでユニフォームを脱いだが、「一番ショート・石井琢朗」はベイスターズファンにとっては特別な存在。今季からは古巣DeNAで野手総合コーチに就任し、後輩たちに檄を飛ばしている。

東京ヤクルトスワローズ



 2000年代、いやスワローズ歴代最強の一番打者とも言えるのが、04年に入団し、40歳を迎えた今も現役生活を続けている青木宣親だ。早大からドラフト4巡目で入団した青木は、2年目の05年に才能が開花。初の開幕スタメンをつかむと二番打者として安打を量産し、シーズン途中から一番に定着。終わってみればイチロー(元オリックスほか)以来、史上2人目のシーズン200安打を達成し、首位打者、新人王を受賞した。勢いはとどまることを知らず、翌06年には「一番・中堅」として全試合フル出場。192安打、打率.321、13本塁打、41盗塁で最多盗塁のタイトルを獲得した。一番打者を1シーズン固定できたのは、球団創設以降06年の青木ただ一度だけである。

写真=BBM
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