週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

松井稼頭央、森本稀哲、西岡剛、渡辺直人…パ・リーグ6球団 2000年代「最強一番打者」は?

 

これまでさまざまな打者がトップバッターとして打線をけん引してきたが、果たして2000年から09年の間で最も印象に残る一番打者は誰か。パ・リーグ6球団で「2000年代」最強の一番打者を探る。

埼玉西武ライオンズ



「今年は一番で行くぞ」。2002年1月1日、伊原春樹新監督から松井稼頭央に届いた年賀状にはそう記されていた。過去2年の主な“仕事場”はクリーンアップ。原点回帰で背番号7は躍動した。一発長打を秘める俊足巧打の「超攻撃的一番打者」。パ・リーグはDH制のため下位打線でお膳立てがなされて、一番にチャンスが回ってくることも多い。必然的に走者をかえす勝負強さも求められる。その一方で、もちろんチャンスメーカーにもならなければいけない。そのすべてを満たしているのは当時、パ全球団を見渡しても松井ただ一人だった。02年、2位に16.5ゲーム差をつけて圧勝Vを飾ったチームで打率.332、36本塁打、87盗塁、33盗塁。史上8人目のトリプルスリーを達成した。翌年も主に一番で打率.305、33本塁打。04年からはメジャーに挑戦したが、松井は2000年代だけでなく、オールタイムで球団No.1のトップバッターだったのは間違いない。

北海道日本ハムファイターズ



 2000年代の一番打者といえば、石本努小笠原道大金子誠坪井智哉、そして現監督のSHINJO、田中賢介らチームの顔である選手が名を連ねるが、中でも最強のトップバッターには2006年、07年チーム連覇達成時の一番・森本稀哲を挙げたい。05年には一番打者で56試合に出場し打率.281、06年には「一番・左翼」に定着して自身初の規定打席に到達。一番では115試合に出場して打率.279、リーグ最多得点を記録して25年ぶりの優勝に貢献した。日本シリーズでは最高打率をマークする活躍で優秀選手賞を受賞。連覇を果たした07年は、不動の一番打者として全イニングに出場し、初の打率3割を達成。31盗塁を決めて盗塁王も争うなど、攻守走にけん引した一番・森本の功績は絶大だった。

オリックス・バファローズ



 天才打者・イチローは日本が誇る“最強”トップバッターだが、2001年から海を渡ったため、2000年代にオリックスでプレーしたのは00年のみ。さらに同年は四番での出場が主で一番での出場は1試合もなかった。その天才打者が移籍した01年からは塩崎真大島公一、村松有人らがリードオフマンを務めた。ダイエーから04年にFA加入した村松は同年、アテネオリンピック日本代表に選出され、108試合出場にとどまるも、リーグ5位の打率.320をマーク。自己最多タイの6本塁打も放った。チームは3年連続最下位に終わったが、村松は一番として奮闘した。

千葉ロッテマリーンズ



 高卒2年目の2004年にスイッチヒッターに転向してブレークしたのが西岡剛だ。翌05年に一番打者に定着して41盗塁でタイトルを獲得して日本一に貢献。06年も連続盗塁王に輝き、打っても07年から2年連続で3割もマークし、二塁、遊撃でゴールデン・グラブ、ベストナインとも受賞するなど離れ業も演じた。2010年にはシーズン200安打を達成。内野手、そしてスイッチヒッターとしては初の快挙と幕張の“スピードスター”として、その名を歴史に刻んでいる。

福岡ソフトバンクホークス


ダイエー・柴原洋


 ルーキーイヤーから一軍に名を連ね、年を追うごとに出場機会を増やしてきた柴原洋が、リードオフマンにハマったのが2000年。プロ入り初となる全135試合に出場し打率.310を記録した同年は、一番では122試合に出場。リーグ連覇に貢献する活躍を見せると、そこから一番を自らの定位置にした。柴原同様に一番のイメージが強いのは、現・一軍外野守備走塁コーチを務める村松有人だ。ダイハード打線が力を見せつけた03年に打撃開花で一番に定着(106試合に出場)。もともと足があるだけに、相手バッテリーとしては嫌な存在だったに違いない。シーズン13三塁打と歴代6位タイの成績も残した村松だったが、同年オフにFA権を行使してオリックスに移籍。わずか1年の短い斬り込み隊長だった。

東北楽天ゴールデンイーグルス



「一番・遊撃」で開幕戦を迎えたのはプロ2年目の2008年シーズンだった。渡辺直人が斬り込み役として強く意識したのは出塁することで、リーグ最多の22死球。痛みを伴いながらもチームに貢献し、出塁率.354の数字を残した。また、積極果敢な走塁を見せて34盗塁、盗塁成功率.850とその役割を全う。このシーズンは5位に終わったが、チーム打率.272は球団として歴代最高記録として現在も残る。その火つけ役が渡辺だった。横浜・DeNA、西武を経て、18年に古巣復帰。20年限りで現役を引退した。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング