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山本由伸、佐々木朗希、千賀滉大…あなたが選ぶ「現役No.1投手」は?

 

 今季は「投高打低」の傾向が顕著に出ているが、異次元の球を投げ続けているのが日本球界を代表するこの3投手だ。佐々木朗希山本由伸千賀滉大……あなたが選ぶ「現役No.1投手」はどの投手だろうか。
※成績は6月22日現在

球界の常識を覆す圧巻の投球


6月22日の西武戦では7回3安打無失点で6勝目をマークした


・佐々木朗希(ロッテ)
今季成績 12試合登板、6勝1敗、防御率1.56
通算成績 23試合登板、9勝3敗、防御率1.87

 これほどの高い能力を兼ね備えた投手は日本球界にいただろうか。常時160キロ近い直球をストライクゾーンに投げ込み、同じ軌道から落差の鋭いフォークでバットは空を切る。

 大船渡高で3年春に高校生歴代最速の最速163キロを計測。ロッテ入団1年目は体力づくりに専念し、昨季は中10日以上の登板間隔を空けて11試合登板で3勝2敗、防御率2.27。そして、3年目の今季は衝撃的なパフォーマンスを見せる。4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で28年ぶり史上16人目の完全試合を達成。プロ野球新記録の13者連続三振、日本タイ記録の19奪三振と歴史を塗り替えた。4月17日の日本ハム戦(ZOZOマリン)も8回まで走者を1人も出さない完全投球。9回のマウンドに上がらず、日米通じて初の「2試合連続完全試合達成」は幻に終わったが、球界の常識を覆す圧巻の投球だった。

 これだけの投球を見せても、まだ課題が多いのが恐ろしい。変化球の球種を増やし、制球力やスタミナを磨かなければいけない。野球評論家の荒木大輔氏は5月下旬に週刊ベースボールのコラムで、「ここまでリーグトップタイの5勝を挙げ、同2位の防御率1.33。奪三振は2位・千賀滉大に30個差をつけるダントツ1位の94個。“未完成”ながら、圧巻の成績を残す佐々木朗のピッチングには“すごい”という言葉しか出てこない。高いレベルの“未完成”。今季はまだ誰もが見たことのない境地に達する過程のシーズンとなるだろうが、見逃すことはできない」と綴っている。伸びしろだらけの右腕が今後どう変貌していくか、想像できない。

投手タイトルを総なめにする右腕


6月18日の西武戦では自身初のノーヒットノーランを達成


・山本由伸(オリックス)
今季成績 12試合登板、7勝3敗、防御率1.55
通算成績 135試合登板、46勝21敗1S32H、防御率1.98

 直球の球威、多彩な変化球、制球力、スタミナ、投球術……総合力で日本球界のトップに立つのが山本だ。6月18日の西武戦(ベルーナ)でノーヒットノーランを達成。今季の7勝、防御率1.55はいずれもリーグトップだ。

 2018年にセットアッパーに定着して54試合登板で4勝2敗1セーブ32ホールド、防御率2.89をマーク。19年に先発転向すると8勝6敗、防御率1.95で最優秀防御率に輝く。20年は8勝4敗、防御率2.20で最多奪三振(149奪三振)のタイトルを獲得。昨年は18勝5敗(勝率.783)、防御率1.39、206奪三振で球団初の「投手4冠」を達成し、沢村賞を受賞。リーグ優勝に大きく貢献し、MVPに輝いた。

 野球評論家の張本勲氏は「ここ数年のペナントレースを見て私が思うのは、本当のエースがいなくなったということだ。今現在で言えば、その座に一番近いのは山本由伸になると思う。昨年の18勝5敗、防御率1.39という数字は素晴らしく、沢村賞を含めて先発投手のタイトルを総ナメにした。ただ、まだ1年でしかない。この成績をあと2〜3年続けてこそ、エースと呼ぶに相応しい投手だと言えるだろう。エースは成績はもちろんのこと、チームに信頼される投手でなければならない。大事な試合のマウンドを任され、この投手が投げて負けたら仕方がないと監督にも仲間にも思われるような投手がエースだ」と期待を込めている。

 今年も絶対的エースとして、投手タイトルを総ナメにする可能性は十分にある。

飽くなき向上心で進化する剛腕


常に進化することだけを考えているソフトバンクのエース


・千賀滉大(ソフトバンク)
今季成績 12試合登板、5勝3敗、防御率2.02
通算成績 214試合登板、81勝41敗1S20H、防御率2.63

 高校時代から注目されていた佐々木朗と対照的に、千賀は無名の存在だった。愛知県立蒲郡高は野球強豪校でなく、甲子園出場はなし。中学時代は三塁手で高校進学後に投手に転向したが故障が多く、3年夏の愛知県大会3回戦で敗退した。だが、2011年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団すると、12年に支配下昇格。最速161キロの直球と驚異的な落差の「お化けフォーク」でねじ伏せるスケールの大きい投球でソフトバンクの黄金時代の中心的存在に。16年から4年連続12勝以上とエースの地位を確立し、コロナ禍で120試合制の20年に11勝6敗、防御率2.16で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 飽くなき向上心で進化を追い求め、カットボール、縦のスライダーに加え、昨季途中から投げていたスプリットとツーシームを合わせた新球「スプリーム」の習得に励んでいる。

 千賀は今季の開幕前に週刊ベースボールのインタビューで、「自分の幅を広げるということが第一。そこで、どれだけ“嫌なピッチャー”になれるか、かなと思います。球種をプラスすることで、これまで投げてきた全部の球種に相乗効果をもたらせられれば。追い込んでから使える球を増やすという意味での『選択肢の幅を広げる』というところ。そんなにああだこうだ、ないです。ただシンプルに、強い球を増やす。自分の能力を上げたいんですよね。活躍するためには、自分の能力が高ければ高いほど有利だと思うので。自分を上げていく、それだけだと思います」と語っている。

 今年の目標は「圧倒的なキャリアハイ」だ。

写真=BBM
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