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巨人・岡本和真の「3年連続本塁打、打点の2冠王」に黄信号 打棒爆発なるか

 

史上3人目の快挙を狙う


本塁打、打点で村上に次ぐ2位の岡本


 2020、21年と2年連続で本塁打、打点の2冠王に輝いた巨人岡本和真がタイトル争いで追いかける展開になっている。7月2日現在で打率.256、20本塁打、60打点。決して悪い数字ではないが、ヤクルト村上宗隆が打率.312、29本塁打、78打点と打ちまくっている。岡本は本塁打で9本差、打点で18点差と離されており、野村克也王貞治しか達成していない3年連続本塁打、打点の2冠王獲得に向けて黄信号が灯っている。

 春先は最高のスタートを切った。4月26日のDeNA戦(横浜)から自身2度目の4試合連続本塁打放つなど、両リーグ最速の10号に到達。チームも両リーグ20勝に一番乗りと開幕ダッシュに成功した。岡本は3、4月に28試合出場で打率.264、10本塁打、25打点で月間MVPに。入団8年目で初受賞だった。

 相手バッテリーのマークが厳しくなる中で、本塁打を打ち続けることに大きな価値がある。高卒4年目の18年に打率.309、33本塁打、100打点をマーク。同年から4年連続30本塁打以上をマークしているが、打撃面で進化を遂げている。打球方向からその一端は垣間見える。18年は33本塁打のうち、左翼が21本塁打、中堅が6本、右翼が6本という打球方向の内訳だったが、3年後の21年は39本塁打のうち左翼が19本塁打に対し、中堅が9本、右翼が11本塁打とバックスクリーンから逆方向へのアーチが大幅に増えている。

 バッテリーからすれば、長打の可能性が低い外角中心の配球が岡本には通用しない。パワーだけでなく、打撃技術を磨いたからこそ巨人で「不動の四番」を張れる。今年4月26日のDeNA戦(横浜)では巨人四番での先発出場が512試合となり、アレックス・ラミレスを抜いて単独5位に浮上した。

 ただ、岡本には強力なライバルがいる。加速度的に進化を遂げているヤクルトの四番・村上だ。昨年は共に39本塁打でタイトルを分け合う形となり、打点も岡本が113で村上は112と僅差だった。3学年下の村上も逆方向にアーチを描く打撃技術を磨き、穴のない打者になっている。

穴のない打者になった村上


三冠王も狙えるペースで打ちまくっている村上


 週刊ベースボールが開幕前に「解説者15人が予想する2022年個人タイトルの行方・第5回セ本塁打王編」の特別企画を行ったところ、岡本がトップの8票で村上が6票、阪神佐藤輝明に1票入った。岡本に票を入れた解説者の分析では、「岡本と村上の一騎打ち。球場の差で最終的に岡本が上回る」(元阪神の藪恵壹氏)、「また村上宗隆との争いになりそうだが、キャリアの差を見せてくれそう」(元近鉄の礒部公一氏)などの意見が。一方で、「岡本和真との争いになるが三冠王の可能性が高い村上に」(元ロッテ里崎智也氏)、「岡本と村上の一騎打ち。最終的に村上が上回る」(元横浜の野村弘樹氏)と村上のタイトル獲得を予想する識者も岡本との熾烈な争いを占っていた。

 岡本は6月の月間打率317、5本塁打、18打点と好成績を残したが、村上が打率.410、14本塁打、35打点と圧巻の数字を出して引き離される形になってしまった。

 ただ、まだシーズンは折り返したばかり。勝負の夏場で岡本が本塁打を量産する可能性は十分にある。村上とハイレベルなタイトル争いの末に、3年連続本塁打、打点の2冠王をつかむことができるか――。

写真=BBM
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