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プロ野球記録ノート

走者を置いた場面で断トツ20本塁打の村上宗隆。6月の驚異の本塁打率5.93【プロ野球記録ノート】

 

際立つ本塁打による打点


今季は昨季以上のペースで本塁打を打っている村上


 ヤクルトが7月2日のDeNA戦にサヨナラ勝ちし、76試合目で優勝マジック53を点灯させた。報道などでは「最速」となっているが、これは7月2日にマジックが点灯したのが「最速」ということだ。ちなみに最速は1965年の南海で58試合目(7月6日点灯)。49勝9敗、勝率.845というとんでもない成績。7月上旬まで敗戦は1ケタだった。

 一昨年の最下位から昨年日本一になったヤクルト。3、4月こそ15勝12敗だったが、5月は16勝7敗1分、6月は19勝4敗、7月も2勝1敗と突っ走った。13カード連続勝ち越しのプロ野球記録も樹立して29年ぶりの連覇も視界良好だ。

 この快進撃を支えているのが若き四番の村上宗隆だろう。村上は3、4月は27試合で6本塁打だったが、5月は24試合で9本。6月は23試合で14本塁打と打ちまくった。6月の本塁打率(打数÷本塁打)は5.93と驚異的な数字を残した。

 村上は本塁打による打点も際立っている。

 7月4日現在、今季両リーグで15本塁打以上を放っているのは8人(セ=7、パ=1)いるがその内訳は次のとおり。

        本 ソ  2  3 満 打点 割合
 村上宗隆(ヤ)  29  9 12  4  4 61(78)78.2%
 岡本和真(巨)  20  9  9  2  0 33(60)55.0%
 大山悠輔(神)  19  8  7  4  0 34(59)57.6%
 丸佳浩(巨)   17 13  3  1  0 22(34)64.7%
 ウォーカー(巨) 16 11  3  2  0 23(36)63.9%
 牧秀悟(デ)   16  7  3  6  0 31(53)58.5%
 山田哲人(ヤ)  15 12  3  0  0 18(46)39.1%
 山川穂高(西)  24 13  7  4  0 39(49)79.6%
本=本塁打数、ソ=ソロ、2=2ラン、3=3ラン、満=満塁、打点=本塁打による打点(カッコ内は全打点)、割合は本塁打による打点の割合

 村上は2ラン12本、3ラン4本、満塁ではプロ野球記録にあと1本と迫る4本と、走者を置いた場面では20本のアーチを描いている。また本塁打による打点も78.2%と、西武の山川穂高とともに群を抜いている。

 村上は2019年からレギュラーに定着したが、

    本 ソ  2  3 満 打点 割合
2019年 36 19 10  6  1 61( 96)63.5%
2020年 28 18  6  3  1 43( 86)50.0%
2021年 39 18 17  3  1 65(112)58.0%

 と本塁打による打点は57.5%だったが、今季は一気に上げている。

チームを勝利に導く本塁打


 また本塁打を打った試合の勝敗も好成績を残している。上記8人では、

 村上宗隆(ヤ) 18勝4敗1分 勝率.818
 岡本和真(巨) 13勝7敗   勝率.650
 大山悠輔(神) 11勝4敗1分 勝率.733
 丸佳浩(巨)  12勝4敗   勝率.750
 ウォーカー(巨) 6勝10敗   勝率.375
 牧秀悟(デ)  12勝4敗   勝率.750
 山田哲人(ヤ) 12勝3敗   勝率.800
 山川穂高(西) 18勝2敗   勝率.900

 と山川に次ぐ成績だが、5月以降に限ると、16勝1敗1分、勝率.941と大きく跳ね上がる。同点からの勝ち越し本塁打8本、同点本塁打3本、ビハインドからの逆転弾が3本と大きくチームに貢献している。

 今後相手投手のマークもよりきつくなってくるだろうが、このままチームを引っ張り連覇に導けるのか注目したい。

文=永山智浩 写真=BBM
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