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巨人・坂本勇人が腰痛で戦線離脱…「後継者の遊撃手」はどうする?

 

今季3度目の故障


野球人生の分岐点を迎えている坂本


 巨人の遊撃を長年守り続けていた坂本勇人。高卒2年目の2008年からレギュラーとして15年が経ったが、野球人生の分岐点を迎えている。7月6日のヤクルト戦(神宮)にスタメン出場したが、5回の打席で途中交代。3回の打席で内角高めのボール球をのけぞった際に腰を気にする素振りを見せており、体に異変が起きていたようだ。7日の試合前に腰痛で登録抹消された。坂本は「左内腹斜筋筋損傷」で開幕一軍メンバーから外れ、5月1日に「右ヒザ内側側副靱帯損傷」で1カ月以上戦線離脱している。今回の腰痛が今年3度目の故障となる。遊撃の守備は若手より数段安定感があり、打力は抜きん出ている。だが、33歳という年齢を考えると守備にかかる大きな負荷を考えなければいけない。

 スポーツ紙の遊軍記者はこう語る。

「坂本はチームに不可欠な選手です。だからこそ故障で離脱するとチームにとって大きな痛手になる。試合に出続けることを考えると、守備の負担が遊撃より少ない三塁、一塁、外野へのコンバートを検討しなければいけない時期になっている。試合に出続ければ通算3000安打という史上2人目の快挙を狙える選手です。坂本本人は遊撃へのこだわりがあると思いますが、こういった戦線離脱の事態にも備えて後継者を育てなければいけない」

攻守にセンスあふれる高卒2年目の中山


 坂本が5月に戦線離脱した際に、頭角を現したのが高卒2年目の中山礼都だった。巧みなミート能力に定評があり、5月19日の広島戦(東京ドーム)で同点の7回一死二塁から九里亜蓮のチェンジアップを中前にはじき返すプロ初適時打が決勝打となった。スイングスピード、配球の読みなど磨かなければいけない点はまだまだ多いが、持ち味の打撃はセンスを感じさせる。遊撃の守備も試合を重ねることで安定感が増している。

 中山は20年秋のドラフトで巨人から3位で指名を受けた際、「巨人は日本一の球団だと思っています。そこで戦力となれるように。同じポジションとして坂本勇人選手は、打てるショートとしてずっとあこがれだった存在。いつかは、追いついて、追い越せるようになりたい」と誓っていた。坂本がレギュラーをつかんだのは高卒2年目。今の中山と同じタイミングだ。将来性を考えると後継者の最有力候補だろう。

増田大は課題の打撃をアピールしたい


 増田大輝湯浅大にもチャンスはある。増田大は坂本が腰痛で離脱した7日のヤクルト戦(神宮)から2試合連続スタメン出場。相手先発が左腕だったということも抜擢された理由だが、身体能力の高さには定評がある。19年に15盗塁、20年には23盗塁と「代走のスペシャリスト」としてリーグ連覇に貢献。内外野すべてのポジションをこなすユーテリティープレーヤーで、20年8月6日の阪神戦(甲子園)では大量リードされた8回途中から投手としてプロ初登板した。器用な選手なので重宝される存在だが、1つのポジションでレギュラーをつかみたい思いが当然あるだろう。課題の打撃でアピールして首脳陣の信頼を勝ち取りたい。

湯浅も打力の向上が求められる


 湯浅も手堅い守備、俊足に定評があるが遊撃の定位置をつかむためには増田大と同様に打力の向上が求められる。昨年は33試合と出場機会は多くなかったが、13打数5安打で打率.385と結果を残している。粘り強い打撃に磨きをかけたい。

 ファームにも廣岡大志北村拓己と一軍で実績がある選手が控えている。坂本不在で激戦区となった遊撃でシンデレラボーイは現れるか。

写真=BBM
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