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松田宣浩、田中将大、杉本裕太郎…巻き返し期待される選手たち【パ・リーグ編】

 

 パ・リーグは首位のソフトバンクから5位・オリックスまで5.5ゲーム差の間にひしめく混戦だ。新庄剛志監督ことBIGBOSS率いる日本ハムは最下位だが、7月8日から敵地でのソフトバンク3連戦で同一カード3連勝を飾るなど若手主体のチームは、試合を重ねることで成長している。夏場は経験豊かな選手たちの巻き返しが期待される。
※成績は7月10日現在

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・松田宣浩


松田宣浩(ソフトバンク)
※今季成績 29試合出場、打率.178、0本塁打、5打点

 攻守の中心で黄金時代を築いたベテランだが、若手の台頭もありベンチを温める機会が増えている。長年守っていた三塁は牧原大成周東佑京野村勇に明け渡す形となり、スタメン出場は6試合のみ。一塁での先発出場が13試合と新たなポジションに挑戦しているが、打撃の状態が上がってこない。気がかりなのは今季78打席で本塁打を1本も打っていないことだ。2015年には自己最多の35本塁打を放つなど、13年から9年連続2ケタ本塁打を記録していたが、今季は松田特有の放物線が描けない。目標とする通算2000安打まであと176安打。本塁打後のパフォーマンスで「熱男〜!」の雄叫びを聞きたい。

埼玉西武ライオンズ



今井達也(西武)
※今季成績 1試合登板、0勝1敗、防御率4.50

 頼もしい右腕が戻ってきた。今季初登板初先発となった7月7日のオリックス戦(京セラドーム)で6回を4安打3失点。150キロを超える力強い直球を軸に5回まで無失点も、6回に踏ん張り切れず黒星を喫した。ただマウンドで投げられたことが大きな前進だろう。昨年は自己最多の8勝をマークしたが、潜在能力の高さを考えればまだまだ物足りない。高橋光成と共に先発ローテーションの中心として期待された今季だったが、開幕直前に右内転筋の張りで戦線離脱。復帰目前だった4月に左足首捻挫と大きく出遅れる形になった。チームは昨年の最下位から優勝を狙える好位置につけている。今井の活躍が大きくカギを握りそうだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



田中将大(楽天)
※今季成績 13試合登板、4勝7敗、防御率2.95

 日本球界復帰2年目の今季は5月10日のロッテ戦(楽天生命パーク)で4勝目と順調な滑り出しだったが、ここから白星が遠ざかる。好投しても打線の援護に恵まれない登板が続くと、6月17日のソフトバンク戦(PayPayドーム)は5回までに4本のアーチを浴びて7失点の乱調。その後も復調せず自己ワーストタイの6連敗を喫し、登板間隔を空けるため7月2日に登録抹消された。直球は走っており、打者を押し込んでいる場面が多く見られる。微調整をし、勝負球の制球力が改善されれば白星は自然に増えていくだろう。チームも最大貯金18で首位を快走していた春先から一転、失速気味に。田中将の復調がポイントになりそうだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・マーティン


レオネス・マーティン(ロッテ)
※今季成績 57試合出場、打率.161、7本塁打、21打点

 本来なら打線の核にならなければいけない選手だが、開幕から一向に調子が上向かない。2020年に25本塁打、昨年は27本塁打とポイントゲッターとして活躍してきたが、今年は開幕から打率1割台と苦しんだ。打撃不振で5月1日にファーム降格し、同月12日に戻ってきたがその後も快音がなかなか聞かれない。交流戦明けも17打数無安打とスランプが長引き、今月3日に今季2度目の登録抹消となった。本塁打を量産できる数少ない長距離砲だけに、本来の打撃を取り戻して逆転優勝の起爆剤になりたい。

オリックス・バファローズ


オリックス・杉本裕太郎


杉本裕太郎(オリックス)
※今季成績 69試合出場、打率.248、10本塁打、32打点

 プロ6年目の昨季に覚醒した「ラオウ」。自身初の規定打席に到達し、打率.301、32本塁打、83打点と大ブレークし、本塁打王を獲得すると共に25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。今季も「不動の四番」として活躍が期待されたが、3、4月は月間打率.133、1本塁打、6打点。打順は下位に降格し、スタメン落ちも味わった。相手バッテリーのマークが厳しくなり、プロで活躍し続ける難しさを痛感しただろう。だが、交流戦では打率.391で首位打者を獲得するなど6月は打率.282、5本塁打、15打点で月間MVPを獲得。状態は上がってきている。悔しい思いを味わっただけに、夏場は打ちまくりたい。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・宮西尚生


宮西尚生(日本ハム)
※今季成績 20試合登板、0勝2敗1S5H、防御率5.00

 入団1年目の2008年から14年連続50試合以上登板し、NPB最多記録の通算378ホールドをマーク。衰え知らずの鉄腕が今季は試練を迎えている。5月21日の西武戦(札幌ドーム)で史上8人目の通算800試合登板を達成したが、勝負どころで痛打を浴びる場面が目立ち、6月1日に登録抹消された。目標である同じ左腕の岩瀬仁紀が現役時代15年連続50試合登板のNPB記録を樹立。宮西はこの大記録達成が大きなモチベーションになっていた。復調して偉業に並ぶことができるか。

写真=BBM
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