週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

松原聖弥、高橋優貴、ビエイラ…巨人「昨年の主力」は復活できるか

 

 逆転優勝に向けて厳しい戦いが続いている巨人。新外国人のアダム・ウォーカー、守護神・大勢ら新戦力の活躍は大きな収穫だが、誤算も少なくない。昨年主力として稼働した松原聖弥高橋優貴チアゴ・ビエイラの姿が一軍にない。大きな壁にぶち当たり、ファーム暮らしが続いている3選手だが一軍で活躍してもらわなければ困る選手だ。復活なるか――。
※成績は7月12日現在

一番の最有力候補だったが……


巨人・松原聖弥


※松原聖弥
今季成績 37試合出場、打率.137、0本塁打、4打点、2盗塁
昨季成績 135試合出場、打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁

 外野はウォーカー、丸佳浩グレゴリー・ポランコで固まっている。攻撃力は抜群だが、守備に不安が残る布陣で松原がレギュラー争いに加われない現状が寂しい。今年は開幕前から調子が上がらず、スタメン出場は8試合のみ。一番の最有力候補と見られていたが一度も起用されていない。6月9日に登録抹消され、1カ月以上ファーム暮らしが続いている。

 身体能力の高さは誰もが認める。俊足で外野の守備は球際に強く再三の美技でチームを救ってきた。打撃でのミート能力は天性のモノだろう。難しい球をヒットゾーンに飛ばす。そのプレースタイルは松原が子どものときに好きだった金城龍彦(現三軍守備走塁コーチ)と重なる。昨季は135試合出場でチームトップの打率.274をマーク。12本塁打、15盗塁も自己最高の数字だった。さらなる進化に向け、プレーの精度を上げることが課題に挙げられていたが、今年は持ち前の積極性が失われて長所が消えてしまっている。スピード感あふれるプレーは稀少価値があるだけに、輝きを取り戻してほしい。

左腕は試練を乗り越えるか


巨人・高橋優貴


※高橋優貴
今季成績 9試合登板、1勝4敗、防御率4.24
昨季成績 27試合登板、11勝9敗、防御率3.39

 投手陣で一番の誤算は高橋だろう。エース左腕として期待されたがここまで1勝のみと精彩を欠いている。開幕前の実戦で結果を残せず、先発ローテーションの枠から外れて救援要員に。5月から先発に回ったが5度の先発で5回以上を投げ切ったのは1度のみで、7月1日に登録抹消された。

 昨年はエース・菅野智之が度重なる故障で戦線離脱する中、先発陣を引っ張ったのが高橋だった。開幕から5戦5勝、防御率1.80をマークし、3・4月度の月間MVPを獲得。その後も安定した投球を続けて7月の時点で9勝3敗、防御率2.51。8月以降は疲労も出て失速したがチームトップの11勝を挙げて飛躍のシーズンに。阪神戦は5試合登板で4勝0敗、防御率1.45と抜群の相性を誇った。

 生命線の直球で押し込む投球は力強さを感じさせるが、相手も当然研究してくる。課題は制球力だ。今年はカウントを悪くして痛打を浴びるケースが目立つ。今月7日のイースタン・DeNA戦(ジャイアンツ)では初回に先頭打者への2球目が頭部を直撃し、危険球を宣告されて退場となった。首脳陣の期待は大きい。この試練を乗り越えられるか。

望まれる史上最速右腕の復活


巨人・ビエイラ


※チアゴ・ビエイラ
今季成績 9試合登板、0勝2敗、防御率9.82
昨季成績 56試合登板、0勝3敗19S1H、防御率2.93

 救援陣の投手事情が苦しい中で、この男がいれば――と多くの巨人ファンが復活を待ち望んでいるだろう。昨年守護神として活躍したビエイラだ。8月13日の中日戦(東京ドーム)でNPB史上最速の166キロを計測。スライダーの精度も上がり、NPBの外国人新記録の32試合連続無失点を樹立した。7、8月は計12試合登板し、0勝0敗9セーブ、防御率0.00で自身初の月間MVPを受賞。努力家で研究熱心な姿は投手陣の良きお手本だった。

 今年も救援の軸として期待されたが、投球に持ち前の躍動感が見られない。春先から失点を重ね、4月7日の広島戦(マツダ広島)で救援登板した際にライアン・マクブルームへの直球が側頭部を直撃して危険球退場に。ファームに降格して2カ月以上の調整期間を経て6月に一軍昇格したが制球が安定せず同月24日に再び登録抹消された。自信をみなぎらせて捕手のミットに投げ込んでいた昨年と違い、マウンド上で表情に迷いが見られる。素材は間違いなく超一級品だけに、本来の姿を取り戻してトレードマークのド派手なガッツポーズと雄叫びを見たい。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング