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日本人メジャーの軌跡

1年目から2ケタ勝利達成もプレーオフは中継ぎで活躍した前田健太/日本人メジャーの軌跡

 

今回は昨年9月にトミー・ジョン手術を受け、復帰を目指しているツインズの前田健太投手。広島からポスティングシステムを利用してドジャースに入団したのは2016年1月だった。入団に際し「歴史と伝統のあるドジャースに入団できたことを誇りに思う」と語っていた。契約期間は田中将大ヤンキースと結んだ7年を上回る8年。ただし基本年俸は300万ドル。契約金100万ドルを加えて総額2500万ドルに抑えられた。入団に際して右ヒジのじん帯に損傷が見つかったからだ。基本給が低い代わりにインセンティブが多く、すべてクリアすれば年間1000万ドルになるものだった。

1年目は16勝をマーク


ドジャース時代の前田健太


 デビュー戦は2016年4月6日、サンディエゴでのパドレス戦。開幕から2試合連続完封勝ちで迎えた3戦目だった。1回にジャスティン・ターナーの右前適時打などで4点のリードをもらい、落ち着いて好投。4回にはパドレスの先発アンドリュー・キャシュナーから左越え本塁打を放ち、6回無失点で初勝利を挙げた。

 1年目はシーズンを通じて先発ローテーションを守り32試合に先発。16勝11敗、防御率3.48の成績を収めた。勝利数はチーム最多でナ・リーグ5位。日本人投手のメジャー1年目としては12年のダルビッシュ有と並ぶ最多だった。ポストシーズンでは3試合に先発したものの、0勝1敗だった。

 2年目は13勝で2年連続2ケタ勝利をマーク。だが終盤にはチーム事情から中継ぎに回り、ポストシーズンでもリリーフのみだった。以降もシーズン終盤とポストシーズンでの仕事はリリーフだった。先発でも救援でもこなせる器用さがチームにとって都合がよかったわけだが、先発にこだわりを持つ前田にとっては不本意だった。

 18年は8月上旬まで先発要員で7勝7敗。その後救援で1勝3敗2セーブ。シーズン8勝で、3年連続の2ケタ勝利はならなかった。

 19年は8月いっぱいまで先発。8勝8敗だった。救援専門の9月は2勝0敗3セーブ。2年ぶりの2ケタ勝利を手にした。結局翌20年、ツインズに移籍する。ドジャースでは4年間で47勝35敗6セーブ、防御率3.87。4年とも地区優勝し、ポストシーズン通算で2勝1敗0セーブ、防御率2.87。17年と18年はワールド・シリーズも経験した。常勝ドジャースの投手陣で存在感を示した。

『週刊ベースボール』2022年7月18日号(7月6日発売)より

文=樋口浩一 写真=Getty Images
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