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2試合連続アーチの秋山翔吾。急上昇のポイントは「本塁打の魅力に取りつかれない打撃」

 

11試合で打率.171から復調


7月22、23日に2試合連続本塁打を放った秋山


 広島秋山翔吾の打撃の状態が上がってきた。アメリカ球界から広島で日本球界に復帰。当初はファームで調整を進め、7月8日に一軍昇格して同日の中日戦(バンテリン)からスタメンに名を連ねた。だが、11試合で打率.171と低迷。三番打者の役割を果たすことができなかった。

 それが22日のヤクルト戦(神宮)から一変。この日は初回に内野安打を放つと、4回に左前打、6回に中前打。8回には同点2号2ランを右翼席へたたき込み、逆転勝利に貢献した。そして、翌日の同カードでも初回に先制3ランを右翼席へ。その後も二塁打、中前打を放ち、2試合連続の猛打賞で打率も一気に.280まで上昇した。

 2015年には216安打のシーズン最多記録をマークした屈指の安打製造機。以前、本塁打に関しては「魅力に取りつかれないようにしないといけない」と語っていた。

「やっぱり本塁打って感触、手応え、打球の角度など、すべてが気持ちいい。バッターとして、それを追い求めるのはごく自然なこと。でも、本当にだいぶ『違うぞ』と自分に言い聞かせて、次の打席に入っています。ライトに飛んだ本塁打が特に怖い。右翼手の頭上からポールの間が……。走っている方向に打球が目に入りますから。誰だって自分が心地いい打撃をしたい。でも、そうさせないのが相手バッテリー。自分がこう打ちたいという思いだけではダメだ、というのが分かっていないと大崩れする可能性があります」

「だから、例えばですけど、ホームランが出た次の打席は、あえて、より苦しく打つこともあるというか。点差が開くなど展開が許せば、ですけど。そんなときはショートゴロでも納得。自分のバッティングを整える作業です。1年間戦う上で、自分のバッティングをコントロールする意味では、そういうこともしていかないと崩れてしまいます」

 23日の試合で本塁打のあとの2打席目で飛び出した二塁打は外角高めのカットボールを逆らわずにレフトへ運んだ。3打席目は冷静にボールを見極めて四球。4打席目は内角直球を打ち損じて二飛に終わったが、5打席目は真ん中高め直球を素直に打ち返して中前へ運んだ。「本塁打の魅力に取りつかれていない」打撃を貫いている。秋山の打撃がさらに上昇曲線を描く可能性は高い。

写真=BBM
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