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【前半戦採点】ヤクルト100点、広島90点、巨人30点…セ・リーグ6球団の評価は?

 


前半戦が終了したペナントレース。果たして各球団は順調に戦うことができたのか。セ・リーグ6球団の現状を100点満点で採点した。
※記録は7月25日現在

東京ヤクルトスワローズ



1位・ヤクルト 100点

 シーズン序盤は投手陣が奮闘し、交流戦突入後は打線が活発化。投打にバランスのとれたチームは14カード連続勝ち越しを飾るなど、圧倒的な強さで首位を走り、7月2日には史上最速での優勝マジックを点灯させた。新型コロナウイルスの集団感染の影響を受け、7月中旬には6連敗を喫したが、前半戦終了時点で2位には11ゲームを離しており、独走状態は続いている。1992、93年以来のリーグ連覇に向けて、後半戦の懸念点を挙げるとすればリリーフ陣の負担面か。序盤の活躍から一転、7月以降は痛打を浴びるケースも増えている。打線の好調の維持はもちろん、規定投球回到達は小川泰弘1人のみの先発投手陣がいかに多くのアウトを積み重ねることができるかが、Vへのカギとなる。

広島東洋カープ



2位・広島 90点

 下馬評を覆し、開幕から6連勝と最高のスタートを切った。主砲・鈴木誠也を欠いた打線は、つないで、つないで、着実に得点を重ねていくスタイルに。投手陣も先発陣が頼もしく、開幕直後は12球団屈指のクオリティースタート(6投球回以上で自責3以下)率を誇った。ただ、やはり最大の山場と見られた交流戦で今季も大失速。攻守に振るわず、5勝13敗で最下位、5月14日には首位を明け渡した。それでも、阪神と並んでの前半戦2位ターンは健闘の結果と言えるだろう。

 攻撃陣では勝負強い西川龍馬を交流戦で欠きながら、中軸のマクブルーム坂倉将吾を筆頭に打ち勝つ野球を展開。そこに6月下旬、日本球界復帰を決めた秋山翔吾が加入したことは、後半戦に向けても大きい。また、シーズン中盤不安定さを露呈していた中継ぎ陣も、森浦大輔をはじめとして形は見えつつある。後半戦、残り試合は48試合で、首位のヤクルトまで11ゲーム差ということを考えると、大逆 転優勝はかなり厳しいが、だとしたら確実に2位で終わりたいところ。3年ぶりとなるCS、そこからの日本シリーズ進出を狙う。そのためにも、対ヤクルト戦は特に重要だ。前半戦最終カードでようやく勝ち越した相手だけに、残り8試合全部勝つつもりで。そうすれば、日本一への道はおのずと開かれてくる。

阪神タイガース


阪神・青柳晃洋


2位・阪神 80点

 最大借金16もあったチームが、94試合を終えた時点で勝率5割に戻し前半戦を終えた。開幕戦でいきなり大逆転負けを喫し、そこから一気にチームは下降線に。3.4月は9勝20敗1分けで最下位に沈んだ。そこから6月が14勝8敗1分け、7月が12勝5敗と一気に勝ち越していく。この短期間で5割に戻せた大きな要因は投手陣の踏ん張りだろう。先発ローテションの6人がしっかりと機能。特に青柳晃洋と伊藤将司がそれぞれ2完封を記録し2人で7完投。西勇輝を含むと8完投とリリーフ陣を助けた。そのリリーフ陣も、若い湯浅京己浜地真澄などが躍動し、経験豊富な岩崎優が抑えるという勝利の方式も出来上がった。打線では三番に入った近本光司や五番の大山悠輔などが好調。もともと力があるチームだけに前半戦を5割で終えたことは物足りない部分もあるが、開幕1カ月の最悪の状況から借金を完済したことを考えて80点の採点としたい。

横浜DeNAベイスターズ


DeNAナイン


4位・DeNA 60点

 前半戦最後の阪神戦で手痛い3連敗を喫して5割ターンはならなかったが、開幕直後に負けが込み、下位であえいで時期に比べればチームの状態は上向きだ。7月を10勝7敗2分けと勝ち越している要因は、投手陣の踏ん張りにある。石田健大今永昇太濱口遥大東克樹の左腕カルテットに、右腕エース・大貫晋一ら先発が試合をつくり、リリーフではエドウィン・エスコバー伊勢大夢から9回の山崎康晃につなぐ勝ちパターンがタフな試合を投げ抜いた。野手陣にケガ人、新型コロナ陽性者が出ているのが懸念材料だが、3年ぶりのAクラス入りを狙える位置につける。主砲のタイラー・オースティンの復活も近く、新たに獲得した右腕のロバート・ガゼルマンも後半戦を戦う上での追い風となるはずだ。

読売ジャイアンツ


5位・巨人 30点

 12球団最速で20勝に到達し、その時点では11の貯金をつくって首位に立っていたことなど遠い昔。45勝50敗の借金5で前半戦を折り返すことになったのは、さすがに想定外と言わざるをえないだろう。坂本勇人の度重なる離脱で、そのたびに攻撃の機能性は落ちたものの、リーグ3位の371得点はまずまず。問題は投手陣で、先発陣が早いイニングで降板して中継ぎ陣に負担を掛け、その中継ぎ陣も踏ん張れずに抑えの大勢につなぐ形が確立できない悪循環。さらに新型コロナの感染拡大で、前半戦ラストの7月22日からの中日3戦(バンテリン)が延期となり、思わぬ形で前半戦が終了となった。どのような形で後半戦のスタートを切れるかは不透明だが、投手陣の整備が不可欠なのは言うまでもない。

中日ドラゴンズ


中日・立浪和義監督


6位・中日 30点

 7月20日のDeNA戦(バンテリン)に敗れて今季50敗に到達し、7年ぶりとなる前半戦の最下位ターンが決定。開幕して1カ月ほどは張り切って勝率5割ラインで戦っていたものの、借金は徐々にふくれ上がって2ケタの12。首位を独走するヤクルトの背中ははるか遠く、もはや優勝争いを口にしては笑われるだろう。そのヤクルトにリーグで唯一、勝ち越しているのはともかく、今後の現実的な目標はクライマックスシリーズ進出になる。幸い、2〜5位は大混戦。そこからも取り残されてしまうのか、あるいは意地を見せてその争いの輪に入るのか。後半戦から得点力不足が急に改善できるとは思えない。投手陣が頑張ってロースコアの戦いをものにしていくことが重要だ。

写真=BBM
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