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「打たせてくれたんですかね」“律儀な男”清宮幸太郎。球宴で「再会」、そして「恩返し弾」

 

2015年、早実の1年生・清宮は侍ジャパンU-18代表でプレーした


 律儀な男である。

 日本ハム清宮幸太郎がオールスター第1戦(7月26日、PayPayドーム)でサヨナラ本塁打を放った。相手投手は広島森下暢仁。清宮は2歳上の「先輩」に対して、「U-18で一緒にやらせていただいた仲。打たせてくれたんですかね」と全球ストレート勝負に、感謝を口にしていた。7年前を思い出した。

 2015年9月。早実・清宮は1年生で唯一、侍ジャパンU-18代表に選出。第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップ(日本開催、甲子園ほか)に出場し、日本はアメリカとの決勝に惜敗し銀メダルだった。

 高校日本代表メンバー20人で、清宮は3年生19人と一緒に過ごしていたのである。

 天真爛漫な清宮は、すぐにチームに溶け込んだ。優しい「お兄ちゃん」たちに囲まれ、いつもいじられていた。日の丸を背負い、チームとして帯同した約20日間。同じ釜の飯を食べたメンバーとの絆は、永遠である。

2015年、大分商3年生・森下は侍ジャパンU-18代表でプレー。プロ志望届は提出せず、明大進学した


 大分商・森下は当時、大学進学か、プロ志望で悩んでいた時期。最終的には明大進学を選択し、4年後の2019年のドラフトで広島1位で入団した。一方、清宮は高校3年時(17年)にU-18代表主将としてW杯に出場(カナダ)に出場。先輩からの思いを継ぎ、悲願の世界一こそならなかったが、銅メダルを手にした。清宮は同年のドラフト1位で日本ハム入団。先輩・森下よりもプロの世界には2年早く飛び込み、この日の「再会」、そして「恩返し弾」となったのである。

 周囲を気遣うことができる清宮。精神的にも充実してきたプロ5年目。オールスターでの一発が、真の一流選手への階段へ上がる大きなステップとなったのは言うまでもない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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