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プロ野球はみだし録

甲子園のエース≒プロの県勢エース。宮崎、熊本、大分のエースは誰だ?【プロ野球はみだし録】

 

都城高の山本由伸は岡山県の出身


日南学園高時代の寺原


 甲子園のエースがプロに進み、それぞれの都道府県を代表するエースであり続けるのは簡単ではない。前回の沖縄県、鹿児島県に続いて、宮崎県の場合はどうだろうか。宮崎県の代表は全国制覇の経験なし。2013年に延岡学園高が準優勝に輝いたのみだ。その延岡学園高はロッテの“魂のエース”黒木知宏が出身。同じく平成に活躍した投手では都城高の井上祐二(ダイエーほか)、宮崎日大高の加藤哲郎(近鉄ほか)、甲子園では当時の最速となる154キロをマークした日南学園高の寺原隼人(ソフトバンクほか)らがいた。

 ソフトバンクの後輩では現役の武田翔太が宮崎日大高で加藤の後輩。現役ではオリックスのエースとして活躍する山本由伸が都城高の出身で井上の後輩にあたるが、山本は岡山県の出身だ。都城市の都城農高には鹿児島県の出身で北別府学(広島)もいた。一方、現役の柳裕也は都城市の出身だが、神奈川県の横浜高へ進み、中日へ入団している。

 秋山幸二(西武ほか)や現役の村上宗隆(ヤクルト)ら、打高投低といえるのが熊本県だ。熊本工高で投手だった川上哲治巨人で野手に転向、“打撃の神様”の異名を取った。全国制覇は1958年センバツの済々黌高のみだ。投手では、先発タイプには鎮西高の山内孝徳(ダイエー)に多良木高の野田浩司(オリックスほか)ら、救援タイプには八代工高の柏田貴史(巨人)に熊本市立高の馬原孝浩(ソフトバンクほか)がいる。宮崎県に続き、誰かをエースと決めづらい状況だ。

 一転、大分県は盤石。春夏1度ずつ全国制覇を果たした津久見高には甲子園の経験はないが技巧派サイドハンドとして知られた高橋直樹(日本ハムほか)がいた。古くは大分商高に毎日(現在のロッテ)を2リーグ制の初代日本一に導いた荒巻淳、別府緑丘高には西鉄(現在の西武)でシュートを駆使した河村英文(久文)、近年では大分雄城台高の安藤優也(阪神)、柳ヶ浦高には巨人で現役の山口俊がいるが、最高峰は高校もプロも河村の後輩となる“鉄腕”稲尾和久だろう。ただ、稲尾は甲子園の経験なし。打撃投手のような扱いでのプロ入りだった。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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