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プロ野球はみだし録

甲子園のエース≒プロの県勢エース。長崎、佐賀、福岡のエースは誰だ?【プロ野球はみだし録】

 

杉内はプロで福岡に“凱旋”


長崎日大高時代の大瀬良


 都道府県を代表するプロのエースと甲子園のエースが同じとは限らない。2009年センバツを制して初めて全国の頂点に立った長崎県。このときの清峰高をエースとして引っ張った今村猛は長く広島でセットアッパーとして活躍したが、同学年で大学を経由して同じ広島でプレーを続けている大瀬良大地は長崎日大高で甲子園を経験している。ドリームチームを形成するなら大瀬良から今村の同学年リレーも面白いが、先発でも救援でも計算できるのが瓊浦高の下柳剛(阪神ほか)だ。ほかにも甲子園で“サッシー旋風”を巻き起こした海星高の酒井圭一(ヤクルト)、ノーヒットノーランもあった島原農高の柴田保光(日本ハムほか)、独特のスローカーブを駆使した佐世保工高の香田勲男(巨人ほか)らがいる。

 佐賀商高が1994年の夏に初の全国制覇を成し遂げた佐賀県は古い時代の投手が優勢で、プロ野球選手で唯一、特攻隊で散った石丸進一(中日)も出身者。時は流れ、その94年にプロで最優秀防御率となった卒業生が新谷博(西武ほか)だ。中日で連投に次ぐ連投で一世を風靡した権藤博は鳥栖高の出身。戦前から2リーグ時代にかけて巨人など3チームでエースを務めた川崎徳次は佐賀県の出身ながら福岡の久留米商へ。近年にはダイエー(現ソフトバンク)でリリーバーとして活躍した佐賀西高の渡辺正和、唐津商高の藤井将雄もいる。

 全体的に打高投低といえる九州だが、その傾向がありつつも、九州きっての人口を誇るだけあり、層の厚さは抜群の福岡県。左腕の杉内俊哉は鹿児島実高へ進んだが、プロで福岡に本拠地を置くホークスに“凱旋”。三井高の帆足和幸、八幡高の中田賢一もソフトバンクに縁がある。前身の南海には門司東高(門司学園高)の宅和本司もいた。2度の全国制覇がある小倉高にはナックルボーラーの天保義夫(阪急)、スローボールの“本格派”安田猛(ヤクルト)ら個性派ぞろい。88年夏準優勝の福岡第一高からは前田幸長ロッテへ進んだ。ほかにも、福岡大大濠高には森山良二(西武ほか)、沖学園高の久保裕也(巨人ほか)がいる。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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