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村上宗隆がすご過ぎる 投高打低で残す圧倒的な成績に「歴史に名を残す強打者」の声が

 

衝撃の5打席連続本塁打


8月2日の中日戦で前試合からの5打席連続本塁打を達成した村上


 ヤクルト村上宗隆が球史に名を刻む強打者に変貌を遂げようとしている。

 7月31日の阪神戦(甲子園)の活躍は衝撃的だった。0対2と重苦しい雰囲気が漂う中、村上がチームを救った。7回に左腕・渡邉雄大のスライダーを左翼席に運ぶ35号左越えソロで反撃の狼煙を上げる。9回一死の場面では相手守護神・岩崎優の内角直球を振り抜き、36号同点ソロ。ライナー性の打球は押し戻される浜風を切り裂いてスタンドに突き刺さり、球場がどよめきに包まれた。

 劇的なドラマは続きがあった。同点の延長11回二死一塁。2ボールから石井大智のナックルカーブをすくい上げるようにはじき返した打球は左翼席へ着弾する37号決勝2ラン。チームの逆転勝利に大きく貢献した。1試合2発は今季8度目だが、1試合3発はプロ5年目で自身初の快挙。四番のプライドを感じさせる働きぶりに「それぐらい責任を背負ってますし、そういう打順というのは自覚しているので。これからまだまだ厳しい戦いが続くと思うので、しっかり勝って頑張りたいなと思います」とお立ち台で風格を漂わせた。

 首位を快走中のヤクルトだが、7月上旬から主力が新型コロナウイルスで大量離脱して今季初の6連敗を喫するなどチーム状態は決して良くなかった。主力たちが戻ってきたが、コンディションが万全であるとは言えない。敵地・甲子園で迎えた後半戦最初のカードとなった2位・阪神戦も1、2戦目を落とす苦しいスタートだった。3連敗を喫したら阪神を勢いに乗らせてしまう。逆転勝利で再び阪神に10ゲーム差をつけた白星は大きな価値がある。

球史に名を残す打撃を披露している村上


 さらに、8月2日の中日戦(神宮)でも好投手・柳裕也から初回にスローカーブを右翼席上段に運ぶ38号ソロ、3回は一死一塁で外角のチェンジアップを逆方向の左翼席に39号2ランで日本新記録の5打席連続アーチを達成。猛打賞の活躍で2連勝に導いた。今季は39本塁打、98打点とリーグトップを独走。打率.321で「令和初」の三冠王を狙える位置につけている。

 スポーツ紙記者は「村上のすごみは投高打低と呼ばれるシーズンでスランプがなく、50本塁打を上回るペースで打ち続けていることです。バンテリンドーム、甲子園と広い球場でそれぞれ5本塁打をマークしている。パワー、スイングスピード、技術、配球の読み、選球眼……すべての領域で球界トップクラスだと思います。まだ22歳ですからね。歴史に名を残す強打者になる可能性を秘めている」と分析する。

日本人では6人目の50本塁打超えへ


 野球評論家のデーブ大久保氏も週刊ベースボールのコラムで、村上を絶賛している。

「風格が漂っている、というのはこの男たちのことを言っていると思いますね。まず首位を走るヤクルトの四番・村上(宗隆)のことです。打席に立つと、三振をする、凡打をするという雰囲気がありません。ホームランを打ってしまうんじゃないか、という雰囲気しかない。2019年に一軍に定着したときには、めちゃくちゃ三振していましたが、いまや本当にどっしりとした四番打者らしい四番打者になりました」

「日本人で50本塁打以上を放てば2002年の松井秀喜(当時巨人)以来とか。それだけすごい数字、達成するのが難しい。さんぺいこと西武の中村(剛也)もめちゃくちゃホームランを打った記憶がありますが、48本塁打が2回、46本塁打が1回。これ自体もすごいのですが、50本は超えなかったのです。私みたいな打者からしたら途方もない数字です。しかし今の村上なら打ってくれると信じています」

 シーズン50本塁打以上をマークした日本人打者は、50年の小鶴誠、63年の野村克也、64、73、77年の王貞治、85、86年の落合博満、02年の松井秀喜の5人のみ。村上はこの偉業を達成できるか。

写真=BBM
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