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青柳晃洋、西川龍馬、阿部寿樹…他にも16年入団のドラフト5位は「大豊作」

 

球界を代表する投手になった青柳


防御率、勝利でリーグトップを走る青柳


 今から6年前。2016年入団の選手たちは平沢大河(仙台育英高)、高橋純平(県岐阜商高)、高山俊(明大)がドラフト1位で複数球団に競合して注目された。平沢はロッテ、高橋はソフトバンク、高山は阪神へ。吉田正尚(青学大)がオリックス今永昇太(駒大)がDeNAから単独で1位指名を受け、球界を代表する選手として活躍している。

 その中で、各球団のドラフト5位で入団した選手たちがプロ入り後に軒並み活躍し、「大豊作」であることに気づく。

ヤクルト 山崎晃大朗(日大)
阪神   青柳晃洋(帝京大)
広島   西川龍馬(王子)
DeNA   綾部翔(霞ヶ浦高)
巨人   山本泰寛(慶大)
中日   阿部寿樹(Honda)

ソフトバンク 黒瀬健太(初芝橋本高)
西武     南川忠亮(JR四国)
楽天     石橋良太(Honda)
オリックス  吉田凌(東海大相模)
ロッテ    原嵩(専大松戸高)
日本ハム   田中豊樹(日本文理大)

 球界を代表する投手に成り上がったのが阪神・青柳だ。入団時は変則のサイドスローから威力十分の直球に定評があったが、制球力、フィールディングが課題とされていた。指名順位が高くなかったのもこの部分が影響したのだろう。だが、19年に先発ローテーションに定着して9勝を挙げると、昨年は自己最多の13勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得。課題を次々に克服し、試合中の修正能力が高い。今年も12勝1敗、防御率1.38と抜群の安定感で投手タイトルを総ナメにする可能性が十分にある。

「天才打者」と形容される広島・西川は丸佳浩(現巨人)、田中広輔が入団時に着用していた背番号63を与えられるなど、将来の主力打者として期待は大きかった。卓越したミート能力と巧みなバットコントロールで1年目の16年から62試合出場。同年からのリーグ3連覇に貢献した。19年には打率.297、16本塁打をマークするなどチームの中心選手だが、故障が多いのがネックだ。今年も下半身のコンディション不良で6月上旬に戦線離脱。1年間試合に出続けられれば、首位打者も狙える逸材だ。

 首位を快走するヤクルトで縁の下の力持ちとして支えているのが、ヤクルト・山崎だ。俊足と強肩に定評があるが、今年は劇的な一打が目立つ。5月8日の巨人戦(東京ドーム)で途中出場すると、1点差に追い上げた9回一死一、二塁で相手守護神・大勢の155キロの直球を左中間にはじき返す逆転の適時二塁打。同月25日の日本ハム戦(神宮)でも2点差を追いかける9回無死二、三塁の好機で北山亘基から右翼席に運ぶ逆転サヨナラ3ランでチームを勢いづけた。

育成落ちから支配下復帰の選手も


中日の主軸として活躍する阿部


 中日の阿部も広角に打ち分ける打撃技術とパンチ力を兼ね備えた打撃で主力として活躍している。19年に打率.291、7本塁打で自身初の規定打席に到達すると、20年に自己最多の13本塁打をマーク。口ひげをたくわえた風貌から「マスター」の愛称でファンに親しまれた。昨年は打率.209、5本塁打と不本意な成績に終わり、立浪和義監督が就任した今季はひげをそり落として気持ちを一新。状況に応じた打撃ができることから指揮官の信頼は厚く、クリーンアップで試合に出続けている。

 楽天・石橋もシュートを習得した19年に先発ローテーションで8勝をマーク。今季は救援に回り21試合登板で2勝0敗3ホールド、防御率3.86の成績を残している。ロングリリーフも可能なだけにチームにとってありがたい存在だ。オリックス・吉田凌は中日にドラフト1位で入団した小笠原慎之介と東海大相模で同級生。左右のエースとして切磋琢磨してきた。20年に自己最多の35試合登板で2勝2敗7ホールド、防御率2.17をマークすると、昨年は右肩痛が癒えた後半戦から一軍復帰し、18試合登板で1勝1敗4ホールド、防御率2.12でリーグ優勝に貢献した。今季はまだ一軍登板がないが、勝負どころの夏場で戦力になりたい。

 ソフトバンク・黒瀬は19年から育成でプレーし、今年7月28日に4年ぶりに支配下昇格した苦労人。同月31日の西武戦(PayPayドーム)で「八番・一塁」でプロ初スタメンを飾ると、同点の2回無死満塁でプロ初打点の左犠飛が決勝打に。お立ち台で「支配下で入って育成になって、支配下で戻ってきました黒瀬健太です。たくさんのファンに覚えていただき、応援していただけるような選手になりたいと思っています」と初々しく自己紹介した。

 阪神・山本は巨人で5年間プレーし、金銭トレードで20年11月に阪神へ移籍。内野のすべてのポジション守れるユーテリティープレーヤーで、今年は課題の打撃でも打率.260と成長の跡が見られる。7月26日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けたため、特例2022の対象選手として翌27日に登録抹消されたが、後半戦も活躍を期待したい。

写真=BBM
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