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塩見泰隆、柳田悠岐、秋山翔吾、近本光司…侍ジャパンのセンターが「激戦区」に

 

 来年3月に開催予定の第5回WBC。エンゼルス・大谷翔平、パドレス・ダルビッシュ有が出場するか注目が集まる。各ポジションにハイレベルな技術を持った選手たちがそろい、栗山英樹監督も代表選考に頭を悩ませるだろう。その中でも激戦区がセンターだ。塩見泰隆柳田悠岐秋山翔吾近本光司……外野の中心を担うのはどの選手になるだろうか。
※記録は8月16日現在

攻守走に伸び盛り


ヤクルト・塩見泰隆


・塩見泰隆(ヤクルト)
今季成績 93試合出場、打率.290、13本塁打、41打点、23盗塁
通算成績 337試合出場、打率.269、36本塁打、128打点、61盗塁

 近年で最も伸びた外野手と言って良いだろう。パンチ力のある打撃に加え、俊足で外野の守備範囲も広い。昨季はリードオフマンとして20年ぶりの日本一に大きく貢献したことで大きな手ごたえを掴んだに違いない。今季は23盗塁で失敗は2つのみ。盗塁成功率92.0%と高い。本塁打数も昨季の自己最多14本塁打を塗り替えるのは間違いないだろう。攻守走で伸びしろが十分にあり、トリプルスリーを達成する可能性も十分にある。他の打者が沈黙する中、一発を打つ意外性のある打撃は国際試合向きと言える。日の丸のユニフォームを身にまとってプレーする姿が楽しみな選手だ。

右翼、DHが現実的か


ソフトバンク・柳田悠岐


・柳田悠岐(ソフトバンク)
今季成績 86試合出場、打率.262、15本塁打、53打点、1盗塁
通算成績 1224試合出場、打率.315、229本塁打、744打点、157盗塁

 昨年の東京五輪でセンターを守り、金メダルを獲得した強打者。豪快なフルスイングでシーズン30本塁打を3度マークし、コンタクト率も高い。2度の首位打者、パ・リーグ最長タイ記録の4年連続最高出塁のタイトルを獲得している。だが、今季は度重なる故障の影響もあり、状態が上がってこない。とらえたと思った打球がファウルになり、打ち損じが目立つのが気になるところだ。本来の状態を取り戻せば侍ジャパンに必要な選手であることは間違いない。今季は右翼で55試合スタメン出場し、指名打者で31試合出場。中堅を一度も守っていない。WBCに選出されたときは右翼、指名打者での出場が現実的か。

錆びついていない打撃技術


広島・秋山翔吾


・秋山翔吾(広島)
今季成績 28試合出場、打率.298、4本塁打、21打点、0盗塁
NPB通算成績 1235試合出場、打率.301、120本塁打、534打点、112盗塁

MLB通算成績 142試合出場、打率.224、0本塁打、21打点、9盗塁

 メジャー挑戦は思うような結果を残せなかったが、高度な打撃技術は錆びついていない。今季途中に広島に電撃加入すると、日本の投手にきっちりアジャスト。得点圏打率.440と勝負強い打撃でチームに不可欠な選手になっている。西武時代には2015年に日本記録のシーズン216安打をマークするなど最多安打のタイトルを4度獲得。17年には首位打者を獲得している。外野の守備能力もメジャーで高い評価を得ていた。野球にストイックな姿勢で知られ、周囲を鼓舞するキャプテンシーも大きな魅力。来年のWBCに選出される可能性は十分にある。

スピード感あふれるプレー


阪神・近本光司


・近本光司(阪神)
今季成績 104試合出場、打率.297、1本塁打、25打点、22盗塁
通算成績 506試合出場、打率.293、29本塁打、162打点、113盗塁

 国際試合でパワーでは米国や中南米に見劣りする。日本が活路を見出すのは機動力になるだろう。球界屈指のリードオフマンである近本は、そのピースにピタリとはまる選手と言える。1年目の19年から2年連続盗塁王。足だけではない。バットコントロールのうまさにも定評があり、昨年は178安打で最多安打のタイトルを獲得している。打率.313、10本塁打、50打点はいずれも自己最高だった。中堅の守備は肩が強くないが、俊足を生かした広い守備範囲で球際に強い。スピード感あふれるプレースタイルを栗山監督も高く評価している。

高水準のパフォーマンス



・丸佳浩(巨人)
今季成績 109試合出場、打率.283、22本塁打、50打点、5盗塁
通算成績 1579試合出場、打率.281、246本塁打、811打点、170盗塁

 昨年は故障以外で9年ぶりにファーム降格を味わうなど打撃不振に苦しんだ時期があったが、今季は中軸で奮闘している。丸の魅力は常に高水準のパフォーマンスを発揮できることだろう。出塁率が高く、長打力もある。どの打順でも対応できるため、首脳陣にとっては頼もしい存在だ。2019年のプレミア12では故障で戦線離脱した秋山に代わり、大会途中で追加招集されると、センターで先発出場し続けて初優勝に貢献している。一度打ち出したら止まらない爆発力を秘めた強打者だ。

写真=BBM
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