来年3月に開催される第5回WBCに向け、侍ジャパンの
栗山英樹監督が選ぶメンバーが注目されている。昨夏の東京五輪で金メダルを獲得した
ヤクルト・
村上宗隆、
オリックス・
吉田正尚は中心選手として期待されるが、選手の状態などを見ながらメンバーを一新する可能性もある。東京五輪では選ばれなかったが、
松本剛、
森友哉、
山川穂高、
牧秀悟ら強打者が選出されるか。
※記録は8月21日現在 ハイアベレージで広角に安打を量産
松本剛(日本ハム)
今季成績 89試合出場、打率.356、3本塁打、31打点
通算成績 418試合出場、打率.279、10本塁打、88打点
新庄剛志監督ことBIGBOSSの横一線の競争の下で、11年目の今季大ブレークした。春先から打率4割を超えるハイアベレージで広角に安打を量産。得点圏打率.441とチャンスに強く、リーグ2位の21盗塁と機動力でも貢献度が高い。7月中旬に左膝蓋骨下極骨折で戦線離脱したが、8月16日の
楽天戦(札幌ドーム)から復帰。自身初の首位打者獲得に向け、勝負の夏場を駆け抜ける。侍ジャパンは中堅に絶対的な選手が不在のため、松本が選出される可能性は十分にある。
捕手としての能力もアップ
森友哉(西武)
今季成績 73試合出場、打率.251、5本塁打、29打点
通算成績 897試合出場、打率.290、99本塁打、440打点
球界を代表する「強打の捕手」。2019年に打率.329で捕手では史上4人目の首位打者に輝くなど天才的な打撃センスを誇る。豪快なフルスイングでミートの力も高い。森が捕手でスタメン出場すれば代打の必要はないだろう。今季は4月2日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で8回裏の守備から途中交代した際にロッカーでマスクを投げつけて右手人さし指を骨折したが、5月24日に一軍昇格後は巧みなリードで強力投手陣を引っ張っている。捕手としての能力も確実にレベルアップしている。
流れを変える一発に期待
西武・山川穂高
山川穂高(西武)
今季成績 100試合出場、打率.286、35本塁打、76打点
通算成績 740試合出場、打率.258、212本塁打、556打点
復活した和製大砲がコンスタントに本塁打を量産し、タイトル争いを独走している。2018年に47本塁打、19年に43本塁打で2年連続タイトルを獲得したが、その後は度重なる故障の影響もあり、20、21年と24本塁打で確実性も低かった。打撃フォームに迷いがなくなった今季は6月26日の楽天戦(楽天生命パーク)で2打席連続アーチを放ち、697試合目で日本人選手最速の通算200号を達成。国際試合でも試合の流れを変える一発は大きな魅力だ。
右方向に長打を放つスラッガー
牧秀悟(DeNA)
今季成績 97試合出場、打率.284、20本塁打、67打点
通算成績 234試合出場、打率.301、42本塁打、138打点
プロ2年目で不動の四番に座る。バットコントロールに優れ、右方向にも長打を打てるのが強みだ。相手バッテリーのマークが厳しくなった今季は調子を落とした時期があったが、修正能力の高さを見せて、合格点をつけられる活躍を見せている。守備でも送球の精度が高く、カットプレーから好返球でチームを幾度も救っている。二塁はヤクルト・
山田哲人、
広島・
菊池涼介、楽天・
浅村栄斗と球界を代表する選手たちがひしめく激戦区だが、牧も負けていない。日の丸をつけてプレーする姿を見たい選手の1人だ。
初対戦も苦にしない国際試合向きの強打者
佐野恵太(DeNA)
今季成績 95試合出場、打率.325、16本塁打、54打点
通算成績 524試合出場、打率.305、63本塁打、243打点
投手から背番号が見えるほどのクローズスタンスから手元までボールを引きつけ、圧巻のスイングスピードでヒットゾーンに飛ばす。本塁打を打つコツもつかんでおり、長打力を兼ね備えている。2020年に打率.328、20本塁打で首位打者を獲得し、今季もハイアベレージで2度目のタイトルを狙える位置につけている。空振りが少なく、初対戦の投手も苦にしない。国際試合向きの強打者と言えるだろう。今季は本職の左翼のほか、一塁もこなしている。複数のポジションを守れるのも大きな武器だ。
写真=BBM