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首位・ヤクルトを猛追のDeNA 「奇跡の逆転優勝」へカギ握る選手は

 

 DeNAが驚異的なペースで白星を積み上げている。8月は31日間で26試合の過密日程の中、15勝2敗と大きく勝ち越し。7月終了時点で借金3だったが、23日現在で貯金は今季最多の10に。首位・ヤクルトと最大17.5ゲーム差あったが、4ゲーム差にまで縮めている。「奇跡の逆転優勝」に向け、全員野球が続くが特にキーマンとなる選手を取り上げてみたい。
※記録は8月23日現在

打線の破壊力を増す存在


DeNA・ソト


※ネフタリ・ソト
今季成績 84試合出場、打率.266、13本塁打、40打点、0盗塁
通算成績 569試合出場、打率.267、143本塁打、383打点、0盗塁

 ソトが本塁打を打った試合は今季12勝1敗。佐野恵太牧秀悟宮崎敏郎と巧打者たちで結成するクリーンアップのあとに一発のあるソトが控えることで打線の破壊力が増す。2018年に41本塁打、19年に43本塁打で2年連続タイトルを獲得。20年は25本塁打、21年は21本塁打と打撃不振で試行錯誤した時期も見られたが、長距離砲として貴重な存在だ。今季は右手首の張り、新型コロナウイルスの陽性判定で戦列を離れた時期もあったが、勝負どころでの本塁打量産を期待したい。

攻守に躍動するムードメーカー



※桑原将志
今季成績 94試合出場、打率.251、2本塁打、23打点、8盗塁
通算成績 859試合出場、打率.267、54本塁打、220打点、73盗塁

 リードオフマンの桑原がチャンスメークすれば打線が活気づく。2016、17年は中堅の定位置をつかんだが、その後は打撃不振で出場機会が徐々に減少。三浦大輔監督が就任した昨年に打率.310、14本塁打と自己最高の成績を残して復活した。今季は春先に調子が上がらずスタメンを外れた時期もあったが、6月以降に調子を取り戻して一、二番で奮闘している。桑原は中堅の守備でも貢献度が高い。落下地点までの到達が早く、右中間や左中間のヒット性の打球もダイビングキャッチで好捕する。ムードメーカーとしてもチームを盛り上げる。

下位打線の核になる捕手



※嶺井博希
今季成績 71試合出場、打率.232、5本塁打、29打点、0盗塁
通算成績 450試合出場、打率.225、20本塁打、125打点、0盗塁

 8月の快進撃で下位打線の核になっているのが嶺井だ。勝負強い打撃に加え、甘く入った球はスタンドに運ぶパンチ力もある。プロ8年間で1度も規定打席に到達したシーズンはなく、昨年は36試合出場で打率.189、0本塁打。7月以降はファーム暮らしだったが、今季はチーム最多の57試合に先発マスクをかぶる。守備面では意外性のある強気の配球術に定評があり、投手の特徴を巧みに引き出す。沖縄尚学高、亜大で全国制覇を経験。プロでも勝利の美酒を味わいたい。

強力リリーフ陣を支える右腕



※伊勢大夢
今季成績 55試合登板、3勝2敗1S31H、防御率1.35
通算成績 127試合登板、6勝4敗1S41H、防御率1.89

 セ・リーグを代表するセットアッパーと言って良いだろう。サイドスロー気味の投球フォームから150キロを超える直球は威力十分。スライダー、フォークの精度も高くプロ3年目の今季は制球力も改善されたことが好結果につながっている。開幕から21試合連続無失点を記録し、「勝利の方程式」に不可欠な存在に。球宴にも初出場した。心身ともにタフで後半戦も勝敗を分ける局面の登板で抑え続けている。エドウィン・エスコバーと共に強力救援陣を支える。

9回のマウンドが似合う男



※山崎康晃
今季成績 44試合登板、0勝2敗29S3H、防御率1.65
通算成績 447試合登板、16勝24敗199S74H、防御率2.68

 山崎には9回のマウンドが似合う。8月21日の広島戦(横浜)で2三振を奪い三者凡退で締め、史上8人目の通算200セーブに王手をかけた。新人の2015年に37セーブをマークし、18,19年は最多セーブ投手のタイトルを獲得。しかし、20年は6セーブに終わり防御率5.68と絶不調に。昨年は主にセットアッパーで60試合登板して27ホールドを挙げたが、守護神で復活することが大きなモチベーションだっただろう。今季は直球に本来のキレを取り戻し、ツーシームも威力を発揮。チームの勝利のために右腕を振り続ける。

写真=BBM
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